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Recorded at The Nora Studios, New York City, April 15, 1959
Released by United Artists Records UAS 5046 as the album "Love For Sale", 1959
[ Personnel ]
Cecil Taylor - piano, Ted Curson - trumpet, Bill Baron - tenor saxophone, Buell Neidlinger - bass, Dennis Charles - drums
セシル・テイラーはプロデューサーのトム・ウィルソン(ハーバード大学法学科卒のエリート黒人法律家でもあり、'60年代にはボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル、アニマルズ、フランク・ザッパ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのプロデューサーになります)に見出されてウィルソン自身の短命自主レーベル「Transition」からサン・ラ、ドナルド・バードらとデビューし、ウィルソンがポピュラー畑に移る'60年代まではサン・ラともどもウィルソンはテイラーを売り出そうとしていたので、ドナルド・バードのバンドと出演したニューポート・ジャズ祭のライヴのスプリット・アルバム、西海岸のコンテンポラリー・レーベルに売り込んだスタジオ盤第2作に続いてはケニー・ドーハム(トランペット)とジョン・コルトレーン(テナーサックス)を加えたクインテットのハード・バップ作品『Hard Driving Jazz』'59(録音'58年10月)があり、それから『ラヴ・フォー・セール』が前作同様メジャーのユナイテッド・アーティスツから発売されます。A面は先にご紹介した通りコール・ポーターのスタンダード曲3曲のピアノ・トリオでしたが、B面2曲はテイラーのオリジナル曲のトランペットとテナーを加えたクインテット演奏で、ここでテイラーは自作曲では空前絶後のクインテット用のハード・バップ曲を提供しているのが聴きものです(『Hard Driving Jazz』の全4曲はスタンダード2曲にケニー・ドーハムと、ベースのチャック・イスラエルズのハード・バップ曲が1曲ずつでした)。
セシル・テイラーのハード・バップ曲など後年のアルバムからは想像もつきませんが、テッド・カーソンのトランペットとビル・バロンのテナーという渋い若手実力派フロントの熱演もあって、テイラーのピアノ・ソロになると途端にアブストラクトなムードになるのが本性は隠せない感じですが、アート・ブレイキーを尊敬するレギュラー・ドラマーのデニス・チャールズも乗っており、ビュエル・ネドリンガーのよく弾むベースもお手のものという感じで、異色のハード・バップ隠れ名演になっています。同曲はセシル・テイラーのバンドの準レギュラー・メンバー、スティーウ・レイシー(ソプラノサックス、1934-2004)が自己名義の第3作『The Straight Horn of Steve Lacy』のオープニング曲でカヴァーしており、ジョン・オール(ベース)とロイ・ヘインズ(ドラムス)というテイラーもレイシーももっとも尊敬するセロニアス・モンク(ピアノ)のバンドのレギュラー・メンバーがゲストですから、レイシーはこのアルバムでテイラーやモンクの曲を、あえてピアノレスの2管+ベース、ドラムス編成で録音してスカスカの空間を生かしたユニークなサウンドを作っています。隙間を埋め尽くすようなテイラーとは異なるこのアプローチもさすがのセンスがうかがえ、曲はハード・バップなのに演奏は脱ハード・バップという点ではテイラーのヴァージョンをうっちゃる洒落っ気があります。
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Recorded at The Nora Studios, New York City, November 19, 1960
Released by Candido Records Candido 8006(Mono) and 9006(Stereo) as the album "The Straight Horn of Steve Lacy", 1961
[ Personnel ]
Steve Lacy - soprano saxophone, Charles Davis - baritone saxophone, John Ore - bass, Roy Haynes - drums