アルバート・アイラー Albert Ayler - チェンジ・ハズ・カム Change Has Come (Albert Ayler) (Impulse!, 1967) : https://youtu.be/xNoJtcLTWqI - 6:24
Recorded live at Village Theatre, February 26, 1967
Released by ABC/impulse! Records as the album "Albert Ayler in Greenwich Village", Impulse! AS9155, 1967
Also Reissued GRP/Impulse! Records as the 2CD album "Live in Greenwich Village: the Complete Impulse Recordings", Impulse! IMPD-2-273, 1998
[ Personnel ]
Albert Ayler - tenor saxophone, Donald Ayler - trumpet, Joel Friedman - cello, Alan Silva - bass, Bill Folwell - bass, Beaver Harris - drums
アルバート・アイラー(1936-1970)のインパルス!からの移籍第1弾アルバム『グリニッジ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』はLPではA面2曲、B面2曲でリリースされたライヴ収録の新作アルバムで、音楽性はESPディスクからリリースされた画期的アルバム『スピリチュアル・ユニティ』('64年録音)、ニューヨーク・アート・カルテットとの合体セッション作『ニューヨーク・アイ・アンド・イアー・コントロール』('64年録音)から『スピリチュアル・ユニティ』のトリオにドン・チェリーを加えたライヴ作『ゴースト』('64年録音)を経て、初めて弟のトランペット奏者ドナルド・アイラー(1942-2007)が加わったLPのA面のみのアルバム『ベルズ』('65年録音)と『スピリチュアル・ユニティ』の次作と言うべきフルアルバム『スピリット・リジョイス』('65年録音)で『グリニッジ・ヴィレッジの~』につながる音楽性になったと言えるので、'65年録音アルバムの発売が'66年になったことからインパルス!への移籍第1弾アルバムは'67年リリースになりました。発掘ライヴでは『グリニッジ・ヴィレッジ~』収録の新曲のライヴ演奏アレンジは'66年にはほぼ完成しており、アルバム『グリニッジ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』のA面2曲は'67年2月のヴィレッジ・シアター収録、B面2曲は'66年12月のヴィレッジ・ヴァンガード収録になっています。実際にライヴ収録されたのは'66年12月のヴィレッジ・ヴァンガードでは5曲、'67年2月のヴィレッジ・シアターでは8曲あり、インパルス!は未発表音源を'70年代に2枚組LP『Village Concerts』として発売していましたが、'98年になって本作と補遺編『Village Concerts』に分かれていた音源を実際もライヴ演奏記録通り2枚組CD『Live in Greenwich Village: the Complete Impulse Recordings』にまとめました。重宝なものですが、2回のライヴから2曲ずつをLPのA面B面に分けて発売した『グリニッジ・ヴィレッジ~』でエッセンスは尽きているように思います。
A面は「For John Coltrane」と今回の「チェンジ・ハズ・カム」、B面は「トゥルース・イズ・マーチング・イン」と「アワー・プレイヤー」となっていますが、インパルス!はコルトレーンが看板アーティストで監修者でもありましたので、アーチー・シェップのインパルス!での初アルバムはコルトレーンのオリジナル曲4曲を含む『Four For Trane』、シェップのバンドのメンバーから独立したマリオン・ブラウンのアルバムは『Three Four Shepp』とファミリー的な企画もインパルス!の売り方でしたから、コルトレーン生前の(もう健康状態は晩年でしたが、近親者にしか明かされていなかったようです)アルバムながら「For John Coltrane」が入っていても追悼盤になる意識はアイラーにはなかったでしょう。ちなみに同曲でだけアイラーはいつものテナーではなくアルトサックスを吹いていますが、言われてみてようやく気づく程度です。また同曲はドラムスを休ませたテンポ・ルバートのバラード演奏になっており、アルバムのオープニング曲としては異色の演奏で、明確なテーマを持たない即興的ラプソディーです。そしてA2の今回の曲「チェンジ・ハズ・カム」はアルバム4曲中唯一の短調のバラードで、アイラーのオリジナル曲にも短調の曲はほとんどありませんが、このアルバムで4曲中1曲短調のバラードが入ることでアルバム自体も引き締まり、楽曲もそれ単独でも良い曲ですがこのA2に続いてB1の「トゥルース・イズ・マーチング・イン」、またはA1に戻ってA面2曲をくり返し聴くとA1のテンポ・ルバートの即興的ラプソディー曲もぐっと良く聞こえる、とアルバム構成の上手さと曲の持ち味がかみ合ってなかなかの名曲に聞こえるのがメジャーのインパルス!らしいアルバム作りの上手さで、これもマイルスに学んだコルトレーンがインパルス!でのアルバムで実践してきたことでした。完全版『Live in Greenwich Village: the Complete Impulse Recordings』より抜粋選曲盤『グリニッジ・ヴィレッジ~』の方が聴き飽きのこない、完成度の高いアルバムで、アルバム全体でも1曲1曲でも集中できるのはこうしたアルバム構成の賜物です。
Recorded live at Village Theatre, February 26, 1967
Released by ABC/impulse! Records as the album "Albert Ayler in Greenwich Village", Impulse! AS9155, 1967
Also Reissued GRP/Impulse! Records as the 2CD album "Live in Greenwich Village: the Complete Impulse Recordings", Impulse! IMPD-2-273, 1998
[ Personnel ]
Albert Ayler - tenor saxophone, Donald Ayler - trumpet, Joel Friedman - cello, Alan Silva - bass, Bill Folwell - bass, Beaver Harris - drums
アルバート・アイラー(1936-1970)のインパルス!からの移籍第1弾アルバム『グリニッジ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』はLPではA面2曲、B面2曲でリリースされたライヴ収録の新作アルバムで、音楽性はESPディスクからリリースされた画期的アルバム『スピリチュアル・ユニティ』('64年録音)、ニューヨーク・アート・カルテットとの合体セッション作『ニューヨーク・アイ・アンド・イアー・コントロール』('64年録音)から『スピリチュアル・ユニティ』のトリオにドン・チェリーを加えたライヴ作『ゴースト』('64年録音)を経て、初めて弟のトランペット奏者ドナルド・アイラー(1942-2007)が加わったLPのA面のみのアルバム『ベルズ』('65年録音)と『スピリチュアル・ユニティ』の次作と言うべきフルアルバム『スピリット・リジョイス』('65年録音)で『グリニッジ・ヴィレッジの~』につながる音楽性になったと言えるので、'65年録音アルバムの発売が'66年になったことからインパルス!への移籍第1弾アルバムは'67年リリースになりました。発掘ライヴでは『グリニッジ・ヴィレッジ~』収録の新曲のライヴ演奏アレンジは'66年にはほぼ完成しており、アルバム『グリニッジ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』のA面2曲は'67年2月のヴィレッジ・シアター収録、B面2曲は'66年12月のヴィレッジ・ヴァンガード収録になっています。実際にライヴ収録されたのは'66年12月のヴィレッジ・ヴァンガードでは5曲、'67年2月のヴィレッジ・シアターでは8曲あり、インパルス!は未発表音源を'70年代に2枚組LP『Village Concerts』として発売していましたが、'98年になって本作と補遺編『Village Concerts』に分かれていた音源を実際もライヴ演奏記録通り2枚組CD『Live in Greenwich Village: the Complete Impulse Recordings』にまとめました。重宝なものですが、2回のライヴから2曲ずつをLPのA面B面に分けて発売した『グリニッジ・ヴィレッジ~』でエッセンスは尽きているように思います。
A面は「For John Coltrane」と今回の「チェンジ・ハズ・カム」、B面は「トゥルース・イズ・マーチング・イン」と「アワー・プレイヤー」となっていますが、インパルス!はコルトレーンが看板アーティストで監修者でもありましたので、アーチー・シェップのインパルス!での初アルバムはコルトレーンのオリジナル曲4曲を含む『Four For Trane』、シェップのバンドのメンバーから独立したマリオン・ブラウンのアルバムは『Three Four Shepp』とファミリー的な企画もインパルス!の売り方でしたから、コルトレーン生前の(もう健康状態は晩年でしたが、近親者にしか明かされていなかったようです)アルバムながら「For John Coltrane」が入っていても追悼盤になる意識はアイラーにはなかったでしょう。ちなみに同曲でだけアイラーはいつものテナーではなくアルトサックスを吹いていますが、言われてみてようやく気づく程度です。また同曲はドラムスを休ませたテンポ・ルバートのバラード演奏になっており、アルバムのオープニング曲としては異色の演奏で、明確なテーマを持たない即興的ラプソディーです。そしてA2の今回の曲「チェンジ・ハズ・カム」はアルバム4曲中唯一の短調のバラードで、アイラーのオリジナル曲にも短調の曲はほとんどありませんが、このアルバムで4曲中1曲短調のバラードが入ることでアルバム自体も引き締まり、楽曲もそれ単独でも良い曲ですがこのA2に続いてB1の「トゥルース・イズ・マーチング・イン」、またはA1に戻ってA面2曲をくり返し聴くとA1のテンポ・ルバートの即興的ラプソディー曲もぐっと良く聞こえる、とアルバム構成の上手さと曲の持ち味がかみ合ってなかなかの名曲に聞こえるのがメジャーのインパルス!らしいアルバム作りの上手さで、これもマイルスに学んだコルトレーンがインパルス!でのアルバムで実践してきたことでした。完全版『Live in Greenwich Village: the Complete Impulse Recordings』より抜粋選曲盤『グリニッジ・ヴィレッジ~』の方が聴き飽きのこない、完成度の高いアルバムで、アルバム全体でも1曲1曲でも集中できるのはこうしたアルバム構成の賜物です。