ジョン・コルトレーン・カルテット John Coltrane Quartet - 身も心も Body and Soul (Johnny Green with Ed Heyman, Robert Sauer & Frank Eyton) (rec.'60, from the album "Coltrane's Sound", Atlantic Records SD 1419, 1964) : https://youtu.be/62FQT9PXWM4 - 5:35
Recorded at Atlantic Studios, October 24, 1960
[ Personnel ]
John Coltrane (ts), McCoy Tyner (p), Steve Davis (b), Elvin Jones (ds)
この曲はコールマン・ホーキンスから始めなければ話になりませんが、実はジョン・コルトレーン版の「Body and Soul」をご紹介したくて長々やってきたようなものです。ジョン・コルトレーンは'60年10月21日、24日と26日の2回のセッション(1セッション3時間)でアトランティック・レコーズにアルバム3枚半を一気に録音しました。それが『Coltrane Jazz』'61、『My Favorite Things』'61、『Coltrane Plays The Blues』'62、「Body and Soul」を含む『Coltrane's Sound』'64の3枚で、『Coltrane Sound』の発売が遅れたのは'61年5月にアトランティックとの契約満了アルバムとして録音された『Ore Coltrane』が'61年末に先行発売されてリリース・ラッシュになっていたためであり、『Coltrane Sound』の発売はコルトレーンがインパルス・レコーズに移籍後8枚目の『Live at Birdland 』'64.4、9枚目の『Crescent』'64.7と同時期になりました。
スタジオ録音初演の「Body and Soul」は名演ですが、インパルス移籍後にベースにジミー・ギャリソンを迎えてさらにオーネット・コールマンとエリック・ドルフィーからの影響を吸収したコルトレーンは、ライヴでもますます壮絶な演奏をくり広げます。米ヴィー・ジェー・レコーズ原盤なのになぜか日本盤が世界に先がけて発売された次のラジオ放送音源のライヴ・アルバム(全4曲中3曲がドルフィー在籍時のクインテット、「Body and Soul」のみジョン・コルトレーンのワンホーン)で聴ける10分近い「Body and Soul」はコルトレーンの同曲最高の名演で、'60年のスタジオ録音をしのぐ、コルトレーンのキャリアでも屈指の演奏のひとつでしょう。ピアノのマッコイ・タイナー、ドラムスのエルヴィン・ジョーンズもバンド4人が神経接続されたような渾然一体となった超絶パフォーマンスが聴けます。この「Body and Soul」はまるでコルトレーン・カルテットに演奏されるために生まれてきたような、いっそオリジナル曲とすら言える質的な転換があり、コルトレーンは短いキャリアの中で奏法・作風の変遷もはげしかったのでこの時の「Body and Soul」に公式録音がないのが惜しまれます。
John Coltrane Quartet - Body and Soul (rec.'62, from the album "The Inner Man", Vee Jay Records UXP-88-JY, Sep.25.1977) : https://youtu.be/iRNYX7Num_o - 9:57
Recorded live at Birdland Club, New York City, June 2, 1962
[ Personnel ]
John Coltrane (ts), McCoy Tyner (p), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds)
インパルス移籍後のコルトレーンは年間10枚以上のスタジオ録音・ライヴ録音を憑かれたように収録していたので、生前は多くても年間3~4枚のリリースだったため'67年の急逝後に続々と未発表のスタジオ録音アルバム、ライヴ・アルバムが発掘発売されました。'71年発売の2枚組LP『Live In Seattle』はLP2枚組で全4曲80分の長尺演奏でしたが、'94年の新装2枚組CD化でさらに2曲・55分相当を追加し、LPでは収録漏れになっていた21分にも及ぶ「Body and Soul」が発掘されました。このライヴではカルテットにバス・クラリネットとベースを兼任するドナルド・ギャレット、元サン・ラ・アーケストラのピンチヒッター・テナー奏者だったファロア・サンダースが加わったセクステット(2ベース・アンサンブルを含む)で、サン・ラやアルバート・アイラーのニューヨーク進出でオーネットやドルフィー以来のフリー・ジャズへの傾倒を深めていたコルトレーンにとって決定的な転機となりました。サンダースとやはりフリー・ジャズ出身ドラマーのラシッド・アリを加えた2テナー・2ドラムス・セクステットでのスタジオ録音アルバム『Meditation』('65年11月録音)を最後に6年来のメンバーだったマッコイとエルヴィンがフリー・ジャズ路線を嫌って脱退し、バンドはピアノにコルトレーン夫人のアリス・コルトレーンを迎えてコルトレーン、ファロア、アリス、ギャリソン、アリのクインテットでコルトレーンが末期癌で倒れるまでの最後の1年の活動に入ります。『Live In Seattle』もすでに余命1年10か月の演奏です。定型ビートを廃した、フリー・ジャズ化したコルトレーンの「Body and Soul」のライヴ演奏は'60年スタジオ版、'62年ライヴ版のどちらともまったく変わった、しかしまぎれもなく同じテナー奏者による音色の聴ける真摯な演奏です。それ以上のことが何を言えましょうか。
John Coltrane Sextet - Body and Soul (rec.'62, from the album "Live In Seattle", Impulse! GRD-2-146, 1994, 2CD)1: https://youtu.be/b_dL3EaJJNA 2: https://youtu.be/sMegGKxyuCg - 21:03
Recorded live at The Penthouse, Seattle, WA, September 30, 1965
Originally Released Impulse! AS-9202-2, 1971, 2LP
[ Personnel ]
John Coltrane (ts), Pharoah Sanders (ts), Donald Garrett (bcl, b), McCoy Tyner (p), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds)
Recorded at Atlantic Studios, October 24, 1960
[ Personnel ]
John Coltrane (ts), McCoy Tyner (p), Steve Davis (b), Elvin Jones (ds)
この曲はコールマン・ホーキンスから始めなければ話になりませんが、実はジョン・コルトレーン版の「Body and Soul」をご紹介したくて長々やってきたようなものです。ジョン・コルトレーンは'60年10月21日、24日と26日の2回のセッション(1セッション3時間)でアトランティック・レコーズにアルバム3枚半を一気に録音しました。それが『Coltrane Jazz』'61、『My Favorite Things』'61、『Coltrane Plays The Blues』'62、「Body and Soul」を含む『Coltrane's Sound』'64の3枚で、『Coltrane Sound』の発売が遅れたのは'61年5月にアトランティックとの契約満了アルバムとして録音された『Ore Coltrane』が'61年末に先行発売されてリリース・ラッシュになっていたためであり、『Coltrane Sound』の発売はコルトレーンがインパルス・レコーズに移籍後8枚目の『Live at Birdland 』'64.4、9枚目の『Crescent』'64.7と同時期になりました。
スタジオ録音初演の「Body and Soul」は名演ですが、インパルス移籍後にベースにジミー・ギャリソンを迎えてさらにオーネット・コールマンとエリック・ドルフィーからの影響を吸収したコルトレーンは、ライヴでもますます壮絶な演奏をくり広げます。米ヴィー・ジェー・レコーズ原盤なのになぜか日本盤が世界に先がけて発売された次のラジオ放送音源のライヴ・アルバム(全4曲中3曲がドルフィー在籍時のクインテット、「Body and Soul」のみジョン・コルトレーンのワンホーン)で聴ける10分近い「Body and Soul」はコルトレーンの同曲最高の名演で、'60年のスタジオ録音をしのぐ、コルトレーンのキャリアでも屈指の演奏のひとつでしょう。ピアノのマッコイ・タイナー、ドラムスのエルヴィン・ジョーンズもバンド4人が神経接続されたような渾然一体となった超絶パフォーマンスが聴けます。この「Body and Soul」はまるでコルトレーン・カルテットに演奏されるために生まれてきたような、いっそオリジナル曲とすら言える質的な転換があり、コルトレーンは短いキャリアの中で奏法・作風の変遷もはげしかったのでこの時の「Body and Soul」に公式録音がないのが惜しまれます。
John Coltrane Quartet - Body and Soul (rec.'62, from the album "The Inner Man", Vee Jay Records UXP-88-JY, Sep.25.1977) : https://youtu.be/iRNYX7Num_o - 9:57
Recorded live at Birdland Club, New York City, June 2, 1962
[ Personnel ]
John Coltrane (ts), McCoy Tyner (p), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds)
インパルス移籍後のコルトレーンは年間10枚以上のスタジオ録音・ライヴ録音を憑かれたように収録していたので、生前は多くても年間3~4枚のリリースだったため'67年の急逝後に続々と未発表のスタジオ録音アルバム、ライヴ・アルバムが発掘発売されました。'71年発売の2枚組LP『Live In Seattle』はLP2枚組で全4曲80分の長尺演奏でしたが、'94年の新装2枚組CD化でさらに2曲・55分相当を追加し、LPでは収録漏れになっていた21分にも及ぶ「Body and Soul」が発掘されました。このライヴではカルテットにバス・クラリネットとベースを兼任するドナルド・ギャレット、元サン・ラ・アーケストラのピンチヒッター・テナー奏者だったファロア・サンダースが加わったセクステット(2ベース・アンサンブルを含む)で、サン・ラやアルバート・アイラーのニューヨーク進出でオーネットやドルフィー以来のフリー・ジャズへの傾倒を深めていたコルトレーンにとって決定的な転機となりました。サンダースとやはりフリー・ジャズ出身ドラマーのラシッド・アリを加えた2テナー・2ドラムス・セクステットでのスタジオ録音アルバム『Meditation』('65年11月録音)を最後に6年来のメンバーだったマッコイとエルヴィンがフリー・ジャズ路線を嫌って脱退し、バンドはピアノにコルトレーン夫人のアリス・コルトレーンを迎えてコルトレーン、ファロア、アリス、ギャリソン、アリのクインテットでコルトレーンが末期癌で倒れるまでの最後の1年の活動に入ります。『Live In Seattle』もすでに余命1年10か月の演奏です。定型ビートを廃した、フリー・ジャズ化したコルトレーンの「Body and Soul」のライヴ演奏は'60年スタジオ版、'62年ライヴ版のどちらともまったく変わった、しかしまぎれもなく同じテナー奏者による音色の聴ける真摯な演奏です。それ以上のことが何を言えましょうか。
John Coltrane Sextet - Body and Soul (rec.'62, from the album "Live In Seattle", Impulse! GRD-2-146, 1994, 2CD)1: https://youtu.be/b_dL3EaJJNA 2: https://youtu.be/sMegGKxyuCg - 21:03
Recorded live at The Penthouse, Seattle, WA, September 30, 1965
Originally Released Impulse! AS-9202-2, 1971, 2LP
[ Personnel ]
John Coltrane (ts), Pharoah Sanders (ts), Donald Garrett (bcl, b), McCoy Tyner (p), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds)