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Recorded in Los Angeles, April 1952
[ Billie Holiday and Her Orchestra ]
Billie Holiday (vocal), Charlie Shavers (trumpet), Flip Phillips (tenor saxophone), Oscar Peterson (piano), Barney Kessel (guitar), Ray Brown (bass), J. C. Heard (drums)
映画感想文の方が大変だったのでしばらく「本日のジャズ名曲」をお休みしてしまいましたが、もう50曲以上ご紹介してきましたのでよければ以前の記事もご覧いただけると幸いです。ひさびさの今回はアメリカの名ポピュラー作曲家アーヴィング・バーリンの1925年の名曲で、バラード・テンポによし、スウィング・テンポによしで現在でも歌われ演奏され続けていますから、裕に発表100周年の2025年になってもスタンダード曲の座は不動でしょう。第二字世界大戦中にジャン・ギャバンが亡命中にハリウッド映画に初主演した『夜霧の港』'42でも映画全編にバラード・テンポのストリングス・オーケストラの演奏でベタベタに使われていました。初レコード発売が'25年の曲が'42年の映画テーマ曲にも使われ、今回ご紹介するビリー・ホリデイ(1915-1959)のヴォーカル・ヴァージョンが'52年録音で、元マックス・ローチ・クインテットからジャズ・メッセンジャーズに移り、この録音のすぐ後ジョン・コルトレーンの脱退でソニー・スティットが臨時加入していたマイルス・デイヴィス・クインテットの正式メンバーになるハンク・モブレー(1930-1985)がブルー・ノート・レコーズで吹きこんだテナーサックス・アルバムの大名盤『Soul Station』のヴァージョンが'60年録音です。モブレーのテナー・ヴァージョンがあまりに素晴らしいため以降必ずしも演奏頻度が高いとは言えないスタンダード曲ですが、'50年代に年を追うにつれ徐々に好不調の波が大きくなっていくビリーがまだ余裕で見事な歌唱を聴かせてくれる'52年ヴァージョンと(ビリーのこの曲の録音はこれ1回だけですが)と、誰もがモブレーの最高傑作に上げる『Soul Station』のオープニング曲になったこの演奏はメンバーも素晴らしく、文句なしの名曲名演です。コルトレーンやソニー・ロリンズ、ローランド・カーク、またはスタン・ゲッツではこの愛らしい曲は合いません。ヴォーカル版はともかく、モブレーの演奏を聴くとまるでモブレーに演奏されるために生まれてきたような曲のような気さえするのです。
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Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey, February 7, 1960
[ Personnel ]
Hank Mobley (tenor saxophone), Wynton Kelly (piano), Paul Chambers (Bass), Art Blakey (drums)