Recorded at Atlantic Recording Studios, NYC, April 15-16, except 12 recorded in late 1969 and 11 recorded at Electric Lady Studios, NYC, January 6, 1975
Released by Atlantic / Rhino Records R2 72563, February 1997 from "Loaded Fully Loaded Edition"
All Songs written by Lou Reed
(Tracklist)
1. Ride Into The Sun (Demo, with vocals) - 3:24
2. Ocean (Outtake) - 5:46
3. Sweet Jane (Early Version) - 5:30
4. Who Loves The Sun (Alternate Mix) - 3:09
5. Love Makes You Feel Ten Feet Tall (Demo) - 4:14
6. Sad Song (Demo) - 3:42
7. Head Held High (Alternate Mix) - 2:17
8. Ocean (Demo) - 6:11
9. Satellite of Love (alternate demo) - 3:12
10. I'm Sticking With You (Rare outtake) - 3:10
11. Lou Reed ; Coney Island Baby (alternate version) - 5:42 *Lou Reed "Coney Island Baby" (RCA, 1975) Outtake
12. I Found A Reason (Demo) - 3:16
[ The Velvet Underground ]
Lou Reed - lead vocal, guitar
Sterling Morridson - guitar, vocal
Doug Yule - bass, organ, lead vocal on Track4
Moe Tucker - drums, lead vocal on Track10
*
(Original Atlantic/Rhino "Loaded Fully Loaded Edition" CD Liner Cover)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドはリーダーのルー・リード脱退のほんの数か月前まで迫り、これら1970年4月のデモ録音・リハーサルテイクではオリジナル・メンバーの女性ドラマー、モーリン・タッカーがドラムスを叩いています。モーリン・タッカーはドラマーとしてはリンゴ・スターを思わせる記名性の高いドラマーで、ビートルズがジョン・レノンのヴォーカルとリンゴのドラムスだけでビートルズの音楽になってしまうように(ポールやジョージの才能はバンド内ソロ・アーティストといった趣きが強いのです)、ヴェルヴェットはルー・リードのガチャガチャしたリズム・ギターとモーリンの「布団叩き」とか「木魚」とか何かと揶揄される黙々としたドラムスが決め手でした。リードのヴォーカル曲以外に限らずオリジナル・メンバーのジョン・ケイルのヴォーカル曲、後期はダグ・ユールのヴォーカル曲でもリードのリズム・ギターとモーリンのドラムスがガシャガシャズンドコと鳴っているだけでああ、ヴェルヴェットだなあと思わせられるのです。しかしアルバム『Loaded』1970.9の本番テイクの録音が行われた1970年初夏にはモーリンは第1子の産休でバンドを一時離れ、『Loaded』収録テイクはダグ・ユールの弟の高校生ドラマー、ビル・ユールが勤め、モーリンの復帰はリード脱退の後になってしまったのです。それでもモーリン不参加の『Loaded』、ルー・リード在籍最後のクラブ出演の発掘ライヴ『Live at Max's Kansas City』がヴェルヴェットらしさを残しているのはオリジナル・メンバーのギタリスト、スターリング・モリソンの健闘と、バンドからの脱退を見据えていながら名曲佳曲揃いの絶好調のオリジナル曲をごく短期間に書き下ろしてしまったリードの奇跡的な創作力でした。あくまでデモ録音、リハーサル音源は完成された作品ではありませんが、そうした背景を念頭に置いてお聴きください。