Recorded at Klaus Schulze Studio, Hambuhren, May to September 1980
Released by Brain Records / Metronome Musik GmbH Brain 0060.353, October 31, 1980
All music played on the G.D.S. computer
All percussion by F.S. Drum Inc. and G.D.S.
All recordings by G.D.S. digital recording system at Klaus Schulze Studios between May and September '80
Produced, Lyrics and Composed by Klaus Schulze
(Side 1)
A1. Death Of An Analogue - 12:15
A2. Weird Caravan - 5:03
A3. The Looper Isn't A Hooker - 8:17
(Side 2)
B1. Synthasy - 22:56
(SPV CD Bonus Track)
5. Esoteric Goody - 28:21
[ Personnel ]
Klaus Schulze - synthesizer, guitar, drums, keyboards, vocals, engineer, computers
Fred Severloh - drums
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(Original Brain "Dig It" LP Liner Cover & Side 1 Label)
つまりシュルツェが意図的にコンピューター制作・録音の実現として完成させた本作『ディグ・イット』は『X』『デューン』と聴き較べるとデモ・ヴァージョンのような簡素な音数にしぼり込まれており、しかもスカスカの音数のその音色もまた一過性の流行的な音色で古くさいことおびただしい、というアルバムになってしまっている。シュルツェは1980年時点でのエレクトロニクス音楽のコンピューター化への移行の限界を知ってしまったので、機材的な限界を意識して非常に未発達な段階の音楽性に内容を簡素化した、と考えられるのです。本作のドラムスのゲート・エコー処理されたサウンドはポリリズムでは混濁してしまいますし、その結果2拍・4拍にアクセントを置いた大味きわまりないドラムスの8ビート・リズムが本作の音楽性を低い次元にとどめてしまっている、という現象が起こっています。これはクラフトワークの方法にも似てシュルツェの資質には明らかに齟齬をきたしており、クラフトワークが機械の音楽という限界をかえってポップアート的な音楽の達成に生かしたようにはシュルツェは音楽を無機質化できず、コンピューター制作・録音に徹底した音楽をイメージすると機材的制約から単純化された音楽という発想の方に行ってしまったのが本作『ディグ・イット』の正体です。発表当時にはこれは新たな時代に対応したスタイルだったでしょうが、本作は才能あふれるシュルツェがあえてその才能を抑制して制作したようなアルバムで、コンピューター制作か否か以前にその才能のスポイルの方に問題があります。これは常に全力を尽くしてきたシュルツェのキャリアでも初めてのことです。