Recorded at Side Effects Studio, Sydney, Australia, June, 1985
Released by Side Effects Records SER09, 1986
(Side I)
A1. Invocation (to Secular Heresies) - 5:16
A2. Palms Crossed in Sorrow - 5:05
A3. Romanz in Moll (Romance in a Minor Key) - 4:15
A4. In the Dying Moments - 6:41
(Side II)
B1. In Flagrante Delicto - 7:31
B2. Alocasia Metallica - 6:07
B3. Necropolis - 5:29
B4. The Garden of Earthly Delights - 3:18
(CD Bonus Track)
9. The Doctrine of Eternal Ice - 4:25
[ SPK ]
Graeme Revell - Composed & Produced, All Electric & Acoustic Instruments, Voice
with
Russian Old Orthodox Church Of The Holy Annunciation-Assumption of Sydney - Choir
Jan Thornton, Sinan - Voice
*
(Original Side Effects "Zamia Lehmanni" LP Liner Cover & Side I Label)
サイドIIの冒頭に据えられた教会旋法の楽曲「In Flagrante Delicto」が本作からの先行シングルですが、すぐに拍節がわかる人はいるでしょうか。5/4拍子のリズムが流れていることも気づかず、ずっとルバートで進んでいく曲に錯覚する人の方が多いのではないでしょうか。『Metal Age Voodoo』が器用なアマチュアの作品なら本作はリーヴェルが音楽家としての底力を見せつけた作品です。ジャケットにイェイツの「ビザンチウム」、マラルメの「牧羊神の午後」ロートレアモンの「マルドロールの歌」、ユイスマンスの「さかしま」、ユーゴーの「諸世紀の伝説」、ランボーの「イルミナシオン」、ボードレールの「悪の華」、サミュエル・ベケットの「イナフ」からの引用を並べ、オーストラリアの作曲家・音楽学者のエゴン・ヴェレス(1885-1974)の学術的な「ビザンチン音楽と聖歌」をまとめとしているのはちょっと恥ずかしいひけらかしですが(エゴン・ヴェレスだけにしておけば良かったのにと思いますが)、音楽自体が文学青年の気取りなどはるかに超えた次元で完璧な異世界を作り出しているからには良しとしましょう。ここまで来たらあとは本作を引っさげたツアーをこなしてSPKは消滅、リーヴェルのソロ転向という発展的解消になったのもむべなるかなという気がするのです。