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Channel: 人生は野菜スープ(または毎晩午前0時更新の男)
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アル中病棟入院記159

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(人名はすべて仮名です)
・4月7日(水)雨のち曇り
(前回から続く)
「全体会のあと部屋に戻って少し休み、少年サンデーの『絶対可憐チルドレン』を立ち読みしに行こうとセーターを着ていると、渥美さんもコンビニに買い物があるという。渥美さんは柳瀬さんと毎朝、朝の会の後に新聞や四コマまんが誌、菓子を買いに行き、新聞や雑誌を交換して静かに読んでいた。柳瀬さんは産経新聞で渥美さんは東京新聞、柳瀬さんはチョコレート類で渥美さんは菓子パン類が主だった。お二人ともプログラムや食事、入浴以外は滅多にデイルームに出て来ず、新聞を交換して読んで昼寝して、と物静かで理想的な同室者だった。柳瀬さんは朝の会であいさつした後、全体会の頃には退院して行った。数日前に喫煙室で、あー退院か、出たらまた飲むよ、とぽつりとつぶやいていた」

「勝浦くんは敵意から入る性格だから新聞読んで一日中ゴロゴロしやがって、あの二人と松本さん、清ちゃんに替えてくれれば朝まで生テレビなのによ、と言い続け、柳瀬さんが退院した今では変な奴が入ってきやしないだろうな、と不満げに心配している。物静かでいい人たちじゃないか、これから移ってくる人も第三病棟で十分に落ち着いていると判断された人だよ、とその都度応えるが、わかったもんじゃないぜ、と納得しない。それは確かにそうなのだが、今から悪い方ばかりを気にしても仕方がない。だが彼みたいに疑心暗鬼に陥っている人間は聞く耳を持たないから、かける言葉がない」

「外は小雨だったが、渥美さんに病院の窓口で傘が借りられると教えられる。コンビニではゴールデンバットの注文して『絶対可憐チルドレン』を立ち読みし、その間渥美さんは新聞と牛乳と菓子パンを選び、これか、これ、と差し出してくるのでぼくのほうはお構いなく、と辞去するが、分けるの、と言うので薄焼きせんべいを選ぶ」

「午後のプログラムで勝浦くんと清水くんがトラブルを起した。彼らは一般精神科(鬱症状)の入院だからアルコール科の受講義務はないのだが、暇を持て余しているのと興味本位から参加したのだ。それは認められていたから問題なかったのだが、勝浦くんと清水くんが何度も質問を繰り返し、どれもがアルコール依存症とは関係なかったので田島院長が軽くいなした。これが後からトラブルに発展することになった」(続く)

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