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Channel: 人生は野菜スープ(または毎晩午前0時更新の男)
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新編☆戦場のミッフィーちゃんと仲間たち(53)

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 私たちに欠けているものは何かしら、とデイジーは私って不幸モードに入っているハローキティに言いました、例えば博識や哲学よね。それに本当の意味で成熟した女の魅力や母性、包容力にも欠けているかもしれない。洗練された物腰や気品、溢れる才能にも欠けているかもしれない。でも、そんなものが私たちに本当に必要なのかしら?
 もちろん、とデイジーは続けて、ツキというのは誰だって必要よ、そして私たちは今ツキに見離されていると認めるしかない。でもそれって自分でどうにかなる場合と、自分ではどうにもならない場合があるじゃない?これまで私たちはついていたのよ、それが今ではついていない。こんなことを嘆いていたって始まらない、私たちの仕事はお客さんの入り不入りで賃金を下げられるわけじゃないし、これまでもらえていた特別手当がつかなくなるかもしれないけどもともと大した額じゃあなかったじゃあない?基本給だけで十分稼げている上に、ヒマならヒマで働いている分以上にお給料をもらっていると考えればいいのよ。少なくとも私たちには不満はないわ。どうかしら?
 私が不幸なのはそんなことじゃない、とハローキティ、お金とかお客さんの入りとか、そんなありふれたことだってもちろん大切だけど、私の不幸はそんなことじゃないのよ。
 それはもうみんなわかっているから、とデイジーはのど元まで言葉が出かかりましたが、それを言ってはお終いです。ハローキティの不幸の核心をつつくことになってしまいます。めんどくさい女、とデイジーは妹の親友で自分も親友ということになっている、このカマトトこねこの表情を斜めにちらりと眺めました。
 キャシーはそのやりとりを聴いているうちに、自分の姉は本当はキティを追い詰めるのが目的でまくしたてているのではないかと思わずにはいられませんでした。年長者でもあり実質的にお店の営業を任されているだけあって、本来ならキティの苦境はデイジーの苦境でもあるはずです。しかしデイジーはキティの自虐癖につけこんで、同情し慰める様子をしながらも、こうなったのはすべてハローキティのせいであるようなムードに持ち込んでいました。自分の実姉とはいえ、そのあざとさには目にあまるものがありました。
 もしキティの不幸をみんなで解決できれば、今までどうりになるかしら、と思い切ってキャシーは口にしてみました。それはこれまで誰も、思いつかなかったことでした。

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