Recorded live at Ebbets' Field, Denver, USA, May 20, 1975
Released by Ranch Life Records CRANCH 4, August 18, 1998
All lyrics written by Ralf Hutter and Florian Schneider except "Autobahn", lyrics by Hutter, Schneider and Emil Schult; all music composed by Hutter and Schneider.
(Tracklist)
1. Kometenmelodie - 11:49 (00:00)
2. Autobahn - 21:54 (11:45)
3. Kling Klang - 10:10 (33:40)
4. Tanzmusik - 4:16 (43:55)
[ Kraftwerk ]
Florian Schneider-Esleben - flute, strings, electronics (echo unit)
Ralf Hutter - electric organ, strings
Wolfgang Flur - percussion
Klaus Roeder - violin, guitar
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(Original Ranch Life "Concert Classics" CD Liner Cover, Japanese CD Front Cover & CD Label)
本作はそれまでのクラフトヴェルクから『アウトバーン』以降のクラフトワークになったもっとも早い時期のライヴ・アルバムであることに価値があり、メンバーも『アウトバーン』と同一です。後半はクラフトヴェルク時代の曲で「Kling Klang」は『Kraftwerk 2』の、「Tanzmusik」は『Ralf und Florian』の収録曲ですが、『アウトバーン』のクラフトワークのアレンジに生まれ変わっています。『アウトバーン』収録曲の「Kometenmelodie」「Autobahn」はさすがに完璧なアルバム・テイクと較べるとこの時期には機材の限界から再現度に粗がある演奏ですが、かつてデビュー年と『Kraftwerk 2』までのラルフ・ヒュッター不在の時期に直後にノイ!として独立するクラウス・ディンガー(ドラムス)、ミヒャエル・ローター(ギター)を迎えてハード・ロックになってしまった'71年のライヴとはまったく違う、クラフトワークのコンセプトに筋の入ったライヴになっており、そうした点でも『アウトバーン』をクラフトワークの真の第1作とするフローリアン・シュナイダーとラルフ・ヒュッターの意向が理解できる内容のライヴです。クラフトワークの成功でタンジェリン・ドリームも国外ツアーを行うようになり、英仏でのライヴ盤『Ricochet』'75、アメリカ・ツアーのライヴ盤『Encore』'77によってより明快なスタイルに作風を変えていきます。何よりこうした電子音楽グループがライヴでアルバム曲を再現すること自体が当時は画期的なことでした。シュナイダーとヒュッターもクラフトヴェルクの当初はライヴ活動など考えていなかったと思われ、デビュー作のドイツ国内でのヒット、『アウトバーン』の国際的大ヒットがライヴ活動を後押しする形になったと考えられるだけに、ライヴでの反響が直接に以後の音楽的方向性に反映されたのが'70年代後半のアルバムごとのスケール・アップにつながったのがクラフトワークにとって吉と出たのがわかります。それはアルバム制作のみのスタジオ活動だけでは生まれないものでした。