Side A recorded in Chicago, 1960's
Side B recorded in Philadelphia, 1970's
Released by El Saturn Records #14200, 1974
Also Released as A Tonal View Of Times Tomorrow El Saturn Records 527, El Saturn Records 14200, 1974
All Compositions & Arrangements by Sun Ra
(Side A) Performed by Sun Ra
A1. Space Probe - 18:08
(Side B) Performed by The Sun Ra Arkestra
B1. Primitive - 2:30
B2. The Conversion Of J.P. - 14:04
[ Sun Ra and His Arkestra ]
Sun Ra - mini-moog synthesizers(A1), intergalactic instruments(B1), piano(B2)
John Gilmore - bass clarinet(B1)
Marshall Allen - flute(B2)
prob. James Jacson - log drums
Nimrod Hunt (Carl S. Malone) - hand drums
other Arkestrian - percussion
(Original El Saturn "A Tonal View Of Times Tomorrow" LP Front Cover)
>また本作は正規のCD再発が2011年まで遅れたアルバムで、筆者もオリジナルLPは見たことがなく正規再発前には海賊盤CD-Rでかろうじて所持していたにすぎず、Art Yardレーベルは信頼に足る再発レーベルですが流通枚数がとても少ないので、現状サン・ラ絶頂期のアルバムではもっともオブスキュアな1枚と言えそうです。サン・ラのアルバムは音源管理が十全だったものからCD化されたので、本作のCD化の遅れの原因はマスター・テープが長年行方不明だったからかもしれません。
(Original El Saturn "Space Probe" LP Liner Cover & Side A/B Label)
>こちらも手描きの汚いジャケットですがレーベルは印刷されており、しかも『A Tonal View Of~』のジャケットの中に入っているレコード・レーベル自体にはアルバム名が『Space Probe』、曲順はA面アーケストラ、B面ソロになっています。おそらく順序はLP(盤本体)のプレスを進めるうちレーベル印刷経費に不足が生じてしまった。そこでまずレーベル印刷分は『A Tonal View Of~』の手描きジャケットに入れられ、残りは白レーベル盤のままプレスされて(AB面、曲順も逆に変更されて)、メンバーの手描きジャケットと手描きレーベルで『Space Probe』として同内容・別タイトル・別ジャケット・別曲順のアルバムが同時発売されることになったと思われます。このご紹介では印刷レーベルでは当初から『Space Probe』が正式タイトルだったと思われることや曲順の改訂など『A Tonal View Of~』より『Space Probe』を決定版と見ました。何よりA面全面を占める同名曲「Space Probe」があるからこそアルバム『Space Probe』の存在意義もあるからですが、サターン・レーベルはわざと同内容・別タイトルでリリースした節が大いにあります。マスター・テープ管理に不始末が生じた原因がリリース方法から混乱を招いたからだとしたら、この重複リリースは(手製ジャケットの汚さ同様)マイナスの面が大きいでしょう。
(Original El Saturn "A Tonal View Of Times Tomorrow" LP Liner Cover & Side A/B Label)
>B面をアーケストラの録音にしたのはA面との釣り合いで、2分半のB1は看板テナーのジョン・ギルモアをフィーチャー(バス・クラリネットを演奏)してサン・ラを含む全メンバーがドラムス/パーカッションにまわります。正規再発CDでは編集前の6分半ヴァージョンが収められていますが、短縮編集したことでB1が14分に及ぶB2にすんなり流れる効果があり、B2はマルチ奏者のマーシャル・アレンのフルートが前半、サン・ラのピアノが中盤以降に現れてトロピカルなユートピア的サウンドになりますが、B面の主役は実質的にドラムス/パーカッション・アンサンブルであり、打楽器アンサンブルを引き立てるためにバス・クラリネット、フルート、ピアノが楽想を提示している点でサン・ラ流ラテン・ジャズの最良の演奏と言えます。A面・B面が異なる手法を用いて、実験性ではやや停滞しながらもアルバム両面でコンパクトなまとまりがあり、長く聴き飽きのこない佳作でしょう。非常に雑なリリースがされたのはこの程度いくらでも作れるという自信の表れだったのかもしれません。