ビリー・ホリデイ11
50年春にデッカ社との契約が終了し52年春にヴァーヴ社と契約が交されるまでの二年間、ビリーはマイナー・レーベルへ4曲の1ショット・セッションきりしか録音がない。その間には悪徳マネージャーだった前夫との離婚成立、黒人音楽の殿堂アポロ劇場での一週間公演、最愛の音楽パートナーだったレスター・ヤングとの不仲、24歳のマイルス・デイヴィスとのクラブ競演(以後マイルスはビリーのレパートリーを多く採用、そのスタン...
View Article今日の正興軒vs.こーちゃん
…とまあ、画像をご覧いただければ一目瞭然でまるで変化がない。ひょっとしたらこーちゃんのじいさんは店から出られなくなって、やむなく冬眠しているのではなかろうか。こんなプレファブ小屋に固定電話も引いてはなかろうし、携帯電話など持っているようなじいさんでもなさそうだ。営業中に雪が降って帰宅が面倒になり一晩を店の床で寝袋で過ごしたら出られなくなり、外部との連絡もとれなくなった。そんな作りの店がよく消防法にひ...
View Articleアル中病棟入院記94
・3月28日(日)曇り「今朝の収穫は、がらんとした朝食後のデイルームで入院して以来初めて『ハートキャッチプリキュア』を観ることができたことだ。ファッションモデルをしているえりかの姉のもも姉の話だった。朝食時間にかぶるから『天装戦隊テンセイジャー』と『仮面ライダーW』は観られない。今期の戦隊、ライダー、プリキュアはどれも当たりだから惜しいが、プリキュアだけでもよしとしなくては。朝刊のテレビ欄を見ると『...
View Articleビリー・ホリデイ12
今回はヴァーヴ移籍から没年までの八年間のアルバム・リストになる。前回の末尾で触れたように、1950年までのビリーは当時の慣習に沿って、基本的にはシングル盤(SPレコード)のアーティストだった。二年間のブランクを置いてヴァーヴ社と契約した時は、レコードの発売形態はLPによるアルバム盤とヒット曲用のシングル盤に移行していた。ジャズのアーティストはLP盤の需要が多く、以後はビリーの録音もアルバム単位で行わ...
View Article寝たきり
これが本日の起床時刻でございます。寝坊どころではない、寝たきりだ。先々週の週末の雪は、ほとんど段差のないくらい雪の積もった外階段から滑り台のように滑り落ち、翌日の朝は腰にきて昼まで起きられなかった。だが湿布と鎮痛剤で一日で済んだ。先週末の雪は用心して、わだちができるまで外出しなかった。月曜にはクリニックの受診があり、人の通れるだけの道はできていたので坂だらけの町を買い物したり娘へのひなまつり祝いをゆ...
View Articleアル中病棟入院記95
・3月28日(日)曇り「友達面しやがって肝心な時にはこれかよ、と内心舌打ちするがあいにく煙草はまだ喫い終えていない。早いところ立ち去りたいが、ここで急いでもみ消して喫煙室を出るのもしゃくにさわる。無言で喫いきって出てくるまでだ。するとHAの方から、ねえ佐伯さん聞いてくれる?一瞬、耳を疑った。ついこの間まで頭痛が起きるほどしつこく言い寄るストーカー呼ばわりしていたくせにいったい何だというのだろう。だが...
View Articleビリー・ホリデイ13
前回のおさらい。ヴァーヴ移籍以降に発表されたビリーのアルバムは以下の通り(ヴァーヴ以外は注記)。 (10インチ・アルバム) 1.ビリー・ホリデイ・アット・JATP(46.4/発売52) 2.ビリー・ホリデイ・シングス(52.3,4/52) 3.アン・イヴニング・ウィズ・ビリー・ホリデイ(52.3,4/53) 4.レディ・ラヴ(UA,54.1/54) 5.ビリー・ホリデイ(52.3,4/54)...
View Article今日も寝たきり
今朝もまだ寝起きの腰痛がひどく、とてもではないがすんなり起きあがれる状態ではなかった。だが最悪の激痛だった昨日よりはだいぶましにはなった。起きた時間もそれに比例する。昨日に較べれば一時間ほど早まった。悔しいのはそれより早く6時半、7時半には一度目醒めていて、そのたび「戦隊シリーズまで起きていよう」「まだ眠いが、せめてプリキュアだけは観よう」と思いながら二度寝・三度寝してしまったことだ。今期のプリキュ...
View Articleアル中病棟入院記96
・3月28日(日)曇り「先にトイレに寄るくらいの余裕はあってもかまうまい。小用を済ませてから食卓につくと隣のKくんが、呼びに行ったけどいなかったぞ。トイレを済ませてきたんだ。夕食後に入浴して湯上がりに、デイルームにいつの間にか男性患者が二人増えているのに気づく。一昨日お花見バスの中でSkさんと大騒ぎしていたKwさんと、こないだグループ・ミーティングにも出席していた車椅子のKuさん。第三病棟から移って...
View Articleビリー・ホリデイ14
ビリー・ホリデイのステージ・デビューは1930年、15歳の時で、コロンビアのプロデューサーのジョン・ハモンドの目にとまり33年には18歳でレコード・デビューを飾ることとなる。このハモンド氏は後にロバート・ジョンソン、ボブ・ディラン、ジャニス・ジョプリン、ザ・バンド、ブルース・スプリングスティーンほか多数をコロンビアからデビューさせた人で、ビリー以前もベッシー・スミス、カウント・ベイシー楽団、ベニー・...
View Article今朝も腰痛
ほぼ一時間ずつ繰り上がっているとはいえ、今日も寝坊した。こんなにしつこい腰痛は症状が始まって以来初めてかもしれない。やっぱり湿布と鎮痛剤を中止したのがまずかったか。だが中止してもピークだった一昨日よりは快報に向かっているのだ。まずかったのは午前10時からの予約だったメンタル・クリニックをすっぽかしたことだった。むしろ受診はかったるい(健康状態の報告くらいしか話題はない)ので薬の処方だけでいいのだが、...
View Articleアル中病棟入院記97
・3月29日(月)曇りときどきにわか雨「唐突に気が変るのも、一度言いだしたら頑固なのも同じくらい珍しくもないことだが、ついこの間まではぶつぶつと、みんな休め休めって言うんだな、Tjのおやじも親分もSmちゃんも佐伯くんも、とこぼしていたが、ようやく疲れを認める気になったようだ。彼は自任するように理系も理系、工学博士だから人文系の知識に乏しくても支障はないが、彼いわく『最新の研究成果へのこだわり』があっ...
View Articleビリー・ホリデイ15
正式なビリーのヴァーヴ移籍第一弾録音は52年3月の8曲の収録に始まる。バック・バンドは全員スター級。ピアノがオスカー・ピーターソン、ギターがバーニー・ケッセル、ベースがレイ・ブラウンとなればジャズ雑誌の楽器別No.1プレイヤーになる。全8曲は画像1の10インチLP「ビリー・ホリデイ・シングス」に収められた後55年12インチLP「ソリチュード」(画像3)に再録される。3曲を上げる。[Billie...
View Article今日の寝たきり
寝たきりもシリーズ化してくるとああ自宅療養だなぁという実感がひしひしと迫るが、今日はまたぶり返した感じだ。玉子と納豆が切れたので昨日はメンタル・クリニックの受診後に安いがやや遠い、坂道を上り下りしたスーパーに行ったからだ。買い物程度の歩行でこうなるのでは悩ましい。いつまで自重すれば治るものやら、と思う。幸い昨日は晩になってもストーヴ要らずの暖かさで、アニメのDVDを途中まで観て寝てしまい、気づいたら...
View Articleアル中病棟入院記98
・3月29日(月)曇りときどきにわか雨「科学でも単一で疑問の余地のない解答はなかろう。だが彼の場合学習にも『正解』がないと気が済まない性分だから、常に疑問を抱えこんでいる状態を学習で解決しようとしているが、精神疾患の分野では暫定的に方向性を探りながら解消していくより手段はない。彼の場合はそれも難しいかもしれない。フーコーが同一線上で追究していた四大テーマ(権力生成、性、監禁、狂気)を並べてもその関連...
View Articleビリー・ホリデイ16
ヴァーヴからのアルバム・リストは13回と14回に掲載したが、12枚の12インチLPの順列は必ずしも録音順や規格番号順ではなく、推定発売順になる。ヴァーヴ時代のビリーは一般的に衰退期とされ最初の三枚「ソリチュード」「リサイタル」「レディ・シングス・ザ・ブルース」が佳作と定評ある。先二枚からは前回紹介したので、代表曲の再演集である「レディ~」全12曲から半数を紹介したい。再演版『グッド・モーニング・ハー...
View Article雪どけ
ようやく午前中のうちに起きられる程度の腰痛になってきた。これなら療養中の病人といえども真人間、という気がする。腰痛が原因でも起きだすのが午後1時2時では申し開きが立たないようで、要するに怠けているだけではないかと責められても起きられないほどの腰痛経験者にしか通じないだろう。10時半でも真人間失格と言われても返す言葉がないが、何も好き好んで腰痛で苦しんでいるのではないのだ。元々腰痛再発のきっかけになっ...
View Articleアル中病棟入院記99
・3月29日(月)曇りときどきにわか雨「洗面所の簡単な掃除と雑巾の交換、朝食後には環境タオルを取り替える。外出予定は9時だがKくんは洗濯をしたいので、乾燥機からの回収を頼まれる。きっちり乾いているように長めにかけてあるという。彼が例外的に早く外出できるのはアルコール科の患者ではないからで、アルコール科の患者は朝の会で抗酒剤を服用しないと散歩にも出させてもらえない。抗酒剤服用の挨拶(聖餐式(注1)みた...
View Articleビリー・ホリデイ17
ヴァーヴに残されたスタジオ盤を引き続きご紹介したいが、この先は評価が低いアルバムばかりになる。まず55年8月に2枚のアルバムが同時録音される。次の曲は「ミュージック・フォー・トーチング」(画像1)より。 [Billie Holiday-It Had To Be...
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