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Sun Ra - Taking a Chance on Chances (Saturn, 1977)

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Sun Ra - Taking a Chance on Chances (Saturn, 1977) Full Album : http://www.youtube.com/watch?v=Rh_yGJ7sW2M&list=PLI56a5ibyq9yJKO2RE4BCcuxeLthEF6i_
Recorded Live at Jazz Showcase, Chicago, November 1977.
Released by El Saturn Records Saturn LP 772, 1977
Remasterd and Reissued by Enterplanetary Koncepts, February 9, 2018
(Side A)
A1. Taking a Chance on Chances (Sun Ra) - 6:27
A2. Lady Bird (Tadd Dameron) into Half Nelson (Miles Davis) - 8:32
A3. Over the Rainbow (Harburg-Arlen) - 5:20
(Side B)
B1. St. Louis Blues (W. C. Handy) - 5:09
B2. What's New? (J. Burke, B. Haggart) - 10:09
B3. Take the "A" Train (Billy Strayhorn) - 9:50
(CD Bonus Track)
7. Sound Mirror (Sun Ra) - 9:02
[ Sun Ra & His Arkestra ]
Sun Ra - organ, recitations
Michael Ray - trumpet
Ahmed Abdullah - trumpet
Marshall Allen - alto saxophone, oboe, flute
Danny Davis - alto saxophone, flute
John Gilmore - tenor saxophone, clarinet, percussion, vocal
Danny Ray Thompson - baritone saxophone, flute
Eloe Omoe - bass clarinet, flute
James Jacson - flute, basoon, percussion
Richard Williams - bass
Thomas Hunter - drums
Luqman Ali (Edward Skinner) - drums
Atakatune-percussion
Eddie Thomas-percussion, vocal
June Tyson & other female voice - Space Ethnic Voice

(Reissued Enterplanetary Koncepts "Taking a Chance on Chances" Cover, Alternate Saturn LP Front Cover & Original Side A Label )

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 サン・ラの再発や音源発掘は没後25年になろうという今年も引きもきらず、本作は数回前(3月12日付)にご紹介した『The Soul Vibrations of Man』(Saturn, 1977)と同時録音・同時リリースのライヴ盤で、再発売が今年2018年2月9日と遅れに遅れたため見落としていたものです。『The Soul Vibrations of Man』のご紹介と重複しますが、同作と本作『Taking a Chance on Chances』はレコード番号もサターン771と772、つまり1977年発売の1と2という連番でサン・ラのマネジメント社主アルトン・エイブラハム主宰のシカゴのサターン・レーベルから発売された作品で、サターン・レーベルは1974年からサン・ラ・アーケストラ自身が主宰するフィラデルフィア・サターンの二つに分かれており、アーケストラ発足時から運営されていたシカゴ・サターンはこの『The Soul Vibrations of Man』と『Taking a Chance~』の2作で新作のリリースを終了することになりました。この2作はどちらも1977年11月のシカゴのクラブ「ジャズ・ショウケース」でのライヴ録音とされていますがレコード・レーベルには1976年のプレスの記載があったり、『The Soul Vibrations~』はサン・ラのオリジナル曲、『Taking a Chance~』はアルバム・タイトル曲以外スタンダード曲に分けられていますが、録音年月も録音会場も本当に1977年シカゴか怪しく、アルバム・タイトル、選曲や曲名からもバンドの意を汲んだものか疑わしいものです。再発売された『Taking a Chance on Chances』は新曲でのちにアルバム・タイトル曲に昇格する'70年代後半のオリジナル曲の代表曲「Sound Mirror」の初演がボーナス・トラックで追加されたことで価値を増しました。
 ただしスタンダード曲集『Taking a Chance~』はこの頃の、もっとサン・ラの意向のはっきりしたライヴ・アルバムと曲が重複しすぎており、公式レーベルから発売されてしまった海賊盤の趣きがあります。それは『The Soul Vibrations of Man』も同じで、オリジナルLPではA面が『The Soul Vibrations of Man Part I Volume VII』、B面が『The Soul Vibrations of Man Part II Volume VII』という、A面3パート、B面2パートからなるアルバム1枚で1曲の組曲となっていましたが、実際は「Pleiades」や「The Shadow World」などいつも演っている代表曲とインプロヴィゼーションで組曲らしく編集しているにすぎません。1978年以後、サターン・レーベルの新作はバンド自身のフィラデルフィア・サターンからのリリースに一本化されるので、マネジメントがどさくさ紛れに出してしまったのが『The Soul Vibrations of Man』と『Taking a Chance on Chances』の2作と見て間違いないでしょう。アーケストラもマスターテープを提供した以上今さら特に文句はなかったと思われ、こういういい加減さはビッグ・ビジネスではないジャズの世界では普通に見られることです。『The Soul Vibrations of Man』『Taking a Chance on Chances』はどちらもかっこいいアルバム・タイトルですし、2ドラムス2パーカッションが効いた内容だって悪くはないのですが、怒涛の名作ラッシュだった'76~'78年のサン・ラの真価は他に求めるべきでしょう。

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