アート・ペッパー・カルテット Art Pepper Quartet - 恋とは何でしょう What Is This Thing Called Love? (Cole Porter) (from the album "Modern Art", Intro Records ILP-606, 1957) : https://youtu.be/B2NBLxFkDas - 6:00
Recorded at Radio Recorder in Los Angeles, California, December 28, 1956
[ Art Pepper Quartet ]
Art Pepper (as), Russ Freeman (p), Ben Tucker (b), Chuck Flores (ds)
この曲はジャズの器楽演奏をする人なら練習曲の上位に来る必修曲でしょう。ペダル・ポイントが一貫して続くのにモロッコ歌曲からヒントを得たというなかなか解決しないメロディーとコード進行に妖しげなムードがあって、愛の不思議を嘆く歌の曲想としてはこれほどミステリアスなものはない名曲です。アート・ペッパーは反チャーリー・パーカー派の白人アルトサックス奏者の筆頭格のような天才肌のジャズマンでしたが、確かにきっちりとフレーズを決めていくパーカーとは対極にある思いつきのままの演奏はペッパーならではの妖気とぎりぎりの切迫感に満ちています。
この曲'29年のミュージカル『Wake Up And Dream』挿入歌で20世紀前半アメリカ屈指のポップス作曲家コール・ポーター(1892-1964)の出世作になり、ポピュラー歌曲として親しまれてきましたが、'39年にアーティ・ショウ楽団がビッグバンド・ジャズ化してヒット、さらにショウ楽団は新人歌手メル・トーメを起用してバップ色を加えた再演で'46年にヴォーカル版ヒットも放ちました。それを思うとビリー・ホリデイのヴァージョンはジャズ・ヴォーカルでは早い時期だったのがわかります。
Billie Holiday with Bob Haggard and His Orchestra - What Is This Thing Called Love? (from the album "The Lady Sings", Decca Records DL 8215, 1956) : https://youtu.be/PvyZ3X0LmJo - 3:04
Recorded in New York City, August 14, 1945
[ Personnel ]
Billie Holiday (vo), Bob Haggard (arr, b, conduct), Bob Haggard Nonet & 6 Strings
チャーリー・パーカーもこの曲はディジー・ガレスピーと組んでいた'40年代前半からレパートリーにしていました。公式録音されたヴァージョンでは'50年にストリングス・オーケストラをバックにしたライヴ・ヴァージョン、'52年にフル編成のビッグバンドをバックにしたスタジオ・ヴァージョンがあります。
Charlie Parker with Joe Lippeman Orchestra - What Is This Thing Called Love? (from the album "The Genius Of Charlie Parker #1 - Night And Day", Clef Records MGC 5003, 1956) : https://youtu.be/LTvaYLIo-PU - 2:36
Recorded at Reeves Sound Studios, First Ave. & East 44th St, New York City, March 25, 1952
[ Personnel ]
Charlie Parker (as), Joe Lippeman (arr, conduct) with 16 Pieces Big Band
パーカーが'55年3月に急逝した頃には黒人ジャズの主流はビ・バップからハード・バップに進み、その最先鋒がガレスピーのバンドから出てセロニアス・モンクやマイルス・デイヴィスと組んできたアート・ブレイキーの立ち上げたジャズ・メッセンジャーズ、パーカーのバンドから出たマイルスのクインテット、さらにマイルスと同期にパーカーのバンドに在籍し、バド・パウエルやモンクのレギュラー・メンバーでもあったマックス・ローチが転載新人トランペット奏者クリフォード・ブラウンと組んだブラウン&ローチ・クインテットでした。バンドは2年間の活動で10枚あまりのアルバム録音を残しますが、後期メンバーにバド・パウエル~マイルスのバンドを歴任してきたソニー・ロリンズをテナーに迎えたアルバムの後間もなく、ツアーの移動中に自動車事故でブラウンとピアノでバド・パウエルの実弟リッチー・パウエルを失ってしまいます。ブラウンは享年25歳、リッチーはまだ24歳でした。ブラウン急逝の4か月前の名演と名高いのがアルバムでも冒頭に置かれたこのヴァージョンです。
Clifford Brown and Max Roach Quintet - What Is This Thing Called Love? (from the album "Clifford Brown and Max Roach At Basin Street", EmArcy Records MG 36070, 1956) : https://youtu.be/rSjx3KEI_fM - 7:32
Recorded at Capitol Studio, New York City, February 16, 1956
[ Clifford Brown and Max Roach Quintet ]
Clifford Brown (tp), Max Roach (ds), Sonny Rollins (ts), Richie Powell (p), George Morrow (b)
Recorded at Radio Recorder in Los Angeles, California, December 28, 1956
[ Art Pepper Quartet ]
Art Pepper (as), Russ Freeman (p), Ben Tucker (b), Chuck Flores (ds)
この曲はジャズの器楽演奏をする人なら練習曲の上位に来る必修曲でしょう。ペダル・ポイントが一貫して続くのにモロッコ歌曲からヒントを得たというなかなか解決しないメロディーとコード進行に妖しげなムードがあって、愛の不思議を嘆く歌の曲想としてはこれほどミステリアスなものはない名曲です。アート・ペッパーは反チャーリー・パーカー派の白人アルトサックス奏者の筆頭格のような天才肌のジャズマンでしたが、確かにきっちりとフレーズを決めていくパーカーとは対極にある思いつきのままの演奏はペッパーならではの妖気とぎりぎりの切迫感に満ちています。
この曲'29年のミュージカル『Wake Up And Dream』挿入歌で20世紀前半アメリカ屈指のポップス作曲家コール・ポーター(1892-1964)の出世作になり、ポピュラー歌曲として親しまれてきましたが、'39年にアーティ・ショウ楽団がビッグバンド・ジャズ化してヒット、さらにショウ楽団は新人歌手メル・トーメを起用してバップ色を加えた再演で'46年にヴォーカル版ヒットも放ちました。それを思うとビリー・ホリデイのヴァージョンはジャズ・ヴォーカルでは早い時期だったのがわかります。
Billie Holiday with Bob Haggard and His Orchestra - What Is This Thing Called Love? (from the album "The Lady Sings", Decca Records DL 8215, 1956) : https://youtu.be/PvyZ3X0LmJo - 3:04
Recorded in New York City, August 14, 1945
[ Personnel ]
Billie Holiday (vo), Bob Haggard (arr, b, conduct), Bob Haggard Nonet & 6 Strings
チャーリー・パーカーもこの曲はディジー・ガレスピーと組んでいた'40年代前半からレパートリーにしていました。公式録音されたヴァージョンでは'50年にストリングス・オーケストラをバックにしたライヴ・ヴァージョン、'52年にフル編成のビッグバンドをバックにしたスタジオ・ヴァージョンがあります。
Charlie Parker with Joe Lippeman Orchestra - What Is This Thing Called Love? (from the album "The Genius Of Charlie Parker #1 - Night And Day", Clef Records MGC 5003, 1956) : https://youtu.be/LTvaYLIo-PU - 2:36
Recorded at Reeves Sound Studios, First Ave. & East 44th St, New York City, March 25, 1952
[ Personnel ]
Charlie Parker (as), Joe Lippeman (arr, conduct) with 16 Pieces Big Band
パーカーが'55年3月に急逝した頃には黒人ジャズの主流はビ・バップからハード・バップに進み、その最先鋒がガレスピーのバンドから出てセロニアス・モンクやマイルス・デイヴィスと組んできたアート・ブレイキーの立ち上げたジャズ・メッセンジャーズ、パーカーのバンドから出たマイルスのクインテット、さらにマイルスと同期にパーカーのバンドに在籍し、バド・パウエルやモンクのレギュラー・メンバーでもあったマックス・ローチが転載新人トランペット奏者クリフォード・ブラウンと組んだブラウン&ローチ・クインテットでした。バンドは2年間の活動で10枚あまりのアルバム録音を残しますが、後期メンバーにバド・パウエル~マイルスのバンドを歴任してきたソニー・ロリンズをテナーに迎えたアルバムの後間もなく、ツアーの移動中に自動車事故でブラウンとピアノでバド・パウエルの実弟リッチー・パウエルを失ってしまいます。ブラウンは享年25歳、リッチーはまだ24歳でした。ブラウン急逝の4か月前の名演と名高いのがアルバムでも冒頭に置かれたこのヴァージョンです。
Clifford Brown and Max Roach Quintet - What Is This Thing Called Love? (from the album "Clifford Brown and Max Roach At Basin Street", EmArcy Records MG 36070, 1956) : https://youtu.be/rSjx3KEI_fM - 7:32
Recorded at Capitol Studio, New York City, February 16, 1956
[ Clifford Brown and Max Roach Quintet ]
Clifford Brown (tp), Max Roach (ds), Sonny Rollins (ts), Richie Powell (p), George Morrow (b)