http://m.youtube.com/watch?v=vhFG9T5PiIM
この力強い演奏を聴いて、演奏者の人種や国籍を即座に当てられる人は少ないと思う。これはアメリカの白人ジャズ・アルトサックス奏者フィル・ウッズがフランスで現地ジャズマンと組んだバンドで、お聴きの通りセンス、テクニック、情熱どれを取ってもアメリカの一流ジャズマンにひけをとらない強力なグループになった。
ウッズ(1932~)は戦後の白人アルト奏者がほとんどクール・スタイルを選択する中、ジョー・メイニ、チャーリー・マリアーノらとともに数少ない正統ビバップのパーカー派アルト奏者として活動してきた。やはりパーカー派白人アルトのジーン・クイルとコンビを組んでいたこともある。パーカー派時代のウッズもいいのだが、10月革命と呼ばれた68年の喧騒のパリで11月に録音されたこのアルバムは36歳のウッズが一皮剥けた快作で、コルトレーンやシェップら先鋭的黒人ジャズに感化されつつも(前曲はケネディ大統領追悼曲)音楽にメッセージ色や流行を持ち込まなかったのが吉と出た。
[Alive And Well]
http://m.youtube.com/watch?v=kGaBXh-w66g
A面2曲がウッズの自作で、B面3曲は60年代黒人ジャズのオリジナル名曲に挑む。まずエディ・ハリスの変態ブルース。
[Freedom Jazz Dance]
http://m.youtube.com/watch?v=Pve72oJJr4k
次にオリヴァー・ネルソンの沈鬱なブルース。
[Stolen Moments]
http://m.youtube.com/watch?v=ai3oU-O4h7k
最後はエンド・テーマ的に実は50年代のロリンズのシンプルな曲を一分半でかたづける。ビリー・ジョエルの『素顔のままで』でサックス吹いただけの人ではないのです。
[Doxy]
http://m.youtube.com/watch?v=ms6jzCa86Uw