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Channel: 人生は野菜スープ(または毎晩午前0時更新の男)
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ピーナッツ畑でつかまえて(52)

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 いつまでもこんなことやってられないよ、とライナスは言いました。ですがその言葉に反応する相手は誰もいません。そんなことはわかっているとも、とライナスは重ねて言いました。ぼくも昨日や今日に気づいたわけじゃなく、たぶん最初からわかっていたとも言えるんだ。そして心の中のどこかでは、いつかぼくらにはいっせいに終わりが訪れるんだろう、と思っていた。始まった時ぼくらは貧しかったけれど、終わる時ぼくらはかつてなく裕福になっているだろう。それがわかり始めた頃から、ぼくらは次第に傲慢になっていった……。
 ライナスは一瞬言葉に詰まりましたが、すぐに気を取り直して、だいたいこんなのぼくのキャラクターじゃないんだ。ライナスは自己主張しない、ライナスは振り回されている、ライナスは優しい、ライナスはいつも受け身、ライナスは他人との関係だけで生きている、それがぼくという存在なんだし、そのどこが悪いと言うのだろう?ぼくは不思議な役割を演じているのだろうか?でもそれ以外にぼく、ライナスというキャラクターが存在しないなら、もうそれは役割なんかではなくて運命とでも言うしかないじゃないか。誰かがそれに正しい答えをくれるとでもいうのだろうか?
 病的と病気というのはどう違うんでしょうかね、とスノークは言いました(飽きてきたのです)、りんごとりんごジャムの違いみたいなものなんでしょうかねえ。そりゃ違うだろう、とムーミンパパ。私は冒険家時代、航海の時にはりんごよりりんごジャムを持っていくことが多かったのだが、まずりんごとりんごジャムでは日持ちが違うし、りんごを持っていっても自然にりんごジャムになりはしない。もちろんりんごジャムからりんごに戻すことはできないが、とムーミンパパは何を言いたいのか自分でもわからなくなり、ヘムレンさんはどう思われます?いやあそれは、とヘムレンさんは谷の賢者らしくもったいぶって答えようとしましたが、ふとりんごにも種類があるのに気づいて軽率な発言は控えることにし、それはスナフキンくんの方が良く知っているだろう、どうかね?
 スナフキンはようやく虹の端にたどり着いたところでした。そこからは、悲惨なありさまも滑稽な景色も同じくらい鮮明に見えました。ただしあまりそこにとどまれば、スナフキンはスナフキンという実体を失い、概念として永遠に宇宙に固定されてしまうのは明らかでした。

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