リヒャルト・ヴァーンフリート Richard Wahnfried - メガトーン Megatone (Inteam, 1981) Full Album
Recorded at INTEAM Studio, Hambuhren, 1984
Released by Metronome Musik GmbH/Inteam GmbH, ID 20.006, September 1984
All tracks composed by Richard Wahnfried (Klaus Schulze)
(Side 1)
A1. Angry Young Boys : https://youtu.be/N1RaZyoZ4rM - 14:15
A2. Agamemory : https://youtu.be/4NTiU0B4Jqk - 8:45
(Side 2)
B1. Rich Meets Max : https://youtu.be/DJBiw91KdMk - 20:22
[ Personnel ]
Klaus Schulze - synths
Michael Garvens - voice
Axel-Glenn Muller - saxophone
Ulli Schober - drums
Michael Shrieve - percussion
Harald Katzsch - guitar
*
(Original Inteam "Megatone" LP Liner Cover & Side 1 Label)
本作はリヒャルト・ヴァーンフリートのロック・アルバムとしては3作目にして最後のアルバムとも言えるもので、まずバンド編成で制作・発表された最後であるとともに第1作~本作まで参加してきたマイケル・シュリーヴの最後の参加作になり、次作『Miditation』'86のリリースではメンバーはシュルツェとスティーヴ・ジョリフェ(フルート)とのデュオ編成で、シュルツェのソロ作とあまり違いがなくなりもします。次のアルバム『Trancelation』'94では名義もリヒャルト・ヴァーンフリートから単にヴァーンフリートとなり、プログラマーともう一人のエレクトロニクス奏者との小曲集になり、LPフォームをまだ意識して26分前後の曲が2曲で構成された『Miditation』よりさらにテクノ化が進んでおり、ヴァーンフリート名義になってからの残り2作『Trance Appeal』'96、『Drums 'n' Balls (The Gancha Dub)』'97ではタイトル通りドラムン・ベースを意識したアルバムになっている。スタジオ・セッションのみのアルバム制作プロジェクトでライヴを想定してはいないとはいえ、前2作と本作はバンド編成で行われたレコーディングで、ロック色の強さがシュルツェのソロ作品とは異なる魅力だっただけに、次作以降のヴァーンフリート作品はシュルツェが自分のソロ作品には持ちこまない余興的な要素をソロ作品と変わらない制作スタイルでやるための場所になったのがリヒャルト・ヴァーンフリート作品では最初の3作に人気が集中している原因でもありますし、続く作品もシュルツェの手がけたアルバムですからぬかりはありませんが、プロジェクト作としての面白みは薄れた観があります。
本作について言えば、『タイム・アクター』『トーンヴェレ』と連続して聴いてきてバンド編成でのシュルツェの変態テクノ・ロックが長尺曲で堪能できる快作で、『タイム・アクター』のアーサー・ブラウン、『トーンヴェレ』のマニュエル・ゲッチングほどシュルツェと拮抗するソロイストが不在である分だけ、印象はやや弱い仕上がりですが、ぐっとラフなセッション作品らしいお遊び的要素はシュルツェのソロ作にはないものですから好感の持てる楽しい変態ロック・アルバムとして気持ちよく聴ける好アルバムです。シュルツェ自身は本作の仕上がりに満足していないようでイギリスのインディー・レーベルからはフルアルバムのCD化がされていますが、シュルツェ自身による監修の公式リイシューでは本作のA2は『タイム・アクター』のボーナス・トラック、本作のA1とB1(18分に短縮)は『トーンヴェレ』のボーナス・トラックに分割されてしまっている。前2作が強力だったために本作はボーナス・トラック程度の出来、と言われればそれまでですが、続けて聴くにはそれほど落差は感じません。むしろ次作以降の非バンド化の方がこのプロジェクトの継続の意義に疑問を抱かせます。
Recorded at INTEAM Studio, Hambuhren, 1984
Released by Metronome Musik GmbH/Inteam GmbH, ID 20.006, September 1984
All tracks composed by Richard Wahnfried (Klaus Schulze)
(Side 1)
A1. Angry Young Boys : https://youtu.be/N1RaZyoZ4rM - 14:15
A2. Agamemory : https://youtu.be/4NTiU0B4Jqk - 8:45
(Side 2)
B1. Rich Meets Max : https://youtu.be/DJBiw91KdMk - 20:22
[ Personnel ]
Klaus Schulze - synths
Michael Garvens - voice
Axel-Glenn Muller - saxophone
Ulli Schober - drums
Michael Shrieve - percussion
Harald Katzsch - guitar
*
(Original Inteam "Megatone" LP Liner Cover & Side 1 Label)
本作はリヒャルト・ヴァーンフリートのロック・アルバムとしては3作目にして最後のアルバムとも言えるもので、まずバンド編成で制作・発表された最後であるとともに第1作~本作まで参加してきたマイケル・シュリーヴの最後の参加作になり、次作『Miditation』'86のリリースではメンバーはシュルツェとスティーヴ・ジョリフェ(フルート)とのデュオ編成で、シュルツェのソロ作とあまり違いがなくなりもします。次のアルバム『Trancelation』'94では名義もリヒャルト・ヴァーンフリートから単にヴァーンフリートとなり、プログラマーともう一人のエレクトロニクス奏者との小曲集になり、LPフォームをまだ意識して26分前後の曲が2曲で構成された『Miditation』よりさらにテクノ化が進んでおり、ヴァーンフリート名義になってからの残り2作『Trance Appeal』'96、『Drums 'n' Balls (The Gancha Dub)』'97ではタイトル通りドラムン・ベースを意識したアルバムになっている。スタジオ・セッションのみのアルバム制作プロジェクトでライヴを想定してはいないとはいえ、前2作と本作はバンド編成で行われたレコーディングで、ロック色の強さがシュルツェのソロ作品とは異なる魅力だっただけに、次作以降のヴァーンフリート作品はシュルツェが自分のソロ作品には持ちこまない余興的な要素をソロ作品と変わらない制作スタイルでやるための場所になったのがリヒャルト・ヴァーンフリート作品では最初の3作に人気が集中している原因でもありますし、続く作品もシュルツェの手がけたアルバムですからぬかりはありませんが、プロジェクト作としての面白みは薄れた観があります。
本作について言えば、『タイム・アクター』『トーンヴェレ』と連続して聴いてきてバンド編成でのシュルツェの変態テクノ・ロックが長尺曲で堪能できる快作で、『タイム・アクター』のアーサー・ブラウン、『トーンヴェレ』のマニュエル・ゲッチングほどシュルツェと拮抗するソロイストが不在である分だけ、印象はやや弱い仕上がりですが、ぐっとラフなセッション作品らしいお遊び的要素はシュルツェのソロ作にはないものですから好感の持てる楽しい変態ロック・アルバムとして気持ちよく聴ける好アルバムです。シュルツェ自身は本作の仕上がりに満足していないようでイギリスのインディー・レーベルからはフルアルバムのCD化がされていますが、シュルツェ自身による監修の公式リイシューでは本作のA2は『タイム・アクター』のボーナス・トラック、本作のA1とB1(18分に短縮)は『トーンヴェレ』のボーナス・トラックに分割されてしまっている。前2作が強力だったために本作はボーナス・トラック程度の出来、と言われればそれまでですが、続けて聴くにはそれほど落差は感じません。むしろ次作以降の非バンド化の方がこのプロジェクトの継続の意義に疑問を抱かせます。