マイルス・デイヴィス The Miles Davis Quintet - ステイブルメイツ Stablemates (Benny Golson) (Prestige, 1956) : https://youtu.be/mPNPyoKNBK4 - 5:18
Recorded at The Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey, November 16, 1955
Released by Prestige Records as the album "Miles: The New Miles Davis Quintet", PRLP 7014, April 1956
[ The Miles Davis Quintet ]
Miles Davis - trumpet, John Coltrane - tenor saxophone, Red Garland - piano, Paul Chambers - bass, Philly Joe Jones - drums
大スタンダード曲「There Will Never Be Another You」のコード進行を圧縮して作られた、というのがにわかには信じられないほど原曲離れしたこの曲はフィラデルフィア出身のテナー奏者ベニー・ゴルソン(1929-)のオリジナル曲で、ゴルソンはクリフォード・ブラウンへの追悼曲「I Remember Clifford」やリー・モーガンに提供した「Wisper Not」、ジャズ・メッセンジャーズ時代の「Blues March」、アート・ファーマーとの双頭クインテット「Jazztet」でも有名ですが、マイルス・デイヴィスが1955年に結成したクインテットの初アルバムの掉尾を飾るこの「ステイブルメイツ」(日本語なら「竹馬の友」のニュアンス)も夜道を威風堂々歩くようなハードボイルドなAメロに一転してデレるBメロ、再びハードボイルドなAメロとゴツゴツしたメロディーにも起伏がある、面白い構成の名曲です。この曲はアルバム最終曲に配置されているのですがカセットテープやCDで連続再生しているとオープニング曲にこそふさわしかったのではないかと思われ、実際レコーディングではセッションの最初に録音されたことが判明しており、マイルスのアレンジもテーマ部はあえてピアノを弾かせずホーンとベース、ドラムスだけでアンサンブルしており(それだけにA'部最後に突然ラテン・リズムに変わるのが際立ちます)、マイルスのアルバムは『ラウンド・ミッドナイト』でも「Dear Old Stockholm」が最終曲、『マイルストーンズ』でもアルバム・タイトル曲がLPのB面冒頭とハイライト曲の置き場所がおかしい場合がままあるので、しばらく聴かないとひさびさに聴き返した時この曲こんな位置だったっけ、と妙な感じになる時がある。'50年代いっぱいのマイルスのアルバムで曲順も完璧なのは『ポーギーとベス』『カインド・オブ・ブルー』、あとは好きずきでしょう。この曲はもともと器楽曲なので数々のヴァージョンがありますが、マイルスのバンドの西海岸ツアー中に録音されたベーシストのポール・チェンバースの初アルバムはピアノ以外はマイルス・クインテット仲間であり、ジョン・コルトレーンの1ホーンの「ステイブルメイツ」が聴ける好ヴァージョンです。このコルトレーンはマイルス版の演奏より格段に固さがとれています。チェンバース版もマイルス版よりかなり早いテンポですが、コルトレーンの先代のマイルス・クインテットのメンバーだったジャッキー・マクリーンもブルー・ノート・レコーズ移籍第2作のアルバムでこの曲のワンホーン・カルテット演奏を残しており、コルトレーンのヴァージョンと聴き較べるとテナーとアルトの違い以上に演奏解釈の違い、ジャズ・サックス奏者としての個性の違いを感じさせるものです。マイルス版、チェンバース(コルトレーン)版と聴いてきてマクリーン版を聴くとマクリーンの軽さは一見貧弱でたどたどしく聴こえもしますが、これはマイルスにもコルトレーンにも出せない持ち味には違いなく、たった3歳年少(録音時は同年)なだけなのにマクリーンには万年青年みたいなくすぐったい若さがあってそこが魅力になっている。同じ曲のほぼ同年齢での演奏なだけにそれぞれの個性のつかみやすいヴァージョンとも言えます。
Paul Chambers - Stablemates (Jazz West, 1956) : https://youtu.be/rNuSszopFjQ - 5:53
Recorded at Western Recorders, Los Angeles, March 1 or 2, 1956
Released by Jazz West Records as the album "Chambers' Music", JWLP 7, September 1956
[ Paul Chambers Quartet ]
Paul Chambers - bass, John Coltrane - tenor saxophone, Kenny Drew - piano, Philly Joe Jones - drums
Jackie McLean Quartet - Stablemates (Blue Note, 1960) : https://youtu.be/W9FTSUmoh6g - 5:47
Recorded at The Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey, October 20, 1959
Released by Blue Note Records as the album "Swing, Swang, Swingin'", BST 84024, March 1960
[ January McLean Quartet ]
Jackie McLean - alto saxophone, Walter Bishop Jr. - piano, Jimmy Garrison - bass, Art Taylor - drums
Recorded at The Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey, November 16, 1955
Released by Prestige Records as the album "Miles: The New Miles Davis Quintet", PRLP 7014, April 1956
[ The Miles Davis Quintet ]
Miles Davis - trumpet, John Coltrane - tenor saxophone, Red Garland - piano, Paul Chambers - bass, Philly Joe Jones - drums
大スタンダード曲「There Will Never Be Another You」のコード進行を圧縮して作られた、というのがにわかには信じられないほど原曲離れしたこの曲はフィラデルフィア出身のテナー奏者ベニー・ゴルソン(1929-)のオリジナル曲で、ゴルソンはクリフォード・ブラウンへの追悼曲「I Remember Clifford」やリー・モーガンに提供した「Wisper Not」、ジャズ・メッセンジャーズ時代の「Blues March」、アート・ファーマーとの双頭クインテット「Jazztet」でも有名ですが、マイルス・デイヴィスが1955年に結成したクインテットの初アルバムの掉尾を飾るこの「ステイブルメイツ」(日本語なら「竹馬の友」のニュアンス)も夜道を威風堂々歩くようなハードボイルドなAメロに一転してデレるBメロ、再びハードボイルドなAメロとゴツゴツしたメロディーにも起伏がある、面白い構成の名曲です。この曲はアルバム最終曲に配置されているのですがカセットテープやCDで連続再生しているとオープニング曲にこそふさわしかったのではないかと思われ、実際レコーディングではセッションの最初に録音されたことが判明しており、マイルスのアレンジもテーマ部はあえてピアノを弾かせずホーンとベース、ドラムスだけでアンサンブルしており(それだけにA'部最後に突然ラテン・リズムに変わるのが際立ちます)、マイルスのアルバムは『ラウンド・ミッドナイト』でも「Dear Old Stockholm」が最終曲、『マイルストーンズ』でもアルバム・タイトル曲がLPのB面冒頭とハイライト曲の置き場所がおかしい場合がままあるので、しばらく聴かないとひさびさに聴き返した時この曲こんな位置だったっけ、と妙な感じになる時がある。'50年代いっぱいのマイルスのアルバムで曲順も完璧なのは『ポーギーとベス』『カインド・オブ・ブルー』、あとは好きずきでしょう。この曲はもともと器楽曲なので数々のヴァージョンがありますが、マイルスのバンドの西海岸ツアー中に録音されたベーシストのポール・チェンバースの初アルバムはピアノ以外はマイルス・クインテット仲間であり、ジョン・コルトレーンの1ホーンの「ステイブルメイツ」が聴ける好ヴァージョンです。このコルトレーンはマイルス版の演奏より格段に固さがとれています。チェンバース版もマイルス版よりかなり早いテンポですが、コルトレーンの先代のマイルス・クインテットのメンバーだったジャッキー・マクリーンもブルー・ノート・レコーズ移籍第2作のアルバムでこの曲のワンホーン・カルテット演奏を残しており、コルトレーンのヴァージョンと聴き較べるとテナーとアルトの違い以上に演奏解釈の違い、ジャズ・サックス奏者としての個性の違いを感じさせるものです。マイルス版、チェンバース(コルトレーン)版と聴いてきてマクリーン版を聴くとマクリーンの軽さは一見貧弱でたどたどしく聴こえもしますが、これはマイルスにもコルトレーンにも出せない持ち味には違いなく、たった3歳年少(録音時は同年)なだけなのにマクリーンには万年青年みたいなくすぐったい若さがあってそこが魅力になっている。同じ曲のほぼ同年齢での演奏なだけにそれぞれの個性のつかみやすいヴァージョンとも言えます。
Paul Chambers - Stablemates (Jazz West, 1956) : https://youtu.be/rNuSszopFjQ - 5:53
Recorded at Western Recorders, Los Angeles, March 1 or 2, 1956
Released by Jazz West Records as the album "Chambers' Music", JWLP 7, September 1956
[ Paul Chambers Quartet ]
Paul Chambers - bass, John Coltrane - tenor saxophone, Kenny Drew - piano, Philly Joe Jones - drums
Jackie McLean Quartet - Stablemates (Blue Note, 1960) : https://youtu.be/W9FTSUmoh6g - 5:47
Recorded at The Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey, October 20, 1959
Released by Blue Note Records as the album "Swing, Swang, Swingin'", BST 84024, March 1960
[ January McLean Quartet ]
Jackie McLean - alto saxophone, Walter Bishop Jr. - piano, Jimmy Garrison - bass, Art Taylor - drums