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Channel: 人生は野菜スープ(または毎晩午前0時更新の男)
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新☆戦場のミッフィーちゃんと仲間たち(50)

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 チェブラーシカとわにのゲーナは裏口に回るよう指図されました。ぼくたちこのお店は初めてだしね、お酒の持ち帰りもたいていは断られても仕方がないことだもの、それに子どもだし。チェブラーシカとゲーナは素直にお店の裏口にまわりました。あたりにはチェブラーシカたちの姿を隠すようなものもなく、お店には彼ら以外お客さんはいませんでしたから、なんのためにわざわざ裏口まで回ったものやら無意味としかいえません。空にはチェブラーシカたちの知らない星ぼしがまたたいていました。名前なら小学校で教わったんだけどなあ、とチェブラーシカ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガ。それは何だい、とわにのゲーナ。夏の大三角だよ、とチェブラーシカ、でもどれがそうなんだろう?夜空の空気が透明すぎて、ぼくにはわからないや。確かにそうだな、とわにのゲーナ、スターが多すぎるとどれもただの星くずに見える。
 あれが天井なら雨漏りがひどいだろうな、とわにのゲーナは言いました、改革前の昔を思い出すよ、もっともおれはわにだから雨漏りがしていても眠れるが。ぼくは困るよ、とチェブラーシカ。おれの口の中に入って寝ればいい、とわにのゲーナ。うっかり喰っちまいやしないか保証はできないが、おれはわにだからその辺は自己責任としてくれ。
 改革前が話の引き合いに出てきたのはひさしぶりでしたので、チェブラーシカたちの話題はひさしぶりに旧体制と新体制の比較になりました。なるべく公平に見て、とわにのゲーナ、昔も悪いところばかりじゃなかったよ。健全であればナショナリズムも悪いことじゃない。もし旧体制下でナショナリズムの確認がなかったら、改革はもっとグローバリズムに呑み込まれてしまうような性質のものだったかもしれない。それに、おれたちのかつての政府は本格的な国際戦争と内戦はかろうじて回避してきた。これもスラブ民族のナショナリズムがあったからおれたちは無理はできないとわかっていたんだ。それを思えば、おれたちが一種の文化的鎖国をしていた50年間にはそれなりの必然があり、効用もあったと言える。
 あ、誰か出てきたよ、とチェブラーシカがゲーナのチョッキのすそを引っ張りました。チェブラーシカはコートのフードを立てて顔を隠しました。やみ酒を買いに来る時はいつもシャパクリャクおばあさんに、右手を人間の手にしてもらっているのも確認しました。
 第五章完。

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