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アイラーの場合、中期の総決算というべき傑作ライヴ盤、「イン・グリニッジ・ヴィレッジ」66-67の発売よりも、師でありインパルス・レーベルの看板スターだったジョン・コルトレーンの急逝(67年7月)によってアイラーのインパルス・デビューに慎重が期せられて、コルトレーン没後に録音されたスタジオ盤、「ラヴ・クライ」67-68の発売が優先されたことに問題がある。コルトレーンのもう一人の弟子たるアーチー・シェップはインパルスの商業主義を嫌ってレーベルを離れ、もう一人の弟子ファロア・サンダースはコルトレーン晩年の音楽性をそのまま受け継いだ。一曲が三分台で歌まで歌うアイラーの「ラヴ・クライ」は明らかに後期アイラーの始まりだった。
New Grass(画像1)68.9.5,6
-ではポップ化は一気に加速して、コーラス隊を従えて、ホーン・セクションのダビングまで加えて、アイラー本人の音色はそれまで通りとしても、リズム&ブルースのアルバムと変わらないものになっている。しかもこのアルバムは大衆的な支持も批評家の評価も得られなかった。
そこで次作、
Music Is The Healing Force Of The Univers(画像2)69.8.26-29
-では当時マイルスやウェイン・ショーターが試みていたエレキ・ギター入りのジャズ・ロックで、ステレオの左右で二台のベースでリズムを強化する、という手法を試みた。楽曲は全て半数の曲でヴォーカルをとるアイラー夫人メアリー・マリア・パークス作ということになっている。楽曲の質は「ラヴ・クライ」からエレジー調のものに変化したが、ボビー・フューの優れたピアノで質的にも向上した。キャンド・ヒートのギタリストで後にはストーンズ加入の候補にもなったヘンリー・ヴェステインの演奏も良く、エレキとウッドのツイン・ベースの効果もいい。
同じセッションの残りは、翌年のアイラー死後に、
The Last Album(画像3)69.8.26-29
-としてまとめられた。単体では廃盤で、「ラヴ・クライ」と抱きあわせでCD化されている(画像4)。残り物という感じはしない優れたアルバムだが、これがアイラー最後のスタジオ録音になった。