Aphrodite's Child : "666" Greece-France-U.K. 1971
https://www.youtube.com/watch?v=FATe8MpEpO4&feature=youtube_gdata_player
(A)1.The System/2.Babylon/3.Loud Loud Loud/4.The Four Horsemen /5.The Lamb/6.The Seventh Seal
(B)1.Aegian Sea/2.Seven Bowls/3.The Wakening Beast/4.Lament/5.The Marching Beast/6.The Battle of the Locust/7.Do It/8.Tribulation/9.The Beast/10.OFIS
(C)1.Seventh Trumpets/2.Altamont/3.The Wedding of the Lamb/4.The Capture of the Beast/5.∞/6.HIC-et-NUNC
(D)1.All The Seats Were Occupied/2.Break
Vangelis Papathanassiou-Keyboards
Demis Roussous-Vocals,Bass
Anargyros "Silver" Koulouris-Guitar
Lucas Sideras-Drums
Add Harris Chalkitis-Keyboards
このアルバムが紹介される時必ず使われるのが「オーメンとは関係ない」(笑)という前振りで、それも今では40代後半以降の人でないと通じないかもしれない。80年代初頭まではアメリカのホラー映画の話題作というと盛んにテレビCMが流されてしばしば子供の流行語になり、地上波放映、と言っても当時は地上波しかなかったからテレビ放映もほとんどリヴァイヴァル公開と言えるほど反響を呼び、続編のロードショーともなればやはりテレビでスペシャル番組が組まれたりもしたものだ。70年代を代表するアメリカのオカルト・ホラー映画は『エクソシスト』と『オーメン』なのは、とりあえず妥当なところだろう。『キャリー』は変化球だし、『エイリアン』はモンスター映画になる。
アルバムに話を戻すと、新約聖書のヨハネ黙示録にコンセプトを借りたこの二枚組大作はギリシャのロックバンドによってフランスで制作され、ヴァーティゴ・レーベルのフランス支社から71年末に先行発売、ヴァーティゴのイギリス本社からは72年初頭発売、国際的に好セールスを記録したことからアメリカでもメジャーのマーキュリー・レーベルから72年6月に発売された。英語詞、イギリス=フランス制作のアルバムとはいえ、ギリシャ(当時社会主義国)のロックバンドがこれほどの規模の作品を作り、国際的にヒットさせるのは異例のことだった。しかもこのアルバムは74年に再ヒットするというロングセラー人気を見せた。背景にはオカルト・ブームとピンク・フロイド『狂気』の特大ヒットがあり、『狂気』に先立って類似したプログレッシヴ・ロックのアルバムということでラジオのオン・エア率が再上昇して再ヒットにつながったと推定される。ヴァンゲリスのソロ活動の売り出しからも再プロモートされたのだろう。短期間をおいての再ヒット、しかも初回リリースを上回るヒットは、アイアン・バタフライの『イン・ア・ガダ・ダ・ヴィダ』くらいしか類例がない。
アフロディテス・チャイルドはキーボード奏者のヴァンゲリス・パパサナシュー率いるバンドで1967年結成され、サイケデリック・ポップの国際的バンドとして68年には『レイン・アンド・ティアーズ』をフランス、オランダ、ベルギー、西ドイツでトップ10入り、イギリスで27位を記録、次いでイタリアとポルトガルでもヒットさせる。翌年にはバンドはイギリス公演を行うが、帰路にフランスでレコーディング中にギリシャで軍事クーデターが起きて帰国できなくなってしまう。そこでイギリスのレコード会社と契約しながらフランスに在住するギリシャのロックバンド、というややこしい状態になった。
68年にファースト・アルバム『アフロディテス・チャイルド』、69年にセカンド・アルバム『イッツ・ファイヴ・オクロック』がともに好セールスを記録し、69年末にはフランス映画 "Sex Power" のサウンドトラックを手がけてアルバムもリリースされる。次の曲はサントラ・セッションからの未発表曲でベスト・アルバム "Babylon the Great" に初めて収められた。いかにも、と言った感じのもの。
Aphrodite's Child "Chakachak" 1969
https://www.youtube.com/watch?v=yRATHHh6TSI&feature=youtube_gdata_player
大作の『666』制作は長期化したが、ギタリストが兵役のため帰国を余儀なくされ、バンドは在仏ギリシャ人ミュージシャンを第二キーボード奏者にゲスト参加させてアルバムを完成させる。ベスト盤のジャケット写真はトリオ編成になってからのもの。
72年にバンドは解散、ヴァンゲリスは世界的な音楽家になり、デミス・ルソスはギリシャの国民的歌手になった。『666』はCDでロングセラーの定番アルバムになっている。
世に名盤と呼ばれるものは多いし、このアルバムも高校生の頃から30数年以上聴いてきた。他のアフロディテス・チャイルドのアルバムもシングル集も聴いたのだが、どれひとつピンとくるものがない。ギリシャのバンドでもソクラテス(笑)なんかは好きで、ソクラテスがギリシャ時代に制作したアルバムと、国際デビュー作としてヴァンゲリスがプロデュースしたアルバムを聴き較べると、同じバンドが同じ曲をゴージャスなキーボードを加えて再演するとこうも違うのか、とヴァンゲリスの手腕には脱帽するのだが、どちらが好きかと言えばギリシャ時代のださいソクラテスのサウンドなので、ヴァンゲリスのセンスがどうもこちらがロックに求める外し具合と合わないのかもしれない。ソロ作品でもドイツやフランスのうさんくさい実験ロックとは似て非なる感触がある。みんなが良いと言うものがまるで面白くないのは自腹を切ってまで持っているのに悔しいし、確かにこの音楽にはピンク・フロイドとELO、クイーンの橋渡し(笑)となるような響きがあるのだが、お手上げです。どこが良いか教えてください。ちなみにトータル・アルバム仕立てはまだしもB面は10曲、D面は20分の曲を含む2曲なんていう作為性もなんか気に食わないぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=FATe8MpEpO4&feature=youtube_gdata_player
(A)1.The System/2.Babylon/3.Loud Loud Loud/4.The Four Horsemen /5.The Lamb/6.The Seventh Seal
(B)1.Aegian Sea/2.Seven Bowls/3.The Wakening Beast/4.Lament/5.The Marching Beast/6.The Battle of the Locust/7.Do It/8.Tribulation/9.The Beast/10.OFIS
(C)1.Seventh Trumpets/2.Altamont/3.The Wedding of the Lamb/4.The Capture of the Beast/5.∞/6.HIC-et-NUNC
(D)1.All The Seats Were Occupied/2.Break
Vangelis Papathanassiou-Keyboards
Demis Roussous-Vocals,Bass
Anargyros "Silver" Koulouris-Guitar
Lucas Sideras-Drums
Add Harris Chalkitis-Keyboards
このアルバムが紹介される時必ず使われるのが「オーメンとは関係ない」(笑)という前振りで、それも今では40代後半以降の人でないと通じないかもしれない。80年代初頭まではアメリカのホラー映画の話題作というと盛んにテレビCMが流されてしばしば子供の流行語になり、地上波放映、と言っても当時は地上波しかなかったからテレビ放映もほとんどリヴァイヴァル公開と言えるほど反響を呼び、続編のロードショーともなればやはりテレビでスペシャル番組が組まれたりもしたものだ。70年代を代表するアメリカのオカルト・ホラー映画は『エクソシスト』と『オーメン』なのは、とりあえず妥当なところだろう。『キャリー』は変化球だし、『エイリアン』はモンスター映画になる。
アルバムに話を戻すと、新約聖書のヨハネ黙示録にコンセプトを借りたこの二枚組大作はギリシャのロックバンドによってフランスで制作され、ヴァーティゴ・レーベルのフランス支社から71年末に先行発売、ヴァーティゴのイギリス本社からは72年初頭発売、国際的に好セールスを記録したことからアメリカでもメジャーのマーキュリー・レーベルから72年6月に発売された。英語詞、イギリス=フランス制作のアルバムとはいえ、ギリシャ(当時社会主義国)のロックバンドがこれほどの規模の作品を作り、国際的にヒットさせるのは異例のことだった。しかもこのアルバムは74年に再ヒットするというロングセラー人気を見せた。背景にはオカルト・ブームとピンク・フロイド『狂気』の特大ヒットがあり、『狂気』に先立って類似したプログレッシヴ・ロックのアルバムということでラジオのオン・エア率が再上昇して再ヒットにつながったと推定される。ヴァンゲリスのソロ活動の売り出しからも再プロモートされたのだろう。短期間をおいての再ヒット、しかも初回リリースを上回るヒットは、アイアン・バタフライの『イン・ア・ガダ・ダ・ヴィダ』くらいしか類例がない。
アフロディテス・チャイルドはキーボード奏者のヴァンゲリス・パパサナシュー率いるバンドで1967年結成され、サイケデリック・ポップの国際的バンドとして68年には『レイン・アンド・ティアーズ』をフランス、オランダ、ベルギー、西ドイツでトップ10入り、イギリスで27位を記録、次いでイタリアとポルトガルでもヒットさせる。翌年にはバンドはイギリス公演を行うが、帰路にフランスでレコーディング中にギリシャで軍事クーデターが起きて帰国できなくなってしまう。そこでイギリスのレコード会社と契約しながらフランスに在住するギリシャのロックバンド、というややこしい状態になった。
68年にファースト・アルバム『アフロディテス・チャイルド』、69年にセカンド・アルバム『イッツ・ファイヴ・オクロック』がともに好セールスを記録し、69年末にはフランス映画 "Sex Power" のサウンドトラックを手がけてアルバムもリリースされる。次の曲はサントラ・セッションからの未発表曲でベスト・アルバム "Babylon the Great" に初めて収められた。いかにも、と言った感じのもの。
Aphrodite's Child "Chakachak" 1969
https://www.youtube.com/watch?v=yRATHHh6TSI&feature=youtube_gdata_player
大作の『666』制作は長期化したが、ギタリストが兵役のため帰国を余儀なくされ、バンドは在仏ギリシャ人ミュージシャンを第二キーボード奏者にゲスト参加させてアルバムを完成させる。ベスト盤のジャケット写真はトリオ編成になってからのもの。
72年にバンドは解散、ヴァンゲリスは世界的な音楽家になり、デミス・ルソスはギリシャの国民的歌手になった。『666』はCDでロングセラーの定番アルバムになっている。
世に名盤と呼ばれるものは多いし、このアルバムも高校生の頃から30数年以上聴いてきた。他のアフロディテス・チャイルドのアルバムもシングル集も聴いたのだが、どれひとつピンとくるものがない。ギリシャのバンドでもソクラテス(笑)なんかは好きで、ソクラテスがギリシャ時代に制作したアルバムと、国際デビュー作としてヴァンゲリスがプロデュースしたアルバムを聴き較べると、同じバンドが同じ曲をゴージャスなキーボードを加えて再演するとこうも違うのか、とヴァンゲリスの手腕には脱帽するのだが、どちらが好きかと言えばギリシャ時代のださいソクラテスのサウンドなので、ヴァンゲリスのセンスがどうもこちらがロックに求める外し具合と合わないのかもしれない。ソロ作品でもドイツやフランスのうさんくさい実験ロックとは似て非なる感触がある。みんなが良いと言うものがまるで面白くないのは自腹を切ってまで持っているのに悔しいし、確かにこの音楽にはピンク・フロイドとELO、クイーンの橋渡し(笑)となるような響きがあるのだが、お手上げです。どこが良いか教えてください。ちなみにトータル・アルバム仕立てはまだしもB面は10曲、D面は20分の曲を含む2曲なんていう作為性もなんか気に食わないぞ。