Sun Ra - When Spaceships Appear (Saturn, 1985) Full Album : http://www.youtube.com/playlist?list=PLJLuntoFDTodeNKdQuRfv4_-p4ey7d_E0
Recorded live at Squat Theater, NYC, 1982 (A1, A2, B2, B3, B4) & at unknown location 1984-1985 (A3, A4, B1)
Released by El Saturn Records Sun Ra 101485 A/B, 1985 also released as "Cosmo-Party Blues", "Children of the Sun".
All composed and arranged by Sun Ra
(Side A)
A1. When Spaceships Appear (Ra to the Rescue Chapter 1) - 5:48
A2. Fragile Emotions Blues (Back Alley Blues) - 4:02
A3. Drummerlistics - 2:58
A4. Children Of The Sun - 5:05
(Side B)
B1. Cosmo-Party Blues - 4:57
B2. Space Shuttle (Ra to the Rescue chapter 2) - 5:03
B3. Fate In A Pleasant Mood - 9:26
B4. They Plan To Leave - 5:57
[ Sun Ra and his Arkestra ]
(on A1, A2, B2, B3, B4 Taken from "Ra to the Rescue")
Sun Ra - piano, synthesizer, vocal
Marshall Allen - alto saxophone, flute
John Gilmore - tenor saxophone, vocal
Danny Ray Thompson (prob.) - baritone saxophone, flute
June Tyson - vocal
Hayes Burnett (prob.) - bass
Eric "Samurai Celestial" Walker (posib.) - drums
unknown - percussion
(on A3, A4)
Sun Ra - vocal
Tyrone Hill - trumbone
Marshall Allen - alto saxophone
John Gilmore - tenor saxophone
Eloe Omoe - contra-alto clarinet
James Jacson - Ancient Egyptian Infinity Drum (on Drummerlistics)
unknown - bass
unknown - drums
June Tyson-vocal
(on B1)
Sun Ra - piano
Ronnie Brown, Martin Banks, or Fred Adams (posib.) - trumpet
John Gilmore - tenor saxophone
Marshall Allen-alto saxophone
unknown - bass
unknown - drums
前回ご紹介した『Hiroshima (Stars that Shine Darkly, vol. 1)』(Saturn, 1985)、『Outer Reach Intensity-Energy (Stars that Shine Darkly, vol. 2)』(Saturn, 1985)に続くアルバムに、いずれもライヴ・アルバムの、
『Love in Outer Space: Live in Utrecht』(Leo LR-154, 1988)
『Live at Praxis 84 Vol. I』(Praxis CM 108, 1984)
『Live at Praxis 84 Vol. II』(Praxis CM 109, 1985)
『Live at Praxis 84 Vol. III』(Praxis CM 110, 1986)
があります。『Love in Outer Space~』は1983年暮れの西ドイツでのライヴで発表年は'88年と遅くなりますがサン・ラ生前発表のもの、順次発売された『Live at Praxis 84』の3枚におよぶシリーズはヨーロッパ・ツアーを終えてエジプトのカイロ公演を行った1984年1月の録音で、カイロのプラクシス・レーベルからリリースされました。これらもできることなら詳しくご紹介したいのですが、いかんせん音源リンクが引けず実物をお聴きいただくことができません。そこでこの4枚を飛ばすと、サン・ラのディスコグラフィーには本作『When Spaceships Appear』が上がってきます。ところが1984年~1985年録音のA3, A4, B1のライヴを含むとされる本作の残りA1, A2, B2, B3, B4は1982年のニューヨークのスクワッド・シアターでのライヴ・アルバム『Ra To the Rescue』と重複しており、前々回ご紹介した『Ra To the Rescue』は『Ra To the Rescue』と本作『When Spaceships~』を統合したCDヴァージョンで、そこでは『When Spaceships~』からの3曲も1982年スクワッド・シアターからのものとされていました。こういうデータの混乱があるから自主制作盤サターンからのアルバムは困ったものですが(ジャケットも)、ディスコグラフィー上では2説どちらも可能性ありとして6曲収録の『Ra To the Rescue』と『Ra To~』から5曲を再収録して(わざわざ曲名まで改題して)3曲の未発表テイクを足した8曲収録の『When Spaceships~』は別々のアルバムとして扱っています。録音時期が特定できず追加曲3曲に1984年~1985年録音説がある以上尊重しよう、というわけで、1982年9月セッションは『A Fireside Chat with Lucifer』と『Celestial Love』でほぼ網羅されているのにこの2枚からのベスト選曲に未発表曲1曲を足しただけの『Nuclear War』が独自のアルバムとされているのと同じです。『Ra To the Rescue』全6曲中5曲再収録、3曲追加というと『When Spaceships Appear』は単に『Ra~』の増補改訂版のようですが、アルバムの印象は追加曲3曲と再収録曲の配置でまったく違ったものになっているのです。
*
(Alternate El Saturn "When Spaceships Appear" LP Side A & Side B Label)
本作は『Ra~』の再収録曲A1, A2に初登場曲A3「Drummerlistics」、A4「Children Of The Sun」を続け、B1「Cosmo-Party Blues」までの3曲が本作初出でB2, B3, B4は再び『Ra~』からの再収録曲になります。この再収録曲を前後に配し、ハイライト曲B3, B4で終わる構成はオリジナル『Ra~』の曲配置より効果的になっています。パーカッション・ナンバーA3とサン・ラ流ゴスペル・ナンバーA4ではサン・ラは楽器を弾かずヴォーカルに徹しているのがユニークで、再収録曲A1, B2がもともとの『Ra~』ではA面の1、2曲目に連続して収められていたよりも本作でA面とB面に分割されているのとあいまって効果を上げています。『Ra~』では連続していたために曲の区切りがわからず、フリー・ジャズ系の曲だけに2曲の区切りがつかめないとやや冗長になってしまっていたのです。A3, A4もアーケストラ流フリー・ジャズですが方やパーカッション・ナンバー、方やヴォーカル・コーラス曲と特色がはっきりしているのでめりはりがついています。
やはり本作初出のB1はサン・ラのピアノ・ブルースでホーン陣はアンサンブル用員にとどまりますが、B面冒頭にアーシー(泥くさい)なブルースを置いたのがちょうどA2の役割と同じでチェンジ・オブ・ペース(口直し)になっており、『Ra~』からの再収録曲をフリー(B2)、もだん・ビッグバンド(B3)、この時期を代表するヴォーカル入りミディアム・バラッドの名曲(B4)と並ぶ構成はオリジナル『Ra To the Rescue』より各曲の印象を深いものにしています。A面B面ともヴォーカル曲で終わるのも本作を親しみやすくしています。必ずしも本作が『Ra To the Rescue』より優れたアルバムとは言い切れませんが、本作独自の構成で聴きごたえのあるアルバムになっているのは間違いなく、単純に重複曲を抜いて『Ra~』と本作を推定演奏順(1982年スクワッド・シアター・ライヴという前提で)に並べ直したのではこうはいきません。ライヴ・アルバムといえど(発掘音源はともかく)単なる記録ではなく選曲・編集による作品として聴くべきものなのです。
*
(Alternate El Saturn "When Spaceships Appear" LP Various alternate Front Covers)
Recorded live at Squat Theater, NYC, 1982 (A1, A2, B2, B3, B4) & at unknown location 1984-1985 (A3, A4, B1)
Released by El Saturn Records Sun Ra 101485 A/B, 1985 also released as "Cosmo-Party Blues", "Children of the Sun".
All composed and arranged by Sun Ra
(Side A)
A1. When Spaceships Appear (Ra to the Rescue Chapter 1) - 5:48
A2. Fragile Emotions Blues (Back Alley Blues) - 4:02
A3. Drummerlistics - 2:58
A4. Children Of The Sun - 5:05
(Side B)
B1. Cosmo-Party Blues - 4:57
B2. Space Shuttle (Ra to the Rescue chapter 2) - 5:03
B3. Fate In A Pleasant Mood - 9:26
B4. They Plan To Leave - 5:57
[ Sun Ra and his Arkestra ]
(on A1, A2, B2, B3, B4 Taken from "Ra to the Rescue")
Sun Ra - piano, synthesizer, vocal
Marshall Allen - alto saxophone, flute
John Gilmore - tenor saxophone, vocal
Danny Ray Thompson (prob.) - baritone saxophone, flute
June Tyson - vocal
Hayes Burnett (prob.) - bass
Eric "Samurai Celestial" Walker (posib.) - drums
unknown - percussion
(on A3, A4)
Sun Ra - vocal
Tyrone Hill - trumbone
Marshall Allen - alto saxophone
John Gilmore - tenor saxophone
Eloe Omoe - contra-alto clarinet
James Jacson - Ancient Egyptian Infinity Drum (on Drummerlistics)
unknown - bass
unknown - drums
June Tyson-vocal
(on B1)
Sun Ra - piano
Ronnie Brown, Martin Banks, or Fred Adams (posib.) - trumpet
John Gilmore - tenor saxophone
Marshall Allen-alto saxophone
unknown - bass
unknown - drums
前回ご紹介した『Hiroshima (Stars that Shine Darkly, vol. 1)』(Saturn, 1985)、『Outer Reach Intensity-Energy (Stars that Shine Darkly, vol. 2)』(Saturn, 1985)に続くアルバムに、いずれもライヴ・アルバムの、
『Love in Outer Space: Live in Utrecht』(Leo LR-154, 1988)
『Live at Praxis 84 Vol. I』(Praxis CM 108, 1984)
『Live at Praxis 84 Vol. II』(Praxis CM 109, 1985)
『Live at Praxis 84 Vol. III』(Praxis CM 110, 1986)
があります。『Love in Outer Space~』は1983年暮れの西ドイツでのライヴで発表年は'88年と遅くなりますがサン・ラ生前発表のもの、順次発売された『Live at Praxis 84』の3枚におよぶシリーズはヨーロッパ・ツアーを終えてエジプトのカイロ公演を行った1984年1月の録音で、カイロのプラクシス・レーベルからリリースされました。これらもできることなら詳しくご紹介したいのですが、いかんせん音源リンクが引けず実物をお聴きいただくことができません。そこでこの4枚を飛ばすと、サン・ラのディスコグラフィーには本作『When Spaceships Appear』が上がってきます。ところが1984年~1985年録音のA3, A4, B1のライヴを含むとされる本作の残りA1, A2, B2, B3, B4は1982年のニューヨークのスクワッド・シアターでのライヴ・アルバム『Ra To the Rescue』と重複しており、前々回ご紹介した『Ra To the Rescue』は『Ra To the Rescue』と本作『When Spaceships~』を統合したCDヴァージョンで、そこでは『When Spaceships~』からの3曲も1982年スクワッド・シアターからのものとされていました。こういうデータの混乱があるから自主制作盤サターンからのアルバムは困ったものですが(ジャケットも)、ディスコグラフィー上では2説どちらも可能性ありとして6曲収録の『Ra To the Rescue』と『Ra To~』から5曲を再収録して(わざわざ曲名まで改題して)3曲の未発表テイクを足した8曲収録の『When Spaceships~』は別々のアルバムとして扱っています。録音時期が特定できず追加曲3曲に1984年~1985年録音説がある以上尊重しよう、というわけで、1982年9月セッションは『A Fireside Chat with Lucifer』と『Celestial Love』でほぼ網羅されているのにこの2枚からのベスト選曲に未発表曲1曲を足しただけの『Nuclear War』が独自のアルバムとされているのと同じです。『Ra To the Rescue』全6曲中5曲再収録、3曲追加というと『When Spaceships Appear』は単に『Ra~』の増補改訂版のようですが、アルバムの印象は追加曲3曲と再収録曲の配置でまったく違ったものになっているのです。
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(Alternate El Saturn "When Spaceships Appear" LP Side A & Side B Label)
本作は『Ra~』の再収録曲A1, A2に初登場曲A3「Drummerlistics」、A4「Children Of The Sun」を続け、B1「Cosmo-Party Blues」までの3曲が本作初出でB2, B3, B4は再び『Ra~』からの再収録曲になります。この再収録曲を前後に配し、ハイライト曲B3, B4で終わる構成はオリジナル『Ra~』の曲配置より効果的になっています。パーカッション・ナンバーA3とサン・ラ流ゴスペル・ナンバーA4ではサン・ラは楽器を弾かずヴォーカルに徹しているのがユニークで、再収録曲A1, B2がもともとの『Ra~』ではA面の1、2曲目に連続して収められていたよりも本作でA面とB面に分割されているのとあいまって効果を上げています。『Ra~』では連続していたために曲の区切りがわからず、フリー・ジャズ系の曲だけに2曲の区切りがつかめないとやや冗長になってしまっていたのです。A3, A4もアーケストラ流フリー・ジャズですが方やパーカッション・ナンバー、方やヴォーカル・コーラス曲と特色がはっきりしているのでめりはりがついています。
やはり本作初出のB1はサン・ラのピアノ・ブルースでホーン陣はアンサンブル用員にとどまりますが、B面冒頭にアーシー(泥くさい)なブルースを置いたのがちょうどA2の役割と同じでチェンジ・オブ・ペース(口直し)になっており、『Ra~』からの再収録曲をフリー(B2)、もだん・ビッグバンド(B3)、この時期を代表するヴォーカル入りミディアム・バラッドの名曲(B4)と並ぶ構成はオリジナル『Ra To the Rescue』より各曲の印象を深いものにしています。A面B面ともヴォーカル曲で終わるのも本作を親しみやすくしています。必ずしも本作が『Ra To the Rescue』より優れたアルバムとは言い切れませんが、本作独自の構成で聴きごたえのあるアルバムになっているのは間違いなく、単純に重複曲を抜いて『Ra~』と本作を推定演奏順(1982年スクワッド・シアター・ライヴという前提で)に並べ直したのではこうはいきません。ライヴ・アルバムといえど(発掘音源はともかく)単なる記録ではなく選曲・編集による作品として聴くべきものなのです。
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(Alternate El Saturn "When Spaceships Appear" LP Various alternate Front Covers)