*
の 真 雪 森
の の
ま 紅 お 夜 奥
ん く
じ の の の
*
蛾 く 身 火 更 の 森
に 拝
を の け
彩 夜
焼 彌 の
撤
(高柳重信句集『伯爵領』1952より)
*
高柳重信の俳句はタイポグラフィが形象性よりも音楽性を生んでしまう実例で、高柳よりも早い時期から現代詩では北園克衛の達成がありましたが表記形式の実験としてしか理解されず、この後後継者は現代詩の分野で吉増剛造『オシリス、石の神』、吉岡實『藥玉』など80年代まで現れませんでした。
余談はさておき、ガラケー版モバイル・サイトで重要だったのは一記事あたりの掲載制限文字量が1000字だったことです。これは400字詰原稿用紙2.5枚、200字詰原稿用紙(いわゆる「半ペラ」、雑誌媒体ではこちらの方がよく使われる)5枚に相当し、新聞のコラム(『天声人語』など)がだいたい1000文字です。
サイズが内容を規定してしまう、少なくとも限界はありますが、1000文字がリミットならリミットいっぱいを使って何ができるか、これまでは一記事1000文字をノルマにしてきました。ところが、先月携帯電話が壊れてしまってスマートフォンに機種変更したところ、メール投稿作成時にこのスマートフォンのソフトでは文字数が表示されないのでわからない。過去の記事を調べてみると現在のスマートフォン用ヤフーブログ・アプリでは1000文字載せて残り19000文字掲載可能とわかりました。つまりスマートフォン用のヤフーブログ・アプリでは20000字が一記事の制限文字量になるわけです(おそらくPC版サイトと共通)。
1000文字ではコラムですが、20000字となると400字詰原稿用紙50枚、これは短編小説並みの分量です。文庫版なら40ページ近くなります。いくらなんでも一日に20000字は書けないから、逆に1000文字という手軽な目安を失った分、今後の記事分量には一定の尺度がなくなりました。
*
連載形式で未完のものがいくつかあります。ジャズ、文学史、喜劇映画、アンドレ・ジッドとどれも未完で構わないようなものですが(飽きてきたものもあるし)、あと三回書いて終わりにするつもりだった『偽ムーミン谷のレストラン』という童話がありました。全80回の予定で書いていたものです。なぜ80回かとは、1000文字80回なら400字詰原稿用紙200枚になり、これは短編小説としてはぎりぎりの長さで、長編小説としてはぎりぎりの短さになるのです。小説初心者の初めての長編小説の長さとして推奨される分量です。
あと三回、実は(41)を四回書いてしまったので実際は現在80回に到達しているのですが、話はまだ(77)なので(78)~(80)まで書いて完成させたい。そこで、せっかく一回20000字も載るんだから、と20話ずつの総集編を掲載しましたが、ご覧になれない方もいらっしゃるようです。これはまったくこちらの落ち度で、容量の限界まで活用した場合アプリによっては対応できなくなる、という事態を想定していませんでした。申し訳ありません。まとめるに当って多少の添削はしましたが、内容は「書庫一覧」中の「詩・詩論」に過去記事として収めてあるのと同じものです。
以上、『偽ムーミン谷のレストラン[集成版]』をご覧になれない方へのお詫びとバックナンバーのご案内でした。ご容赦ください。