とタイトルをつけてはみたが、味較べなんて言ってもブログのようなヴィジュアル媒体では試食してもらうわけにはいかない。筆者が勝手にあれはああで、これはこうと解説しても大して面白くないだろう。この作文のように題目がチャーハン、文章表現力も凡庸ならばなおさらで、ならば画像で納得していただける内容にするしかない。
それで、いちばん上に載せたのは何か?チャーハンです。ところが調味料違いで調理してみたのがもうひとつあって、
おわかりでしょうか?共通しているのは炒り玉子、刻みウィンナー、刻みネギの塩・胡椒のサラダ油炒めで、異なるのは方や粉末中華コンソメと粉末乾燥ガーリックに仕上げにしょう油を隠し味にしている。もう一方は塩・胡椒を多めにしてカレーミックスパウダー(ターメリック、コリアンダー、クミン、フェネグリーク)、ガラムマサラ、一味唐辛子で炒めてある。つまりいわゆる普通の和風チャーハンとカレーチャーハンなのだが、一目瞭然ですね。カレーチャーハン画像だけを見せられたらよく炒めて焦げ色がついているようにしか見えないかもしれないが、比較するとなるほど黄色いな、とおわかりいただけたと思う。
元のご飯もサラダ油の使用量も、炒め時間もほとんど変わらないはずだが(具材の玉子1個、ウィンナー2本、刻みネギ長ネギ約2cm分)、こうして見較べてみるとかなり仕上がりの質感に差がある。カレーチャーハンはご飯の粒がパサッと良い具合に立っているのに和風チャーハンは所どころダマができている。これは、調味料の性質の違いから来るのだと思う。粉末中華コンソメはチキンエキスとポークエキスが主成分で、粉末乾燥ガーリックが水分を吸った状態もそうだが、増粘剤の働きをするのだろう。さらにしょう油も大さじ1、2杯くらい回すからなおさら仕上げでダマができる。だがしょう油!この隠し味があるかないかは大違いで、少量のしょう油を使うだけでこれぞ和風焼きめし!という味になるのだ。
対してカレーミックスパウダー、ガラムマサラ、一味唐辛子などはご飯の水気を吸って染みこむと、水気を飛ばす働きをするのだろうと思う。画像に戻って両方をご覧いただきたい。和風チャーハンはしっとり、カレーチャーハンはぱっさりしているが、くり返すと元のご飯も油の量も炒め時間も同じでこれだけの差がついてしまうのだ。どちらも十分美味しいのだが、やはりカレーチャーハンは大味で、和風焼きメシチャーハンのまったりした味わいの方が奥行きがある。うーん、食感はぱっさり、味わいはまったりとはいかないものかな。市販の乾燥具材いりチャーハンミックスはぱっさり仕上がるから大したものなのだが、割高な上にはっきり言って、ちゃんと生の具材で自己流の粉末中華コンソメ+アルファで調理する方が美味しくできる……ただしぱっさり感が難しいが。
こうして書いていたら、何かチャーハンをイメージさせる現代絵画があったよな、と思いだした。あまり日本には紹介されていない人だが、つい12年ほど前まで90歳以上の長寿を現役で活動していたアルメニア(トルコ)系アメリカ人で、ニューヨークにアンディ・ウォホール(1928-1987)あればロサンゼルスにこの人あり、というくらいスキャンダラスでセレブな存在だった。絵画作品の画像アップは著作権現存の場合慎重にならなければならないのだが、この人の作品は紹介が遅れているのがもったいない。チャーハンから連想したのはこの作品で、ちなみにアーティスト82歳の時の制作になる。チャーハンぽくないですか?ないかなあ?
Jirayr Zorthian "Framed"
('1993, 40" x 60", Acrylic, prism colors and gold leaf on illustration board.)
(Jirayr Hamparzoom Zorthian, 1911-2004)
なおジャイラー・ゾルジャン(ジライア・ゾルタンかもしれない)については、リクエストがあれば今後も作品をご紹介したい。ロートレックからピカソとピカビア、さらにフランシス・ベーコンを思わせる作風まで、抽象絵画ではまったくないが変型したヌードの肉体の描出に固執した人で(初婚の夫人は1930年代でスキンヘッドにしていたという)らんちき騒ぎと全裸の乱交パーティでロサンゼルスの名物アーティストになった、という人でもあり、筋金入りの反戦・反差別主義者という硬派な面もあった。そこがウォホールとは違うアルメニア移民の気骨で、ゾルジャン作品の精神性の高さになっている。筆者は美術は(美術も)素人だが、リクエストがあればやります。ご意見お待ちします。
それで、いちばん上に載せたのは何か?チャーハンです。ところが調味料違いで調理してみたのがもうひとつあって、
おわかりでしょうか?共通しているのは炒り玉子、刻みウィンナー、刻みネギの塩・胡椒のサラダ油炒めで、異なるのは方や粉末中華コンソメと粉末乾燥ガーリックに仕上げにしょう油を隠し味にしている。もう一方は塩・胡椒を多めにしてカレーミックスパウダー(ターメリック、コリアンダー、クミン、フェネグリーク)、ガラムマサラ、一味唐辛子で炒めてある。つまりいわゆる普通の和風チャーハンとカレーチャーハンなのだが、一目瞭然ですね。カレーチャーハン画像だけを見せられたらよく炒めて焦げ色がついているようにしか見えないかもしれないが、比較するとなるほど黄色いな、とおわかりいただけたと思う。
元のご飯もサラダ油の使用量も、炒め時間もほとんど変わらないはずだが(具材の玉子1個、ウィンナー2本、刻みネギ長ネギ約2cm分)、こうして見較べてみるとかなり仕上がりの質感に差がある。カレーチャーハンはご飯の粒がパサッと良い具合に立っているのに和風チャーハンは所どころダマができている。これは、調味料の性質の違いから来るのだと思う。粉末中華コンソメはチキンエキスとポークエキスが主成分で、粉末乾燥ガーリックが水分を吸った状態もそうだが、増粘剤の働きをするのだろう。さらにしょう油も大さじ1、2杯くらい回すからなおさら仕上げでダマができる。だがしょう油!この隠し味があるかないかは大違いで、少量のしょう油を使うだけでこれぞ和風焼きめし!という味になるのだ。
対してカレーミックスパウダー、ガラムマサラ、一味唐辛子などはご飯の水気を吸って染みこむと、水気を飛ばす働きをするのだろうと思う。画像に戻って両方をご覧いただきたい。和風チャーハンはしっとり、カレーチャーハンはぱっさりしているが、くり返すと元のご飯も油の量も炒め時間も同じでこれだけの差がついてしまうのだ。どちらも十分美味しいのだが、やはりカレーチャーハンは大味で、和風焼きメシチャーハンのまったりした味わいの方が奥行きがある。うーん、食感はぱっさり、味わいはまったりとはいかないものかな。市販の乾燥具材いりチャーハンミックスはぱっさり仕上がるから大したものなのだが、割高な上にはっきり言って、ちゃんと生の具材で自己流の粉末中華コンソメ+アルファで調理する方が美味しくできる……ただしぱっさり感が難しいが。
こうして書いていたら、何かチャーハンをイメージさせる現代絵画があったよな、と思いだした。あまり日本には紹介されていない人だが、つい12年ほど前まで90歳以上の長寿を現役で活動していたアルメニア(トルコ)系アメリカ人で、ニューヨークにアンディ・ウォホール(1928-1987)あればロサンゼルスにこの人あり、というくらいスキャンダラスでセレブな存在だった。絵画作品の画像アップは著作権現存の場合慎重にならなければならないのだが、この人の作品は紹介が遅れているのがもったいない。チャーハンから連想したのはこの作品で、ちなみにアーティスト82歳の時の制作になる。チャーハンぽくないですか?ないかなあ?
Jirayr Zorthian "Framed"
('1993, 40" x 60", Acrylic, prism colors and gold leaf on illustration board.)
(Jirayr Hamparzoom Zorthian, 1911-2004)
なおジャイラー・ゾルジャン(ジライア・ゾルタンかもしれない)については、リクエストがあれば今後も作品をご紹介したい。ロートレックからピカソとピカビア、さらにフランシス・ベーコンを思わせる作風まで、抽象絵画ではまったくないが変型したヌードの肉体の描出に固執した人で(初婚の夫人は1930年代でスキンヘッドにしていたという)らんちき騒ぎと全裸の乱交パーティでロサンゼルスの名物アーティストになった、という人でもあり、筋金入りの反戦・反差別主義者という硬派な面もあった。そこがウォホールとは違うアルメニア移民の気骨で、ゾルジャン作品の精神性の高さになっている。筆者は美術は(美術も)素人だが、リクエストがあればやります。ご意見お待ちします。