Image may be NSFW.
Clik here to view.
移籍第三作『拳闘』からはエドナ・パーヴィアンスがレギュラー・ヒロインに起用され、1923年までチャップリンのマドンナとなります。チャップリン初のシリアス作品でエドナ主演『巴里の女性』を最後に彼女はチャップリン作品から離れますが、エドナ以後にはレギュラー・ヒロインはいないことでも彼女の重要性は大きいのです。『男はつらいよ』的な、その後一般的になるチャップリンのキャラクターもエドナ時代に確立されました。そして『巴里の女性』の次作が二年をかけた『黄金狂時代』1925で、創作姿勢に大胆な飛躍があります。
1918年の『犬の生活』からチャップリンはメジャーへ移籍しますが、その前の二年間にミューチュアル社で短編12本を監督します。二か月に一本と、エッサネイ社時代より本数は半減しますが、それだけ入念な制作環境を獲得したということです。これらはすでに後年の長編の雛型と言えて、どの一編からもそれは明らかです。事実上1915~17年の三年間でチャップリンがキーストン社のスタイルを完全に革新したのがエッサネイ社~ミューチュアル社の初期短編でわかります。この業績だけはチャップリンにしかなしとげられず、以後の喜劇映画の規範になったのです。