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Channel: 人生は野菜スープ(または毎晩午前0時更新の男)
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クラフトワーク Kraftwerk - 人間解体 The Man-Machine (Capitol, 1978)

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クラフトワーク Kraftwerk - 人間解体 The Man-Machine (Capitol, 1978) Full Album : https://youtu.be/jdtsIJPHGPI
Kraftwerk - Die Mensch-Maschine (Kling Klang, 1978) Full Album : https://www.youtube.com/playlist?list=PLACFDB030F3AD6F16
Recorded at Kling Klang Studio, Dusseldorf, Germany, 1976
Released by Capitol Records EST 11728, March 1977
Produced by Ralf Hutter & Florian Schneider
All Lyrics by Ralf Hutter except "The Model", lyrics by Hutter and Emil Schult., All Compositions by Ralf Hutter, Florian Schneider & Karl Bartos
(Side One)
A1. The Robots (Die Roboter) - 6:11
A2. Spacelab - 5:51
A3. Metropolis - 5:59
(Side Two)
B1. The Model (Das Model) - 3:38
B2. Neon Lights (Neonlicht) - 9:03
B3. The Man-Machine (Die Mensch-Maschine) - 5:28
[ Kraftwerk ]
Ralf Hutter - voice, vocoder, synthesizer, keyboard, Orchestron, Synthanorma Sequencer, electronics
Florian Schneider - vocoder, Votrax, synthesizer, electronics
Karl Bartos - synthesizer, electronic drums
Wolfgang Flur - electronic drums

(Original Capitol "The Man-Machine" LP Liner Cover & Side One/Two Label)

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 ドイツ語盤オリジナルは『Die Mensch-Maschine』の本作は前作の『ヨーロッパ特急 (Trans-Europe Express)』'77からさらに精度を高め音数を切り詰めたもので、代表曲A1、B1を聴いただけでもその洗練度には驚嘆します。前作にはまだ残っていた生楽器の音色は本作ではついにエフェクトを通したヴォイス、ヴォーカルにしか残っていません。楽曲構成の定倍数でのシークエンス化も徹底したもので、曲名やアルバム・ジャケット、メンバーの匿名的ファッション・コンセプトまで機械の音楽を演奏する機械人間グループというイメージを徹底しました。ヴィジュアル・イメージはナチス政権下のドイツの構成主義的なもので'70年代にあっては共産圏の全体主義社会体制を連想させるものですが、ジャケットのメンバーたちは西向きのポーズをとっています。そうした政治的暗喩も発表当時は話題になりました。また本作は電子パーカッションのカール・バルトスが初めてヒュッター&シュナイダーと同格に楽曲を共作し、リズムの精度が飛躍的に高まったのが高い完成度につながりました。
 日本盤LPの解説シートは伊藤政則氏が執筆しており、氏の評価はプログレッシヴ・ロックの究極型というクラフトワーク観からでした。それもあながち曲解ではないので、本作で非ロック的な電子音楽ポップスの頂点に達したクラフトワークをも含めた大きなプログレッシヴ・ロック観を前提とすればイギリスのロック・バンド然としたプログレッシヴ・ロックだけがプログレッシヴ・ロックではなく、ドイツの実験派ロック勢の中で本作のクラフトワークが究めたほどスタイルを突き詰めたグループはなく、同時代的にそうした動向を追ってきた氏にとってはアルバム『人間解体』は'70年前後の実験的なプログレッシヴ・ロックの数々の流派の中で'70年代終わり近くに突出した達成のひとつ、としたのも正統な評価と解するべきで、後のテクノポップ~テクノからさかのぼった評価ではない見方がそこにあります。しかし完成型というのは模倣の対象にしやすいことにもなるので、前作と本作でクラフトワークが示したスタイルはあっという間に多くのフォロワーを生むことになりました。それが次作『コンピューター・ワールド (Computer World)』'81までの3年の空白に反映されたのにスタイルの創始者であるクラフトワークの苦汁があります。

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