Released by Reprise Records R6248(Mono), RS6248(Stereo), April 1967 / Billboard#113
Produced by Dave Hassinger
(Side A)
A1. I Had Too Much To Dream (Last Night) (Annette Tucker, Nancie Mantz) - 2:55 *US#11, UK#49
A2. Bangles (J. Walsh) - 2:57
A3. Onie (Tucker, Mantz) - 2:43
A4. Are You Lovin' Me More (But Enjoying It Less) (Tucker, Mantz) - 2:21
A5. Train For Tomorrow (Spagnola, Williams, Tulin, Ritter, Lowe) - 3:00
A6. Sold For The Highest Bidder (Tucker, Mantz) - 2:16
(Side B)
B1. Get Me To The World On Time (Jones, Mantz) - 2:30 *US#27
B2. About A Quarter To Nine (Dublin, Warren) - 2:07
B3. The King Is In The Counting House (Tucker, Mantz) - 2:00
B4. Luvin' (Tulin, Lowe) - 2:03
B5. Try Me On For Size (Tucker, Jones) - 2:19
B6. Tunerville Trolley (Tucker, Mantz) - 2:34
[ The Electric Prunes ]
James Lowe - lead vocals (expect A3, A4), autoharp, rhythm guitar, tambourine
Ken Williams - lead guitar
James "Weasel" Spagnola - rhythm guitar, backing and lead (A3, A4) vocals
Mark Tulin - bass guitar, piano, organ
Preston Ritter - drums, percussion
デビュー・ヒット曲「I Had Too Much To Dream (Last Night)」の邦題「今夜は眠れない」をそのままアルバム・タイトルにした本作はロサンゼルスで1965年に結成されたエレクトリック・プリューンズ(日本盤表記はプルーンズ)のアルバムではありますが、同時にプロデューサーのデイヴ(デイヴィッド)・ハッシンジャー(1927-2007)のアルバムでもあります。ハッシンジャーの1960年代後半の英米ロックへの貢献はきわめて大きく、それは65年~66年のローリング・ストーンズの実質的音楽プロデューサーだったことから起こりました。ハッシンジャーは1964年にロサンゼルスのRCAスタジオのレコーディング・エンジニアに就任し、テレビの音楽番組「T.A.M.I.ショー」の音楽監督やチップマンクス(リスのアニメーション・キャラクター)のアルバム『The Chipmunks Sing the Beatles Hits』のエンジニアを勤めていましたが、おそらくRCAのサム・クック作品で注目され、1965年1月にRCAスタジオで行われたシングル「The Last Time/Play With Fire」セッションで初めてストーンズのサウンド・エンジニアリングを手がけました。
ストーンズの場合プロデューサーはマネジメント社長のアンドリュー・オールダム名義でしたが、60年代にはプロデューサーとは映画プロデューサー同様制作指揮を指して呼ばれ、今日音楽プロデューサーとされる役割はエンジニアが勤めていたのです(日本ではディレクターが音楽プロデューサーの役割でした)。このストーンズのNo.1シングルA/B面の暗く内向的・攻撃的なサウンドは高い作曲力とアレンジ力で模倣を許さないビートルズのサウンドよりも同時代のバンドに影響を与えました。次にハッシンジャーが手がけたストーンズのシングルこそが5月録音の決定的な「Satisfaction」でした。9月には「Get Off My Cloud/As Tears Goes By」が録音され、12月からはシングル「19th Nervous Breakdown」、アルバム『Aftermath』1966.4に収録されるセッションで「Mother's Little Helper」や当時ロック最長の11分45秒のオリジナル・ブルース・ジャム曲「Goin' Home」が行われ、「Goin' Home」はラヴ(「Revelation」、直接『Aftermath』セッションを見学)やザ・シーズ(「Up In Her Room」)、ドアーズ(「The End」)やグレイトフル・デッド(「Dark Star」)などの大曲指向に影響を与えました。1966年3月には『Aftermath』セッションの掉尾を飾る「Lady Jane」「Paint It, Black」が録音されます。次のストーンズのセッションは1966年9月でシングル「Ruby Tuesday」「Let Spend The Night Together」やアルバム『Between The Buttons』1967.1に収められる曲が録音されますが、ストーンズはハッシンジャーのサウンド作りはすでに学び尽くしており、次作のセッションからはロンドン録音に戻っています。
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(Original Reprise "The Electric Prunes" LP Liner Cover)
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(Original Reprise "The Electric Prunes" LP Side One Label)
(過去記事より加筆修正再掲載)