Recorded at Klaus' studio in Hambuhren, August-September, 1990
Released by Virgin / Venture Records Venture VE 906 (LP), Venture CDVE 906 (CD), June 24, 1991
Produced and all Composed by Klaus Schulze
(Tracklist)
1. Gringo Nero : https://www.dailymotion.com/video/x5y053t - 26:54
2. (Side 1/A1). Trancess : https://youtu.be/ddi9eq65LIk - 12:50
3. (Side 1/A2). Brave Old Sequence : https://youtu.be/Jh6oiAKK2fA - 11:02
4. (Side 2/B1). The Big Fall - 11:35 *not on links
5. (Side 2/B2). Airlights : https://youtu.be/2SAGveZ3iAM - 14:34
[ Personnel ]
Klaus Schulze - electronics
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(Original Virgin / Venture "Beyond Recall" LP Liner Cover & Side 1/2 Label)
"This is my 23rd solo album, and the listeners may have all the delight I had in doing it" - Klaus Schulze, March 1991
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(Original Virgin / Venture "Beyond Recall" CD Inner Booklet)
本作も一般にシュルツェ低迷期のアルバム視される『Inter*Face』'85、『Dreams』'86にすでに方向性が見え、『En=Trance』'88で確立するも次の『Miditerranean Pads』'90でようやく認められるに至った、巧みなサンプリングによる生楽器の音色の使用が心地良いアルバムになっており、「Gringo Nero」のアコースティック・ギター、「Trancess」や「Airlights」のタッチの強いピアノ・サウンドはシュルツェの完全なそろ・エレクトロニクス録音アルバムと言われなければ生演奏と変わらずに聴いてしまいそうです。また「Brave Old Sequence」や「The Big Fall」のシークエンサー使用はずばり『Mirage』'78で確立した頃のシークエンサー使用を思い出させる音色とフレーズが聴けて、「Brave Old Sequence」というくらいですからこれは意図的な自己引用であり、長いキャリアを振り返ってリスナーに送ってみせた目配せのようなものでしょう。機材協力のあったメーカーへのサンクス・リストとともに、シュルツェ自身が23作目のソロ・アルバムである本作に込めた抱負を記しています。『Miditerranean Pads』『The Doresden Performance』と力作・大作が続き、さらにこの後'92年に『Royal Festival Hall Vol. 1』『Royal Festival Hall Vol. 2』、'93年に『The Dome Event』と、『The Doresden Performance』級の新曲ライヴ録音大作のアルバムを連発する流れの中では、本作はあえて『Mirage』の頃のサウンドと近作の方向性の折衷を図った、割合趣味的な小ぶりなアルバムとも言えそうですが、シュルツェのアルバムに慣れると11分台2曲、14分台2曲、27分弱1曲というのが小品に見えてくるのが恐ろしいところです。またブックレット掲載の44歳のシュルツェの近影も篤実な人柄とともに風格と貫禄を感じさせるもので、アルバム内容ともどもシュルツェへの親しみを抱かせるものです。