アル中病棟入院記146
・4月4日(日)晴れ・にわかあめ「『ジュエルペット』続編が昨日から始まり嬉しかったが(退院後の楽しみ)『犬夜叉完結編』は昨夜で終ってしまった。地方局に下りてきた時に見直すしかあるまいとメモしておき、数日分溜まっていた日記がやっと今日まで追いついた。さて、一気に数日間の日記をつけてみると、入院生活に飽きているのをひしひしと感じる。自分でも機嫌が悪く、無愛想な人間になっているのがわかる。Kくんは予定通り...
View Article私の彼氏(ジョージ・ガーシュウィン'24)
ミュージカル挿入歌として書かれたが不採用、30年代にようやく名曲の評価を得た。ジャズでは次の二つのヴァージョンから。 [Billie Holiday-The Man I Love]39.12.13http://m.youtube.com/watch?v=qr3J3CeXFYU [Benny Goodman...
View Articleエンブレイサブル・ユー(ジョージ・ガーシュウィン'30)
『私の彼氏』と並ぶ作者二大傑作ラブ・ソング。名唱の筆頭はこれ。 [Billie Holiday-Embraceable You]44.4.1http://m.youtube.com/watch?v=12lASVXUu1wコード進行だけ拝借し、完全に別の曲にしたのが、 [Charlie Parker...
View Article「ちょっと変」なピアノ
バド・パウエルはビ・バップが生んだ五大もしくは三大ピアニストでも影響力では最大の存在で、他の四人はセロニアス・モンク、レニー・トリスターノで三大ピアニスト、エルモ・ホープとハービー・ニコルスを加えて五大ピアニストとなるのだが、ホープは不安定なパウエル、ニコルスは偏屈なモンク、モンクとトリスターノは音楽性と演奏技法ががっちり噛み合っていた。ホープとニコルスも素晴らしいピアニストだが、バドはどんな種類の...
View Articleアル中病棟入院記149
・4月5日(月)雨「36.1c、脈64、58.8kg(朝食前)。単極性鬱の人ならともかく双極性障害だと鬱の判定も難しくなる。躁鬱混交という状態も病期のなかではあり得るからだ。確率的には寛解期52%に次いで鬱期32%が長く、躁・軽躁期10%、躁鬱混交期6%と続くのが双極=1型だから今まではなんとか寛解期でいられたとして鬱期に入ってもおかしくはない。躁と鬱は逆のようでいて抑制された状態、たとえば今まさに...
View Article幻の名盤発見?
ドイツにメンブラン(Membran)という著作権切れ録音復刻レーベルがある。著作権切れだから10枚組で1000円程度とすごく安い。10年前には100枚組5セットで500枚3万円を切るジャズ名盤大全集を出して話題を呼んだ。実は以前はこのレーベル、データなし、音質もどうも、だったがその大全集からデータは綿密、マスタリングも正規メーカーより格段に上という凄いことになった。で、同社が2012年末に発売したの...
View Article豚モツ野菜炒め
早朝覚醒してしまった。まだ三時間も眠っていない。午前四時。そういう名前のバンドもいた。1980年、その年の春から秋にかけて半年間だけ活動していた東京ローカルのパンク・バンドで、凄いらしいと噂になり始めてきた時にはもう消滅していた。ギターの川田良だけが実力者として音楽シーンに残り、ヴォーカリストに至っては消息すら不明になった。翌年秋に、インディーズ(当時は自主制作レーベルと呼んだ)から観客のライヴ・テ...
View Article「幻」ではない名盤
今回は日米での評価格差のある名盤群を上げる。まずこれ、SP盤発表当時は異能の天才として話題になるも本国ではすぐ過去の人になり、アルバム化は日本が先だった。画像1。 [Lennie Tristano Trio-Out On A Limb]46.10.8...
View Article桜えびチャーハン
…また早朝覚醒してしまった。午前四時にこの部屋には何かが起きるのだろうかと思わずにはいられない。こういう時には偉大なバンドの必殺曲、いわゆるキラー・チューンというやつでとりあえずは一旦目を醒ます。何がいいって、三分以内で完璧にここではないどこかへ連れて行ってくれる曲がいい。そうだ、あれがいい。あれしかない。 [X-Johnny Hit And Run...
View Articleミンガス・プレゼンツ・ミンガス(1960)
前回は日米で評価差のある名盤を集めてみたが、その最たるものは一枚まるごと紹介したい。一枚はマックス・ローチ「ウィ・インシスト!」60、もう一枚がこれだ。日本ではミンガスの傑作といえば「直立猿人」56とこれだが、本国では「ミンガス・アー・ウム」59と「黒い聖者と罪ある女」63が屈指の傑作とされる。「ウィ・インシスト!」も認知度が低い。実はこの二枚は対をなす作品で、ジャズ批評家ナット・ヘンホフ主宰の弱小...
View Articleアル中病棟入院記152
(前回の結びの患者同士の会話に、不穏当かつ不愉快な表現が含まれていたことをお詫びします。発言者の偏見をそのまま表すため、あえて実際に行われていた会話をそのまま再現したものであり、あくまでも記録として伏せ字は用いませんでした。)・4月6日(火)晴れ「天気予報では最高気温20度近い陽気になるらしい。Atさんに佐伯さん、7時30分、と声をかけられ目を醒ます。朝仕度をしてデイルームに向かうともう配膳のワゴン...
View Articleウィ・インシスト!(マックス・ローチ/1960)
かつては日本のジャズ名盤ガイドやジャズ喫茶では必聴の傑作として定評があった。だが現在では過去の人気は過大評価、つまり時代の風潮に後押しされた作品とされている。それだけだろうか?マイルス、ミンガス、コルトレーンの同時期の諸作のようにむしろこの作品は、60年代後期以降のロックの雛型になったと思われる。具体的にはジェファソン・エアプレイン。そしてその影響力は同時代のロックでも最大だった。 [We...
View Articleホワッツ・ニュー(バーク&ハガード'39)[前]
別れた恋人と再会し「最近はどう?」と会話する未練の歌。日本ではこのヴォーカル版が有名だろう。 [Helen Merrill-What's New?]54.12.24(画像1)http://m.youtube.com/watch?v=4cnn_gosCqg先行するヴォーカル版を二つ上げる。後者はマイルス参加。 [Benny Goodman Orch.ft.Peggy...
View Articleホワッツ・ニュー(バーク&ハガード'39)[後]
この曲はスタンダードでは珍しく無名ジャズマンの作品。しかも長調の曲なのだが、まるで長調には聴こえない。今回もヴォーカル版から。まず男女両横綱の苦味の効いた歌唱より。 [Billie Holiday-What's New?]55.8.25(画像4)http://m.youtube.com/watch?v=IXiSZxIH1Xw [Frank...
View Article