ビリー・ホリデイがコロンビア在籍末期の39年と44年にジャズ史上初のインディーズ・レーベルであるコモドア社に平行して録音した16曲は後に伝説的アルバム「奇妙な果実」にまとめられた。すでにスターダムにあった彼女がインディーズに録音した動機は幾つも考えられるが、最初の4曲が録音された39年4月20日は『奇妙な果実』のためのセッションだったと言ってよい。この新曲はメジャーでは制作不可能な問題作だった。それはアメリカ南部で行われていた黒人リンチの光景を歌ったものだった。
「南部の樹には奇妙な果実が実る、血が葉を濡らし根元に滴る。黒い体が南部の風に揺れる、ポプラの樹に吊された奇妙な果実。閑雅な田園風景の中で飛び出した目と歪んだ口元、そして甘い木蓮の香りが突然死体の燃える臭いに変る。烏が突き、雨に打たれ、風に晒され、太陽に腐り、そして樹から落ちる果実。奇妙で苦いこの収穫」
[Billie Holiday-Strange Fruit]'39.4.20
http://m.youtube.com/watch?v=wHGAMjwr_j8&hl=ja&gl=JP&client=mv-google&guid=ON
同日にはもう3曲が録音された。まず33年のバラード曲のカヴァーで、後半のテンポ変化のアレンジが効いている。
[Yesterdays]
http://m.youtube.com/watch?v=mG0YJNrTuHA&client=mv-google&hl=ja&gl=JP&guid=ON
次はコモドア社側の提案でビリー自作の珍しいブルース曲。
[Fine And Mellow]
http://m.youtube.com/watch?v=cLfG7WSOjNk&client=mv-google&guid=ON&gl=JP&hl=ja
この日の録音は32年のミュージカル主題歌『ブルースを歌おう』で締めくくられた。4曲すべてを39年当時のビリーのバック・バンドが担当しており、バンドの息はぴったり合っている。
[I Gotta right To Sing the Blues]
http://m.youtube.com/watch?v=vvxJVk0Nw5g&guid=ON&client=mv-google&gl=JP&hl=ja
(続く)
「南部の樹には奇妙な果実が実る、血が葉を濡らし根元に滴る。黒い体が南部の風に揺れる、ポプラの樹に吊された奇妙な果実。閑雅な田園風景の中で飛び出した目と歪んだ口元、そして甘い木蓮の香りが突然死体の燃える臭いに変る。烏が突き、雨に打たれ、風に晒され、太陽に腐り、そして樹から落ちる果実。奇妙で苦いこの収穫」
[Billie Holiday-Strange Fruit]'39.4.20
http://m.youtube.com/watch?v=wHGAMjwr_j8&hl=ja&gl=JP&client=mv-google&guid=ON
同日にはもう3曲が録音された。まず33年のバラード曲のカヴァーで、後半のテンポ変化のアレンジが効いている。
[Yesterdays]
http://m.youtube.com/watch?v=mG0YJNrTuHA&client=mv-google&hl=ja&gl=JP&guid=ON
次はコモドア社側の提案でビリー自作の珍しいブルース曲。
[Fine And Mellow]
http://m.youtube.com/watch?v=cLfG7WSOjNk&client=mv-google&guid=ON&gl=JP&hl=ja
この日の録音は32年のミュージカル主題歌『ブルースを歌おう』で締めくくられた。4曲すべてを39年当時のビリーのバック・バンドが担当しており、バンドの息はぴったり合っている。
[I Gotta right To Sing the Blues]
http://m.youtube.com/watch?v=vvxJVk0Nw5g&guid=ON&client=mv-google&gl=JP&hl=ja
(続く)