ディジー・ガレスピー&チャーリー・パーカー Dizzy Gillespie & Charlie Parker - ホット・ハウス Hot House (Tadd Dameron) (Dumont TV. Broadcast, Netwerk Channel 5, 1952) : https://youtu.be/tJYO6_t4d08 - 3:31
Recorded at Dumont Television Studios, Channel 5, February 24, 1952
Released By Umbrella Music DVD DAVID0138, 2004
[ Personnel ]
Dizzy Gillespie (tp), Charlie Parker (as), Dick Hyman (p), Jack Lesberg (b), Charlie Smith (ds)
現存するチャーリー・パーカー(1920-1955, as)唯一の動画映像がこの年間最優秀プレイヤー賞をディジー・ガレスピー(1917-1993, tp)とともに受賞した際にテレビ出演した「Hot House」のスタジオ・ライヴVTRです。バックのピアノ・トリオはテレビ局専属ミュージシャンが勤めていてパーカーらについていくのがやっとで、テレビ放映を考慮して3分ほどの演奏に収めており不完全燃焼気味で、時期的にはパーカーもディジーもビ・バップから次のステップに移ろうとしており、軽く流している程度のプレイですが、それでも事もなげに閃光のような鋭いフレーズを顔色ひとつ変えず吹いてみせる凄みの片鱗くらいは感じとれるプレイです。この『Hot House』はビ・バップのリーダー的存在のひとりだったピアニスト/バンドリーダーのタッド・ダメロンが作曲しガレスピーに提供した曲で、他でもないコール・ポーターのスタンダード曲「恋とは何でしょう (What Is This Thing Called Love?)」のコード進行から改作した典型的ビ・バップ作曲法によるオリジナル曲でした。つまりピアノ、ベース、ドラムスの「What Is This Thing Called Love?」の演奏にホーンがダメロンによるオリジナル・テーマ・メロディーを乗せればビ・バップ曲「Hot House」が出来上がるというもので、ガレスピーとパーカーによる最初のスタジオ録音はSPシングル「Salt Peanuts」のB面で発表されました。
Dizzy Gillespie and His All-Star Quintet - Hot House (Original Single 78prm. Guild Records 1003, 1945/from the album "Groovin' High", Savoy Records MV 12020, 1955) : https://youtu.be/BrqB7YsKXrs - 3:12
Recorded in New York City, May 11, 1945
[ Dizzy Gillespie and His All-Stars ]
Dizzy Gillespie (tp, vo), Charlie Parker (as), Al Haig (p), Curley Russell (b), Sid Catlett (ds)
LPアルバム開発・発売は1951年ですから「Hot House」初演のSPシングル用録音はのちのテレビ出演同様3分程度のショート・ヴァージョンでしたが、発掘ライヴで聴くことができるこの曲は、'45年の時点で例によってアドリブの応酬で6分以上の演奏時間をかけていたのがわかります。当時のビ・バップのジャズマンの場合たいがいはそうですが、スタジオ・ヴァージョンより数段素晴らしい演奏です。
Dizzy Gillespie & Charlie Parker - Hot House (from the album "Dizzy Gillespie/Charlie Parker - Town Hall, New York City, June 22, 1945", Uptown Records UPCD27.51, 2005) : https://youtu.be/su5Jbv6hEMI - 6:38
Recorded live at Town Hall, New York City, June 22, 1945
[ Personnel ]
Dizzy Gillespie (tp, vo), Charlie Parker (as), Al Haig (p), Curley Russell (b), Sid Catlett (ds)
パーカーとガレスピーのこの曲の最後の共演になったのは、チャールズ・ミンガス(1922-1979, b)とマックス・ローチ(1924-2007, ds)が共同で設立したインディー・レーベル、デビュー・レコーズのライヴ・レコーディングのためにカナダのトロント市で開催したオールスター・クインテットのコンサートで、ディジー、パーカー、ピアノにバド・パウエル(1924-1966)、そしてミンガスとローチというとんでもないメンバーでしたが当日ボクシングのタイトルマッチがあったために客入りは散々、演奏ミス連発と情けない興業になったもののメンバーがメンバーで、しかもLPでライヴのパーカーやディジーが聴けるとレコード('53年の初発売は10インチLPで3枚分割、'56年に12インチLP化で1枚に統合)は評判を呼び(パーカー存命中初の公式ライヴLPでした)、ビ・バップのベスト選曲的内容もあって歴史的名盤とされています。パーカーはヴァーヴ・レコーズと専属契約していたので初発売では「チャーリー・チャン」と匿名クレジットでしたが、リスナーにはバレバレだったので短命レーベル、デビュー・レコーズ最大のヒット・アルバムになりました。
The Quintet (Of The Year) - Hot House (from the album "Jazz At The Massey Hall", Debut Records DEB-124, 1956) : https://youtu.be/nkVwO-1qjW0 - 9:29
Recorded live at Massey Hall, Tronto, Canada, May 15, 1953
Originally Released by Debut Records DLP-4 as 10 inch LP "Jazz At The Massey Hall Volume Three", 1953
[ The Quintet (Of The Year) ]
Dizzy Gillespie (tp), Charlie Parker (Cradited "Charlie Chan" in DLP-4, as), Bud Powell (p), Charles Mingus (b), Max Roach (ds)
この曲はビ・バップ・スタンダードとして多くのカヴァーがあり、特に18分にも及ぶバド・パウエル&ジョニー・グリフィン(ts)・カルテットの'64年フランスでのライヴが「Hot House」で始まるのに途中からバドが「What Is This Thing Called Love?」を弾き始めてしまいそのまま「What Is This Thing Called Love?」で終わってしまう滅茶苦茶いい加減な痛快ヴァージョンで最高なのですが、ご紹介できる音源リンクがないので数あるカヴァーから早逝した硬派の女性ビ・バップ・ギタリスト、エミリー・レムラー(1957-1990)の晩年近いアルバムからのヴァージョンをご紹介します。レムラーは'81年のデビュー・アルバムから'90年の遺作までラリー・コリエルとの共作1枚を含め7作のアルバムがあり、後期になるほど良くなっていった人なので、このアルバムの次作が遺作になったのは非常に惜しまれることでした。レムラーは「見た目はユダヤ人の小娘ですが中身は'50年代の黒人ジャズマンです」と自負していた正統派ジャズ・ギタリストでした。この演奏もアドリブ一発勝負の度胸に溢れた快演です。
Emily Remler - Hot House (from the album "East To Wes", Concord Jazz Records CJ-356, 1988) : https://youtu.be/484waDASa9s - 5:41
Recorded at Penny Lane Studio, NYC, 1987
[ Personnel ]
Emily Remler (el-g), Hank Jones (p), Buster Williams (b), Marvin Smith (ds)
Recorded at Dumont Television Studios, Channel 5, February 24, 1952
Released By Umbrella Music DVD DAVID0138, 2004
[ Personnel ]
Dizzy Gillespie (tp), Charlie Parker (as), Dick Hyman (p), Jack Lesberg (b), Charlie Smith (ds)
現存するチャーリー・パーカー(1920-1955, as)唯一の動画映像がこの年間最優秀プレイヤー賞をディジー・ガレスピー(1917-1993, tp)とともに受賞した際にテレビ出演した「Hot House」のスタジオ・ライヴVTRです。バックのピアノ・トリオはテレビ局専属ミュージシャンが勤めていてパーカーらについていくのがやっとで、テレビ放映を考慮して3分ほどの演奏に収めており不完全燃焼気味で、時期的にはパーカーもディジーもビ・バップから次のステップに移ろうとしており、軽く流している程度のプレイですが、それでも事もなげに閃光のような鋭いフレーズを顔色ひとつ変えず吹いてみせる凄みの片鱗くらいは感じとれるプレイです。この『Hot House』はビ・バップのリーダー的存在のひとりだったピアニスト/バンドリーダーのタッド・ダメロンが作曲しガレスピーに提供した曲で、他でもないコール・ポーターのスタンダード曲「恋とは何でしょう (What Is This Thing Called Love?)」のコード進行から改作した典型的ビ・バップ作曲法によるオリジナル曲でした。つまりピアノ、ベース、ドラムスの「What Is This Thing Called Love?」の演奏にホーンがダメロンによるオリジナル・テーマ・メロディーを乗せればビ・バップ曲「Hot House」が出来上がるというもので、ガレスピーとパーカーによる最初のスタジオ録音はSPシングル「Salt Peanuts」のB面で発表されました。
Dizzy Gillespie and His All-Star Quintet - Hot House (Original Single 78prm. Guild Records 1003, 1945/from the album "Groovin' High", Savoy Records MV 12020, 1955) : https://youtu.be/BrqB7YsKXrs - 3:12
Recorded in New York City, May 11, 1945
[ Dizzy Gillespie and His All-Stars ]
Dizzy Gillespie (tp, vo), Charlie Parker (as), Al Haig (p), Curley Russell (b), Sid Catlett (ds)
LPアルバム開発・発売は1951年ですから「Hot House」初演のSPシングル用録音はのちのテレビ出演同様3分程度のショート・ヴァージョンでしたが、発掘ライヴで聴くことができるこの曲は、'45年の時点で例によってアドリブの応酬で6分以上の演奏時間をかけていたのがわかります。当時のビ・バップのジャズマンの場合たいがいはそうですが、スタジオ・ヴァージョンより数段素晴らしい演奏です。
Dizzy Gillespie & Charlie Parker - Hot House (from the album "Dizzy Gillespie/Charlie Parker - Town Hall, New York City, June 22, 1945", Uptown Records UPCD27.51, 2005) : https://youtu.be/su5Jbv6hEMI - 6:38
Recorded live at Town Hall, New York City, June 22, 1945
[ Personnel ]
Dizzy Gillespie (tp, vo), Charlie Parker (as), Al Haig (p), Curley Russell (b), Sid Catlett (ds)
パーカーとガレスピーのこの曲の最後の共演になったのは、チャールズ・ミンガス(1922-1979, b)とマックス・ローチ(1924-2007, ds)が共同で設立したインディー・レーベル、デビュー・レコーズのライヴ・レコーディングのためにカナダのトロント市で開催したオールスター・クインテットのコンサートで、ディジー、パーカー、ピアノにバド・パウエル(1924-1966)、そしてミンガスとローチというとんでもないメンバーでしたが当日ボクシングのタイトルマッチがあったために客入りは散々、演奏ミス連発と情けない興業になったもののメンバーがメンバーで、しかもLPでライヴのパーカーやディジーが聴けるとレコード('53年の初発売は10インチLPで3枚分割、'56年に12インチLP化で1枚に統合)は評判を呼び(パーカー存命中初の公式ライヴLPでした)、ビ・バップのベスト選曲的内容もあって歴史的名盤とされています。パーカーはヴァーヴ・レコーズと専属契約していたので初発売では「チャーリー・チャン」と匿名クレジットでしたが、リスナーにはバレバレだったので短命レーベル、デビュー・レコーズ最大のヒット・アルバムになりました。
The Quintet (Of The Year) - Hot House (from the album "Jazz At The Massey Hall", Debut Records DEB-124, 1956) : https://youtu.be/nkVwO-1qjW0 - 9:29
Recorded live at Massey Hall, Tronto, Canada, May 15, 1953
Originally Released by Debut Records DLP-4 as 10 inch LP "Jazz At The Massey Hall Volume Three", 1953
[ The Quintet (Of The Year) ]
Dizzy Gillespie (tp), Charlie Parker (Cradited "Charlie Chan" in DLP-4, as), Bud Powell (p), Charles Mingus (b), Max Roach (ds)
この曲はビ・バップ・スタンダードとして多くのカヴァーがあり、特に18分にも及ぶバド・パウエル&ジョニー・グリフィン(ts)・カルテットの'64年フランスでのライヴが「Hot House」で始まるのに途中からバドが「What Is This Thing Called Love?」を弾き始めてしまいそのまま「What Is This Thing Called Love?」で終わってしまう滅茶苦茶いい加減な痛快ヴァージョンで最高なのですが、ご紹介できる音源リンクがないので数あるカヴァーから早逝した硬派の女性ビ・バップ・ギタリスト、エミリー・レムラー(1957-1990)の晩年近いアルバムからのヴァージョンをご紹介します。レムラーは'81年のデビュー・アルバムから'90年の遺作までラリー・コリエルとの共作1枚を含め7作のアルバムがあり、後期になるほど良くなっていった人なので、このアルバムの次作が遺作になったのは非常に惜しまれることでした。レムラーは「見た目はユダヤ人の小娘ですが中身は'50年代の黒人ジャズマンです」と自負していた正統派ジャズ・ギタリストでした。この演奏もアドリブ一発勝負の度胸に溢れた快演です。
Emily Remler - Hot House (from the album "East To Wes", Concord Jazz Records CJ-356, 1988) : https://youtu.be/484waDASa9s - 5:41
Recorded at Penny Lane Studio, NYC, 1987
[ Personnel ]
Emily Remler (el-g), Hank Jones (p), Buster Williams (b), Marvin Smith (ds)