ヒロイン神原駿河の先輩、阿良々木暦(男子)は飄々とした風貌で、暗にさまざまな人々の悩みに立ち会っては乗り越えてきた風格を感じさせる人格に描かれています。駿河は敗北感から自分自身の行動にも徒労感を抱きかけ、諦めかけていましたが、彼との再会で自然体の自己肯定に足がかりをつかみ、先の対決でまったく歯が立たなかった沼地蝋花との二度目で最後の対戦を決意します。
再戦を挑まれた蝋花は意表を突かれ、最初は嘲笑しますが、それは先に駿河から呪いを奪い、バスケでも完敗させた満足感に十分彼女は浸っていたからです。
呪いを肉体の各所に取り込んだ蝋花にはもちろん絶対有利な自信があります。再戦の意義はない、と嘲る蝋花に、駿河は賭けの代償を出します。それは母のもう一つの遺品、桐箱に入った大猿の頭のミイラでした。駿河が負けたらこれを蝋花に譲る、駿河が勝ったら蝋花の取り込んだすべての呪いを渡してもらう。勝負を受けなければ頭部のミイラは破壊する。
そういうことなら、と蝋花も勝負を受けます。頭部を手に入れればすべてを手に入れたも同様、と自信は少しも揺るぎません。
ただし勝負方法は決めさせてもらう、と駿河が承諾させたのは、お互いもっとも得意な、駿河はシューター(オフェンス)、蝋花はディフェンスの一本勝負にする(前回はワン・オン・ワン)ということでした。しかし呪いの力を得た蝋花が長身の駿河がダンクするより速く高く跳べるのは前回の勝負で明白です。どう考えても勝ち目はないでしょう、と蝋花は嘲り、用具室に着替えを取りに行きます。
お前、まだ成仏する気はないのか、とさりげなく駿河は声をかけますが、蝋花は笑い声を残していくだけです。蝋花が戻るまでの少しの間、駿河は激しい衝撃を受けます。自分が死んだと知らない相手に死を告げるのは正しいことなのか?
しかし駿河はすぐ決意を固めます。オフェンスの駿河がボールを持ちゴール下で向かい合うと、どう考えても勝ち目はありませんよ、と再び嘲る蝋花に、駿河は自信ありげに絶対に私が勝つ、バスケは一人でやるスポーツじゃないんだぜ、と言い放ちます。そして、オフェンス対ディフェンスのゴール下の対決ですから勝負はほとんど瞬時に、見事に両者のキャラクターを反映し、かつ意外性のあるプレイによって決着します。この対決だけはネタバレせずにおきましょう。(続く)
再戦を挑まれた蝋花は意表を突かれ、最初は嘲笑しますが、それは先に駿河から呪いを奪い、バスケでも完敗させた満足感に十分彼女は浸っていたからです。
呪いを肉体の各所に取り込んだ蝋花にはもちろん絶対有利な自信があります。再戦の意義はない、と嘲る蝋花に、駿河は賭けの代償を出します。それは母のもう一つの遺品、桐箱に入った大猿の頭のミイラでした。駿河が負けたらこれを蝋花に譲る、駿河が勝ったら蝋花の取り込んだすべての呪いを渡してもらう。勝負を受けなければ頭部のミイラは破壊する。
そういうことなら、と蝋花も勝負を受けます。頭部を手に入れればすべてを手に入れたも同様、と自信は少しも揺るぎません。
ただし勝負方法は決めさせてもらう、と駿河が承諾させたのは、お互いもっとも得意な、駿河はシューター(オフェンス)、蝋花はディフェンスの一本勝負にする(前回はワン・オン・ワン)ということでした。しかし呪いの力を得た蝋花が長身の駿河がダンクするより速く高く跳べるのは前回の勝負で明白です。どう考えても勝ち目はないでしょう、と蝋花は嘲り、用具室に着替えを取りに行きます。
お前、まだ成仏する気はないのか、とさりげなく駿河は声をかけますが、蝋花は笑い声を残していくだけです。蝋花が戻るまでの少しの間、駿河は激しい衝撃を受けます。自分が死んだと知らない相手に死を告げるのは正しいことなのか?
しかし駿河はすぐ決意を固めます。オフェンスの駿河がボールを持ちゴール下で向かい合うと、どう考えても勝ち目はありませんよ、と再び嘲る蝋花に、駿河は自信ありげに絶対に私が勝つ、バスケは一人でやるスポーツじゃないんだぜ、と言い放ちます。そして、オフェンス対ディフェンスのゴール下の対決ですから勝負はほとんど瞬時に、見事に両者のキャラクターを反映し、かつ意外性のあるプレイによって決着します。この対決だけはネタバレせずにおきましょう。(続く)