私としても不本意なことだが、とムーミンパパは呟きました。私たちはもうかつてとは違ってしまったのではないか。もうかつての自分に戻ることはできないのではないだろうか。
きみらしくもないじゃないか、とフレドリクソンは言いました。どうしたって言うんだい?かつての私たちとは違うとは。
きみは発明している。
そうだよ私は、これまでもずっと発明家だったし、今もそうだし、これからも止めないだろう。
そうだな。そしてユールたちは…。
彼らは夫婦でひと組だからな、きみがスニフの親代わりになってやっているからこれからも冒険の旅を続けるだろうよ。ロッドユールはロッドユールのままだしソースユールはソースユールのままだ。
きみは最後に彼らといつ、どこで会った?
おさびし山の中腹にラジウムを採掘しに行った時になるかな?博士たちの依頼で特殊な実験装置を作るためのパーツだったから、あれからいくつか季節が過ぎたことになる。
季節…季節とはなんだろうか?
昼間の時間と夜の時間が周期性を持って変化する。それにつれて気候や植物の成育もはっきりした変化がある。われわれは直感的にそれを知る…だろう?
直感的…。
…そして季節はわれわれにその時々の果実や根菜、葉野菜をもたらす。きみが変化と言うのはそれか?
それもある。
だが真冬にトマトは生らないし、銀杏も毎年同じ季節に落ちる。変化ではなく循環しているだけなんだ。
きみも循環しているのか、フレドリクソン?あの勇敢なユール夫妻もその冒険の本質は循環にすぎないということか?
きみは何を言いたい?われわれの営みや自然の運行は確かに変化ではなく循環ではあるだろう。だが積年のうちには小さな量的変化の堆積が質的変化に転じることもある。きみは私たちはかつてとは変ってしまったと言いながら、まるで単なる惰性に堕したかのように言いたげに見える。
では限定しよう。わが友フレドリクソン、私はかつての冒険家ムーミンに見えるかね?
それは…かつて冒険家ムーミンであり、今は家庭人となったムーミンパパに見えるよ。だがそれは望んだ変化だったはずだろう?
そうだ。ならばこの疲労感はなんだろう。私は博士に訊いてみた。博士は哲学者でもあるから。博士は当然だ、トロールに成長はないからと言った。
つまり…?
私は歳をとった、ただそれだけのことさ。
きみらしくもないじゃないか、とフレドリクソンは言いました。どうしたって言うんだい?かつての私たちとは違うとは。
きみは発明している。
そうだよ私は、これまでもずっと発明家だったし、今もそうだし、これからも止めないだろう。
そうだな。そしてユールたちは…。
彼らは夫婦でひと組だからな、きみがスニフの親代わりになってやっているからこれからも冒険の旅を続けるだろうよ。ロッドユールはロッドユールのままだしソースユールはソースユールのままだ。
きみは最後に彼らといつ、どこで会った?
おさびし山の中腹にラジウムを採掘しに行った時になるかな?博士たちの依頼で特殊な実験装置を作るためのパーツだったから、あれからいくつか季節が過ぎたことになる。
季節…季節とはなんだろうか?
昼間の時間と夜の時間が周期性を持って変化する。それにつれて気候や植物の成育もはっきりした変化がある。われわれは直感的にそれを知る…だろう?
直感的…。
…そして季節はわれわれにその時々の果実や根菜、葉野菜をもたらす。きみが変化と言うのはそれか?
それもある。
だが真冬にトマトは生らないし、銀杏も毎年同じ季節に落ちる。変化ではなく循環しているだけなんだ。
きみも循環しているのか、フレドリクソン?あの勇敢なユール夫妻もその冒険の本質は循環にすぎないということか?
きみは何を言いたい?われわれの営みや自然の運行は確かに変化ではなく循環ではあるだろう。だが積年のうちには小さな量的変化の堆積が質的変化に転じることもある。きみは私たちはかつてとは変ってしまったと言いながら、まるで単なる惰性に堕したかのように言いたげに見える。
では限定しよう。わが友フレドリクソン、私はかつての冒険家ムーミンに見えるかね?
それは…かつて冒険家ムーミンであり、今は家庭人となったムーミンパパに見えるよ。だがそれは望んだ変化だったはずだろう?
そうだ。ならばこの疲労感はなんだろう。私は博士に訊いてみた。博士は哲学者でもあるから。博士は当然だ、トロールに成長はないからと言った。
つまり…?
私は歳をとった、ただそれだけのことさ。