ピーナッツ畑でつかまえて(10)
スヌーピーはやれやれ、話にならんわといった仕草をすると、この際きみの言う通りだとしよう、だが今回のルーシーのターゲットはいずれも人間どうしのことだよ。それがどうして私にまで類がおよぶんだね?...
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スヌーピー、やっぱりここにいたね、とチャーリー・ブラウンは犬小屋まで走ってくると、スヌーピーからすれば間の抜けたあいさつとしか受け取りようのない第一声を上げました。スヌーピーはタイプライターを芝生に出して、ウッドストックに口述筆記させている最中でした。この種目不明の雑種らしき小鳥はその実、有能な秘書なのです。...
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チャーリーよりも早くルーシーの姿に気づいたとはいえ、スヌーピーは視力が弱く普段はコンタクトレンズを着けてました。今はたまたまレンズを着用し、またチャーリーの話から事態は予測できましたが、もしコンタクト着用でなかったら彼はルーシー以外の人影でも指差したに違いありません。もちろんビーグル犬ですから、少女と少年の区別は嗅覚で見分けることくらいできますが。...
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スヌーピーの住む犬小屋は、外見では想像できないほどの伝説的な広大さを誇っていました。伝説的というのは、実際に小屋の内情を知るのはスヌーピー本人と唯一小屋への出入りを許された親友にして秘書のウッドストックだけであり、小屋を建てたチャーリーは自分でさまざまに手入れをほどこしたスヌーピーから小屋の現況を聞いているだけでした。...
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スヌーピーはさまざまな色の皿を持っていますが、普段は赤い皿をごはん皿、黄色い皿を水皿として使用しています。かつてはスヌーピーには皿の種類を区別できていないと思われていたこともありましたが、これは犬が色盲と思われていたことが原因で、色覚的には人間と異なる熱感知で一般の犬でも色彩は区別しているのです。...
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スヌーピーは知性を獲得するに従って、多くの仮装をするようになっていました。いわゆるコスプレであり、そのレパートリーは140を超えるとさえ言われています。ですが変装の多くが「世界的に有名な…」(The world famous...)という肩書きで始まるものが多いのは、この犬の虚栄と想像力の限界を表すものでした。 * ・ジョー・クール(Joe...
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スヌーピーはやれやれ、話にならんわといった仕草をすると、この際きみの言う通りだとしよう、だが今回のルーシーのターゲットはいずれも人間どうしのことだよ。それがどうして私にまで類がおよぶんだね?...
View Articleピーナッツ畑でつかまえて(11)
第二章。 スヌーピーが引き取られてからブラウン理髪店の庭の居心地の良い小屋に落ち着くまでには、二か月以上の内装工事がかかりました。その間チャーリーはどれだけパインクレストじゅうを買い物してまわらなくてはならなかったでしょう。スヌーピーもまた、早くもこの町で親友になったウッドストックを通じて小鳥の室内装飾職人探しにふけり(小鳥は器用なのです)、取りとめのない思案に暮れていたのでした。...
View Articleピーナッツ畑でつかまえて(12)
そうした風変わりな趣味で他人を驚かせていたのも、すでに消え去った昔の夢でした。今のスヌーピーにとっては、過去の自分の行状さえも軽蔑の的であり、それはライラに手離されて再び子犬園に運命を託されていた数日間の深い絶望をくぐってきたからかもしれません。そこは偶然の手によって救い出されない限りは、ガス室送りの順番待ちの待機室であり、強制収容所同様に希望のない無情な拘置所でした。...
View Articleピーナッツ畑でつかまえて(13)
スヌーピーの主張する通り、たとえルーシーがパインクレスト小学校の秩序を滅茶苦茶にしてきたからと言って、それがすなわちスヌーピーの危機にもつながるとは飛躍した見解でもありました。確かに彼はチャーリーの犬(端的に言えば)であり、ライナスの友人でもありますが、それをもってルーシーの怨恨の対象になるならばブラウン理髪店だって十分に危険です。...
View Articleまだ鬱が
まだかなり嫌な鬱気分が晴れない。夜は寝ても熟睡できないし、昼間は気力がまったく起きない。生活リズムも整わず、今朝は月曜朝毎週の受診を寝過ごしてしまった。起きている時間が調整できないのだ。いつも眠いし、かといって十分な眠気は足りないような感じで、全体的には厭世的な倦怠感、それも自業自得な気分が続いている。...
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