Recorded Live at School of African and Oriental studies, London, UK, November 5, 1971
Released by Captain Trip Records JP, CTCD350, August 2001 from 4CD Box Set "Final V.U. 1971-1973"
(Tracklist)
1. Chapel of Love (Barry, Greenwich, Spector) - 1:35
2. I'm Waiting for the Man - 5:53
3. Spare Change (Alexander) - 3:50
4. Some Kinda Love/Turn On Your Love Light (Reed/Malone, Scott) - 12:46
5. White Light/White Heat - 5:49
6. Pretty Tree Climber (Alexander) - 5:32
7. Rock and Roll - 4:42
8. Back on the Farm (Alexander) - 6:48
9. Dopey Joe (Yule) - 3:02
10. Sister Ray/Never Going Back to Georgia (Reed, Cale, Morrison, Tucker/Alexander) - 13:15
11. After Hours - 3:27
[ V.U. aka The Velvet Underground ]
Doug Yule - vocals, guitar
Willie Alexander - keyboards, vocals
Walter Powers - bass guitar, backing vocals
Maureen Tucker - drums, lead vocal on 11
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(Original Captain Trip 4CD "Final V.U. 1971-1973" Disc 1 Liner Cover & CD Label)
ルー・リードが1970年8月に脱退し9月にリード在籍時最後のアルバム『Loaded』がリリースされると、マネジメントはバンドにアルバムのプロモーション・ツアーを命じました。バンドにはオリジナル・メンバーのスターリング・モリソン(ギター)、産休から復帰したモーリン・タッカー(ドラムス)、サード・アルバムからの後期メンバーのダグ・ユール(ベース、ヴォーカル)が残っており、リード・ヴォーカルを取れるのはユールしかいないのでユールはベースからギターに周り、昔のバンド仲間のウォルター・パワーズをベースに迎えてプロモーション・ツアーをこなします。この時期のライヴ音源は残っていないようです。スターリング・モリソンは1971年前半までに教職資格取得のためバンドを脱退し、1971年10月からのツアーはモリソンの後任にやはりユールの昔のバンド仲間のウイリー・アレキサンダーをキーボードに迎えた編成で行われました。『ファイナルV.U. 1971-1973』に収められている4枚・4回のライヴ音源のうち1971年11月5日のロンドン(ディスク1)、同月19日のアムステルダム(ディスク2)はこのメンバーです。ヨーロッパ・ツアー中、1972年3月にダグ・ユール以外のメンバー不参加で現地のセッション・ミュージシャンをバックに制作されたロンドン録音のアルバム『Squeeze』が発売されると、マネジメントはユール以外のメンバーを帰国させてユール+イギリス人メンバー3人で7回のイギリス国内のプロモーション・ツアーを履行させます。ツアー最後の1972年12月6日のウェールズ公演がボックスのディスク3に収められており、事実上ヴェルヴェットは空中分解した形になりました。アメリカ帰国後のダグ・ユールはモーリン・タッカー産休中にドラムスを勤めた経験のある弟ビル・ユールをドラムスに、またまた昔のバンド仲間の新メンバーをギターとベースに迎えてバンドを再編しますが、マネジメントからヴェルヴェット名義のライヴ活動を依頼されて引き受けてしまいます。ディスク4の1973年5月27日のマサチューセッツ公演がそれで、このディスク4にはディスク2のアムステルダム公演からラジオ放送されたエア・チェック録音4曲がオマケについています。1974年のリード在籍時の発掘ライヴ・アルバム『1969』の発売によってヴェルヴェットは正式に解散を確認されることになるのですが、それと共にヴェルヴェット=ルー・リードのワンマン・バンド、というイメージも定着してしまったのがユールの不運でした。このライヴ・ボックスの主役はヴェルヴェットのファンからは良く思われていないダグ・ユールですし、元メンバーを含むトリビュート・バンドに過ぎないとも言えますが、こうして聴くとギターに転向したユールのプレイもルー・リードほど奔放ではありませんが聴き所があり、少なくともモーリン・タッカー在籍中の1971年のライヴは1993年のオリジナル・メンバーの再結成ヴェルヴェットよりヴェルヴェットらしい演奏になっています。ユールの声域に合わせてキーを高くしているのが軽い印象を与えて損をしていますが、ユールが全曲を書いたアルバム『Squeeze』からの曲が増える1972年、1973年のライヴではそれなりにユールの新バンドとしての格好がついてきます。今回を始めとして(途中にスタジオ盤『Squeeze』を含み)『Final V.U. 1971-1973』収録のライヴは全編がご紹介できるので、次回も引き続いて同ボックスからお送りしたいと思います。