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ヴェルヴェット・アンダーグラウンド Velvet Underground - Same (MGM, 1969), VU (Verve, 1985) & Loaded (Cotillion, 1970)

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ヴェルヴェット・アンダーグラウンド The Velvet Underground - MGM/Verve Era 1968-1969
1. Move Right On (Live, 1968) : https://youtu.be/LYtI6LHAJOE - 2:39 recorded live in early 1968
2. After Hours : https://youtu.be/fND_Y6OgsDs - 2:07 from Album "The Velvet Underground" recorded in December 1968, released in March 1969

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3. I Can't Stand It (Demo) : https://youtu.be/S3I71jqeKz8 - 3:27 Track 3-6 from Album "VU" recorded in May to October 1969, released in February 1985
4. One of These Days (Demo) : https://youtu.be/L9_yRIzfPf0 - 4:10
5. Foggy Notion (Demo) : https://youtu.be/EqmKoJ6EbUc - 6:59
6. I'm Sticking with You (Demo) : https://youtu.be/H5je_eK0V1w - 2:35

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ヴェルヴェット・アンダーグラウンド The Velvet Underground - Cotillion Era 1970
1. Who Loves The Sun : https://youtu.be/jdfMZa9o0nc - 2:47 Track 1-6 from Album "Loaded" recorded in spring/summer 1970, released in September 1970
2. Sweet Jane : https://youtu.be/nkumhBVPGdg - 3:23
3. Rock & Roll : https://youtu.be/r90t5jE9bzU - 4:46
4. Cool It Down : https://youtu.be/DLVaVwbQDc0 - 3:05
5. New Age (Full-Length Version) : https://youtu.be/X_0hjyO6fFk - 5:42
6. Lonesome Cowboy Bill : https://youtu.be/BVGZj2hnGwQ - 2:44

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7. Oh! Sweet Nuthin' (Early Version) : https://youtu.be/EmmSfru60MY - 4:14 Track 7-10 from Album "Loaded: Fully Loaded Edition" recorded in April 1970, released in February 1997
8. Walk And Talk (Demo) : https://youtu.be/qOI6dupam4g - 3:01
9. Oh Gin : https://youtu.be/UePw3MxrA2Y - 2:48
10. I Love You (Demo) : https://youtu.be/ABo_d_uqk9I - 2:06

(Original MGM Records "The Velvet Underground" LP Liner Cover & Side 1 Label)

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 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのオリジナル・スタジオ・アルバム4作のうち第1作『The Velvet Underground & Nico』1967.3と第2作『White Light / White Heat』1968.1は不完全な形ながら何とか前回と前々回で全曲をご紹介しました。残念ながら第3作『The Velvet Underground』1969.3と第4作『Loaded』1970.9はごく一部の曲しかサイト上のアップロードが解禁されていません。それぞれオリジナル・アルバムに収録された曲目を上げると、

The Velvet Underground - Same (MGM, 1969)
Side 1: A1. Candy Says (4:04) / A2. What Goes On (4:55) / A3. Some Kinda Love (4:03) / A4. Pale Blue Eyes (5:41) / A5. Jesus (3:24)
Side 2: B1. Beginning to See the Light (4:41) / B2. I'm Set Free (4:08) / B3. That's the Story of My Life (1:59) / B4. The Murder Mystery (8:55) / B5. After Hours (2:07)

The Velvet Underground - Loaded (Cotillion, 1970)
Side One: A1. Who Loves the Sun (2:45) / A2. Sweet Jane (4:06) / A3. Rock & Roll (4:44) / A4. Cool It Down (3:06) / A5. New Age (5:11)
Side Two: B1. Head Held High (2:58) / B2. Lonesome Cowboy Bill (2:45) / B3. I Found a Reason (4:17) / B4. Train Round the Bend (3:22) / B5. Oh! Sweet Nuthin'(7:29)

 となっており、『The Velvet Underground』は全作詞作曲ルー・リード、『Loaded』は全作詞作曲ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとなっています。後者はアルバム発表前月のリードの脱退のためバンド名義の作詞作曲表示になったもので、のちリードからの訴訟により全作詞作曲ルー・リードと著作権登録が改められました。『The Velvet Underground』収録曲はこれまでご紹介した1968年末~1969年秋までのライヴ音源で大半は聴くことができます。今回引いた音源のうち1968年の1「Move Right On」のみはジョン・ケイル在籍時の録音になるアルバム未収録曲ですが、1968年12月録音の第3作『The Velvet Underground』以降はケイルに代わってダグ・ユールがメンバーになるので、『The Velvet Underground』収録曲のライヴ・アレンジはアルバムのアレンジからそれほど変わっていません。

(Original Cotillion Records "Loaded" LP Liner Cover & Side One Label)

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 バンドは1969年5月~10月にライヴ巡業の合間を縫ってMGMレコーズのための次のアルバムの録音を行いますが、結局それらはMGMによる契約打ち切りで未発表デモテープの段階のまま終わることになります。ヴェルヴェットの再評価の高まりによって1985年にもなって発表されたのが未発表曲集『VU』です。アトランティック・レコーズ傘下のコティリオン・レコーズに移籍したバンドはMGMに残した未発表曲は取り下げ(のち多くはルー・リードのソロ・アーティスト・デビューになるアルバムで再録音されます)、移籍後の新曲のデモテープ作りからリハーサルを始めます。それが1969年末と1970年4月のセッションでしたが初夏から夏にかけての『Loaded』収録テイクのレコーディングはオリジナル・メンバーのドラマー、モーリン・タッカーが産休のためにバンドを一時脱退し、ダグ・ユールの弟の高校生ドラマーのビル・ユールが勤めました(産休明け後タッカーはバンドに復帰、タッカーの再脱退後ビル・ユールは再加入します)。
 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの4作のアルバムはいずれも収録曲の全曲がカヴァーされ、どのアルバム半数からも半数近くの曲がロック・スタンダードになっています。『The Velvet Underground』では「Candy Says」「What Goes On」を始めA面全曲とB1、『Loaded』では特に「Sweet Jane」「Rock & Roll」の2曲は生涯ルー・リードのライヴ・レパートリーになります。「Candy Says」や「Who Loves The Sun」などリードがダグ・ユールにリード・ヴォーカルを取らせた曲も変声期前のリードのような声質が曲想に合っており、モーリン・タッカーに歌わせた「After Hours」「I'm Sticking with You」もチャーミングです。デビュー・アルバムとセカンド・アルバムの作風からは打って変わって内省的なムードになったサード・アルバムと、さらに一転してポップで明快なロック・アルバムになった『Loaded』ですが、未発表曲集『VU』とさらにその拾遺曲集『Another View』1986.9はともあれ(曲単位では聴き応えのあるアルバムですが、寄せ集めなので統一感で劣るのは仕方ありません)、ヴェルヴェットはオリジナル・アルバム4作ともそのアルバムならではの魅力があり、どのアルバムにもこれこそヴェルヴェットの最高傑作として熱愛する支持者がついています。聴き飽きることのない耐久性はそうした意外なほどの音楽的な幅の広さにあり、一見シンプル極まりないのも装飾的要素の少ない、自由な大らかさによるもので、4作すべてを聴くとそれがよくわかります。おそらくそれは同時代よりも後世のリスナーの方がよりはっきりと判別できるのです。

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