これは10階建てほどの、10棟以上ある大団地のど真ん中にある児童公園だが、いつ通りかかっても誰もいない。この辺りに幼児がまったくいないわけではないだろう。創立50年を越える老舗幼稚園が本館と分館、保育園の3軒を開いているし、団地から駅の間に他にも保育園が2軒あって、園児の引率散歩姿を見かける。
団地ができたのが昭和50年頃だったから今年で40年、完全に世代交代するにはまだ若いが、当時から入居していた世帯はだいたい年金年齢に達していると思う。二世代同居には、こうした核家族向け近代住宅では狭すぎる。この団地で生まれ育った子どもたちも、若くて30歳、年長で50歳くらいになっているだろう。
核家族化が家族を世代間に解体してしまうとは映画『麦秋』(昭和26年)で早くも描かれていたテーマだが、子どもが成人して親から離れるのは哺乳類としては普通の現象でもある。いま子育てをしている世代の居住地が、時代ごとの住環境で推移しているだけかもしれない。無人の児童公園が、それを見つめている。
団地ができたのが昭和50年頃だったから今年で40年、完全に世代交代するにはまだ若いが、当時から入居していた世帯はだいたい年金年齢に達していると思う。二世代同居には、こうした核家族向け近代住宅では狭すぎる。この団地で生まれ育った子どもたちも、若くて30歳、年長で50歳くらいになっているだろう。
核家族化が家族を世代間に解体してしまうとは映画『麦秋』(昭和26年)で早くも描かれていたテーマだが、子どもが成人して親から離れるのは哺乳類としては普通の現象でもある。いま子育てをしている世代の居住地が、時代ごとの住環境で推移しているだけかもしれない。無人の児童公園が、それを見つめている。