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ラヴィン・スプーンフル The Lovin' Spoonful - 革命 Revelation: Revolution '69 (Kama Sutra, 1968)

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ラヴィン・スプーンフル The Lovin' Spoonful Featuring Joe Butler - 革命 Revelation: Revolution '69 (Kama Sutra, 1968) Full Album
Recorded in 1968, NYC & L.A.
Released by Kama Sutra Records Kama Sutra KLPS-8073, November 1968
Produced by Bob Finiz (with "special assistance" from Joe Butler) &"Never Going Back" produced by Chip Douglas
(Side One)
A1. アメイジング・エア(響愕の空) Amazing Air (Gerry Bonner, Alan Gordon) : https://youtu.be/a9DeEJsCay8 - 2:50
A2. ネヴァー・ゴーイング・バック(前進あるのみ) Never Going Back (John Stewart) : https://youtu.be/dhSSc5EvNv0 - 2:48 / US#73(Billboard)
A3. プロフェット(予言者) The Prophet (Finiz, J.Butler) : https://youtu.be/N38uKwZ1m94 - 2:45
A4. オンリー・イエスタデイ(昨日) Only Yesterday (Ralph Dino, John Sembello) : https://youtu.be/JgXe-cfnPW8 - 2:43
*A5. ウォー・ゲームズ(戦争ごっこ) War Games (J.Butler) : https://youtu.be/nE86UINrJS4 - 7:02
(Side Two)
B1. ティル・アイ・ラン・ウィズ・ユー(君と進もう) (Till I) Run With You (G.Gordon, A.Bonner) : https://youtu.be/esXU4suDibQ - 2:52
*B2. ジャグ・オブ・ワイン(ジョッキ一杯のワイン) Jug of Wine (R.Dino, J.Sembello) : https://youtu.be/4XngCsKxcv0 - 2:31
B3. リヴェレーション : リヴォリューション(黙示 ; 革命'69) Revelation: Revolution '69 (J.Butler, Finiz) : https://youtu.be/qAlba0FjhzA - 2:29
B4. ミー・アバウト・ユー(君なしの僕に) Me About You (A.Bonner, G.Gordon) : https://youtu.be/3hbuTzkYVM8 - 3:48 / US#91(Billboard)
B5. ワーズ(真実のしるし) Words (R.Dino, J.Sembello) : https://youtu.be/oCOT5vhfOAQ - 2:18
[ The Lovin' Spoonful Featuring Joe Butler ]
Joe Butler - drums, lead and backing vocals
Steve Boone - bass
Jerry Yester - guitar, backing and lead vocals, keyboards
with
Richard Rome - keyboards, orchestral arrangement, orchestra conduct

 リーダーのジョン・セバスチャンが6月に脱退後、残ったメンバーたちの手によって制作され早くも1968年11月に発売されたラヴィン・スプーンフル・フィーチャリング・ジョー・バトラー名義のアルバム。シングル2曲がかろうじてチャート100位内に入りましたがアルバムはチャート入りできませんでした。実質的にスプーンフルが解散状態なのは知れ渡っていたでしょうからファンの興味が薄れないうちに1968年内にはリリースしたかったのでしょう。こう書くといかにも急拵えの企画アルバムのように聞こえますが、実はなかなか聴きごたえがあるからあなどれません。ザル・ヤノフスキーの後任ギタリスト、ジェリー・イェスターが人脈から招集をかけたのでしょう。まずセバスチャンが抜けたことでオリジナル曲が不足したことから、本作は外部ソングライターに助力を仰いで制作されることになりました。他力本願というよりも積極的なプロジェクトであったことが人選からもうかがえるのです。
 本作は元マジシャンズでタートルズのソングライター・チームのゲイリー・ボナーとアラン・ゴードン、リーバー&ストーラー門下生でボナー&ゴードンの仲間のラルフ・ディノとジョン・センベロ(マイケル・センベロの兄)の2組のソングライター・チームでバトラーの自作曲だけでは足りない書き下ろし楽曲を集め、シングル2曲は大ヒットはしませんでしたがA2「Never Going Back」、B4「Me About You」、またシングル曲ではありませんがB1「(Till I) Run With You」、B2「Jug of Wine」も'90年代までにも複数アーティストにカヴァーされる人気曲になりました。これはボナー&ゴードン、ディノ&センベロが楽曲出版社に広くカヴァー版権の登録をしていたからですが、それだけ良い曲がこのアルバムのために集まったということです。また、おそらくキーボードとオーケストラ・アレンジを委託されたリチャード・ロームが集めたのでしょう、たぶん演奏の大半がスプーンフルの残留メンバーではなく腕利きのスタジオ・ミュージシャンです。洗練されたポップでスマートなサウンドは明らかにスプーンフルのメンバーによるものではありません。

(Original Kama Sutra "Revelation: Revolution '69" LP Liner Cover & Side One Label)

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 本作にも全曲のリンクを引きましたが、*をつけた2曲は再生にハードウェアや地域制限がかかっているようです。A5「War Games」は戦場の様子を描いたサウンド・コラージュ曲、B2「Jug of Wine」はディノ&センベロ作品ですがゲイリー・ボナーがカヴァー・ヴァージョンをリリースしており本作の2組のソングライター・チームの親しさがうかがえます。こうしてみると本作は消化試合的アルバムどころか良いスタッフに恵まれた好作と思え、ラヴィン・スプーンフルは1991年にバトラー(ヴォーカルに専念)、ブーン、イェスターにドラマー、キーボード奏者のサポート・メンバーを加えた編成でライヴ活動を再開、1999年にはライヴ・アルバム『Live at the Hotel Seville』をインディー・レーベルからリリースし、2000年にはロックの殿堂入りを果たしてセバスチャン、ザル・ヤノフスキーを含むオリジナル・メンバー4人が授賞式で2曲を披露しました。
 2002年にザル・ヤノフスキーが逝去しジョン・セバスチャンは今後一切スプーンフルへの復帰は行わないと声明しましたが、バトラー、ブーン、イェスターの3人は現在もサポート・メンバーを加えてラヴィン・スプーンフル名義でライヴ活動を続けています。ジョン・セバスチャン抜きで本作を作っただけのことはあったのです。むしろ本作を残したゆえに法的根拠のある名義継承権を得てセバスチャン抜きのラヴィン・スプーンフル名義の活動が可能になったというべきでしょう。逆にジョン・セバスチャンがバトラー、ブーン、イェスターの3人抜きで別メンバーによるラヴィン・スプーンフルを名乗っては活動することはできないわけで、スプーンフルのバンド史を思えば本作の意外な重要性に気づかずにはいられません。

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