Recorded at the Star Musikproduktion studio, Hamburg, March 1971
Released by Metronome Records GmbH, Ohr OMM 56.013, 1971
All Composed and Performed by Ash Ra Tempel
(Seite 1)
A1. Amboss (Ash Ra Tempel) - 19:40
(Seite 2)
B1. Traummaschine (Ash Ra Tempel) - 25:24
[ Personnel ]
Manuel Gottsching - guitar, vocals, electronics
Hartmut Enke - bass
Klaus Schulze - drums, percussion, electronics
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(Original Ohr "Ash Ra Tempel" LP Liner Cover & Seite1/2 Label)
同じジミ・ヘンドリックス系ギター・サイケと言ってもタンジェリンのファーストとアシュ・ラ・テンペルのファーストでは大きな違いがあって、やはり'70年にデビュー作『UFO』を発表していたトリオ編成のグル・グルもいかれたジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのような音楽性でしたが、タンジェリンやグル・グルは'69年デビューのカン同様に30代のメンバーが始めたバンドで、ロックを始める前に現代音楽やジャズ界で活動してきたキャリアがあり、音楽的素養が豊富な分、音楽を突き放して構築する作業がカンやタンジェリン、グル・グルのロックを脱ロック的実験派ロックにしていました。それに対してゲッチングやエンケ、特にエンケはぶっ飛んだヒッピー気質で、この2人はアシュ・ラ・テンペルのファーストではまだ19歳だったこともあり、A面ではギター/ベース/ドラムスの即興ヘヴィ・ロックをとことんやる(1曲20分もやる)、B面ではピンク・フロイドの「A Soucerful of Secrets」のようなメディテーション・サイケをとことんやる(1曲26分もやる)、という具合で音楽的素養というのがロックしかない(しかも極端に浅くて、ジミ・ヘンドリックスとピンク・フロイドくらいしか知らない)、そういう産物がエンケ在籍時のアシュ・ラ・テンペルでした。日本盤初発売がCD時代の'92年とずっと見送られていたのもこうしたアルバム内容のためです。エンケは'73年を最後にバンドを脱退し、その後ゲッチングのソロ録音を経て「Ash Ra」名義で再スタートしたゲッチングは、シュルツェに学んだ音楽性からミュージシャンシップの高いバンドを再編成しますが、エンケ在籍時のアシュ・ラ・テンペルの乗りははまると病みつきになるもので、知的に実験的ロックだったタンジェリンのデビュー作にも、野蛮の極みみたいな実験派ロックのアシュ・ラ・テンペルのデビュー作にもどちらもつきあえたところに、一見頑固なイメージのシュルツェの意外な柔軟性がうかがえます。
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(Original Ohr "Ash Ra Tempel" LP Inner Gatefold Triptych Cover)