アルバート・アイラー Albert Ayler - アワー・プレイヤー Our Prayer (Donald Ayler) (Impulse!, 1967) : https://youtu.be/3i_fTQiIF2s - 4:43
Recorded live at Village Vanguard, December 18, 1966
Released by ABC/impulse! Records as the album "Albert Ayler in Greenwich Village", Impulse! AS9155, 1967
Also Reissued GRP/Impulse! Records as the 2CD album "Live in Greenwich Village: the Complete Impulse Recordings", Impulse! IMPD-2-273, 1998
[ Personnel ]
Albert Ayler - tenor saxophone, Donald Ayler - trumpet, Michel Sampson - violin, Bill Folwell - bass, Henry Grimes - bass, Beaver Harris - drums
この曲はアルバム中唯一アルバート・アイラー(1936-1970)の弟ドナルド・アイラー(1942-2007)の作曲クレジットのある楽曲ですが、アルバムB面でB1のアルバート・アイラー作「トゥルース・イズ・マーチング・イン」から続けてこのB2の「アワー・プレイヤー」を聴くと、この曲はアルバム全体のクロージング・ナンバーでもありますが、調性も同じならトランペットが奏でるテーマの音型も同じなので、「トゥルース・イズ~」のコーダというよりトランペットによる序曲のように聞こえる。つまりトランペットがリードする「アワー・プレイヤー」から「トゥルース・イズ~」と続けて聴く(B面2曲をくり返して聴くとそうなります)とトランペットを中心とした前奏部分である「アワー・プレイヤー」からアイラーのテナーがずいと前面に出てきてフリー・ジャズによるディキシーランド・ジャズ解釈のゴスペル「トゥルース・イズ~」で盛り上がるのが構成としては順当で、このB面2曲はあえてプレリュード的な「アワー・プレイヤー」を後にもってきたことで蛇の尻尾呑みのようにぐるぐると果てしなく回帰するような構成になっています。だからクレジットこそドナルド名義ですがそのセッティングをしたのは兄のアイラーなので兄アルバートの手のひらの上でドナルドが吹いたアドリブがこの曲なので、ジャズはアレンジと演奏性の音楽ですから、本質的には兄アルバートのオリジナルと言うべき曲でしょう。
またこの2曲は回帰しないでもシンプルなテーマから賑やかなフリー・ジャズ展開をして盛り上がりテーマに戻る「トゥルース・イズ~」のあとにメドレー的にトランペットが同じ調性、同じ音型でシンプルな余韻を響かせ、テナーやチェロ、2人のベーシストがテンポ・ルバートで自由に絡みあう「アワー・プレイヤー」は祭りのあとのような徐々に引いていくクール・ダウン効果をもたらすので、2曲を代わるがわるに聴いても2曲がメドレーの1曲としてもこの構成には不思議な魔力があります。アイラーはコルトレーンの葬儀の追悼演奏のメドレーで新曲「ラヴ・クライ」から「トゥルース・イズ・マーチング・イン」~「アワー・プレイヤー」の3曲メドレーで6分半の演奏を残しましたが、「ラヴ・クライ」はコルトレーンの急逝から生まれた曲で発掘音源がおおやけにされるまでアイラーのバンドが追悼演奏したのは「トゥルース・イズ・マーチング・イン」1曲と記録だけが伝えられていたので、アイラーとしても即興的なイントロのあとに「トゥルース・イズ~」が続き終結部にアレンジが「アワー・プレイヤー」になる(この2曲はアンサンブルのバランスが変化するだけで基本的には単一の曲です)、その即興的イントロ部分が単独楽曲になり、'67年8月にスタジオ録音される次のアルバム('68年2月の追加セッションと合わせて'68年発売)のタイトル曲「ラヴ・クライ」に発展したのでしょう。そうしたことがわかる点でもコルトレーンの葬儀の追悼演奏録音の発掘(教会の中の演奏ですから音質はえらいことになっていますが)は楽曲の性質や創作の背景を教えてくれる興味深く、またこれが実際に行われたセレモニー演奏かと思うと感動を禁じえません。
Albert Ayler Quartet - Love Cry/Truth Is Marching In/Our Prayer (Albert Ayler/Albert Ayler/Don Ayler) (Revenant, 2004) : https://youtu.be/wO9UCV5APPA - 6:26
Recorded live at St. Peter's Lutheran Church, New York City, July 27, 1967
Released by Revenant Records from Disc Six-Tr.4 as the 10CD Box "Holy Ghost: Rare & Unissued Recordings (1962–70)", Revenant RVN 213, October 9, 2004
[ Personnel ]
Albert Ayler - tenor saxophone, Donald Ayler - trumpet, Richard Davis - bass, Milford Graves - percussion
Recorded live at Village Vanguard, December 18, 1966
Released by ABC/impulse! Records as the album "Albert Ayler in Greenwich Village", Impulse! AS9155, 1967
Also Reissued GRP/Impulse! Records as the 2CD album "Live in Greenwich Village: the Complete Impulse Recordings", Impulse! IMPD-2-273, 1998
[ Personnel ]
Albert Ayler - tenor saxophone, Donald Ayler - trumpet, Michel Sampson - violin, Bill Folwell - bass, Henry Grimes - bass, Beaver Harris - drums
この曲はアルバム中唯一アルバート・アイラー(1936-1970)の弟ドナルド・アイラー(1942-2007)の作曲クレジットのある楽曲ですが、アルバムB面でB1のアルバート・アイラー作「トゥルース・イズ・マーチング・イン」から続けてこのB2の「アワー・プレイヤー」を聴くと、この曲はアルバム全体のクロージング・ナンバーでもありますが、調性も同じならトランペットが奏でるテーマの音型も同じなので、「トゥルース・イズ~」のコーダというよりトランペットによる序曲のように聞こえる。つまりトランペットがリードする「アワー・プレイヤー」から「トゥルース・イズ~」と続けて聴く(B面2曲をくり返して聴くとそうなります)とトランペットを中心とした前奏部分である「アワー・プレイヤー」からアイラーのテナーがずいと前面に出てきてフリー・ジャズによるディキシーランド・ジャズ解釈のゴスペル「トゥルース・イズ~」で盛り上がるのが構成としては順当で、このB面2曲はあえてプレリュード的な「アワー・プレイヤー」を後にもってきたことで蛇の尻尾呑みのようにぐるぐると果てしなく回帰するような構成になっています。だからクレジットこそドナルド名義ですがそのセッティングをしたのは兄のアイラーなので兄アルバートの手のひらの上でドナルドが吹いたアドリブがこの曲なので、ジャズはアレンジと演奏性の音楽ですから、本質的には兄アルバートのオリジナルと言うべき曲でしょう。
またこの2曲は回帰しないでもシンプルなテーマから賑やかなフリー・ジャズ展開をして盛り上がりテーマに戻る「トゥルース・イズ~」のあとにメドレー的にトランペットが同じ調性、同じ音型でシンプルな余韻を響かせ、テナーやチェロ、2人のベーシストがテンポ・ルバートで自由に絡みあう「アワー・プレイヤー」は祭りのあとのような徐々に引いていくクール・ダウン効果をもたらすので、2曲を代わるがわるに聴いても2曲がメドレーの1曲としてもこの構成には不思議な魔力があります。アイラーはコルトレーンの葬儀の追悼演奏のメドレーで新曲「ラヴ・クライ」から「トゥルース・イズ・マーチング・イン」~「アワー・プレイヤー」の3曲メドレーで6分半の演奏を残しましたが、「ラヴ・クライ」はコルトレーンの急逝から生まれた曲で発掘音源がおおやけにされるまでアイラーのバンドが追悼演奏したのは「トゥルース・イズ・マーチング・イン」1曲と記録だけが伝えられていたので、アイラーとしても即興的なイントロのあとに「トゥルース・イズ~」が続き終結部にアレンジが「アワー・プレイヤー」になる(この2曲はアンサンブルのバランスが変化するだけで基本的には単一の曲です)、その即興的イントロ部分が単独楽曲になり、'67年8月にスタジオ録音される次のアルバム('68年2月の追加セッションと合わせて'68年発売)のタイトル曲「ラヴ・クライ」に発展したのでしょう。そうしたことがわかる点でもコルトレーンの葬儀の追悼演奏録音の発掘(教会の中の演奏ですから音質はえらいことになっていますが)は楽曲の性質や創作の背景を教えてくれる興味深く、またこれが実際に行われたセレモニー演奏かと思うと感動を禁じえません。
Albert Ayler Quartet - Love Cry/Truth Is Marching In/Our Prayer (Albert Ayler/Albert Ayler/Don Ayler) (Revenant, 2004) : https://youtu.be/wO9UCV5APPA - 6:26
Recorded live at St. Peter's Lutheran Church, New York City, July 27, 1967
Released by Revenant Records from Disc Six-Tr.4 as the 10CD Box "Holy Ghost: Rare & Unissued Recordings (1962–70)", Revenant RVN 213, October 9, 2004
[ Personnel ]
Albert Ayler - tenor saxophone, Donald Ayler - trumpet, Richard Davis - bass, Milford Graves - percussion