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Channel: 人生は野菜スープ(または毎晩午前0時更新の男)
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(補20b)アルバート・アイラー(ts)

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Albert Ayler(1936-1970,tenor sax)。
契約レーベルはデンマークの会社だが、帰国したアイラーはニューヨークで本格的な活動を開始する。前作「マイ・ネーム・イズ~」の好評でアイラーは本国のフリー・ジャズ支持者からも期待の新人になっていたから、一年間のブランクは長すぎるほどだった。

同日に、ヘンリー・グライムスのベース、サニー・マレーのドラムスという素晴らしいリズム・セクションで録音された、
Swing Low Sweet Spiritual(画像1)64.2.24
Spirits(画像2)64.2.24
-はまったく対照的なアルバムで、前者はカール・コブスのピアノを加えた黒人霊歌(または民謡化したドヴォルザーク'Goin Home'や'Deep River'などのスタンダード)をストレートに演奏している。ソプラノ・サックス曲が多い。感動的作品という評価と安易な企画という批判が分かれるアルバムでもある。カール・コブスはアイラーの旧友でアイラーの遺作まで要々で共演した。その後路上で強盗に襲われ死亡している。

「スピリッツ」ではコブスは抜け、トランペットともう一人のベースが加わる。全4曲自作曲、ブッカー・アーヴィンですら「明確なフィギュアのある作品」と認める(ただしアーヴィンは、65年以降のアイラーは「フィギュアがない」と認めなかった)アイラーが初めてメンバーをフリーで統括した秀作になった。また曲名も'Spirits','Witches And Devils','Holy,Holy','Saints'と、アイラーの関心の所在をはっきり示すものに統一されてきた。

Prophecy(画像3)64.6.14
-はアイラー没後の発掘ライヴで、64年7月10日録音の「スピリチュアル・ユニティ」と同一メンバーで同一曲目。全体のアレンジやソロの展開まで既に完成している。ESPレーベルのスタッフによる正規録音だから音質もいい。デモ用に録音されたのか、あるいはこのライヴ盤をESPレーベル第1作(アイラー、ジュセッピ・ローガン、バイロン・アレンがESP第1回発売ジャズマンだった)にする予定だったのか。そういう内容なので「スピリチュアル・ユニティ」に解説は譲りたい。

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