『ベッスリアの女王(アッシリアの遠征)』 Judith of Bethulia (1914、長編第1作)
*『国民の創生』The Birth of a Nation (1915)
*『イントレランス』Intolerance: Love's Struggle Throughout the Ages (1916)
*『世界の心』Hearts of the World (1918)
『偉大なる愛』The Great Love (1918, 散佚作品 Lost Film)
『人類の春』The Greatest Thing in Life (1918, Lost Film)
*『幸福の谷』A Romance of Happy Valley (1919)
*『勇士の血』The Girl Who Stayed at Home (1919)
*『散り行く花』Broken Blossoms (1919)
*『スージーの真心』True Heart Susie (1919)
*『悪魔絶滅の日』Scarlet Days (1919)
*『大疑問』The Greatest Question (1919)
『渇仰の舞姫』The Idol Dancer (1920)
*『愛の花』The Love Flower (1920)
*『東への道』Way Down East (1920)
*『夢の街』Dream Street (1921)
--がありました。*印の作品は以前にご紹介したものです。アメリカ映画の長編化は1913年から始まりましたが、歴史小説の映画化で3時間を超える『国民の創生』は当時のアメリカ映画で最長かつ最大のヒット作になりました。次作『イントレランス』は『国民の創生』の収益のすべてを注ぎ込んだグリフィス原案のオリジナル・シナリオ作品で『国民の創生』を超える長さに4つの時代の悲劇が同時進行する野心作でしたが、構成の実験性が不評を買った上にヒットしたにもかかわらず大予算の回収にはとうていおよばず大赤字になってしまいます。イギリスに招かれ第一次世界大戦のプロパガンダ映画三部作(1918年)を撮るものの3作中『世界の心』しかフィルムが現存していないようにこれらも不評でしたが、帰国後の1919年には赤字補填のため小品メロドラマ6作(『幸福の谷』~『大疑問』)を監督して再び第一線に返り咲きます。この1919年の小品6作をグリフィス作品中もっとも優れたものとする評価もあります。1920年度作品3作中『渇仰の舞姫』は未見ですが『愛の花』はまあまあの小品、『東への道』はメロドラマの名作となりました。翌1921年の『夢の街』は1919年度の名作『散り行く花』の路線で19世紀末ロンドンを舞台にしたサスペンス風メロドラマですがこれは失敗作になり、同じ1921年には久しぶりの歴史ドラマ大作『嵐の孤児』が公開されます。以下、監督最終作までの長編をリストにすると、
*『嵐の孤児』Orphans of the Storm (1921)
*『恐怖の一夜』One Exciting Night (1922)
*『ホワイト・ローズ』The White Rose (1923)
*『アメリカ』America (1924)
『素晴らしい哉人生』Isn't Life Wonderful (1924)
*『曲馬団のサリー』Sally of the Sawdust (1925)
『竜巻』That Royle Girl (1925, Lost Film)
『サタンの嘆き』The Sorrows of Satan (1926)
「トプシーとエヴァ」Topsy and Eva (1927、日本未公開) (匿名作品 uncredited)
「愛の太鼓」Drums of Love (1928、日本未公開)
『男女の戦』The Battle of the Sexes (1928)
『心の歌』Lady of the Pavements (1929)
*『世界の英雄』Abraham Lincoln (1930、トーキー第1作)
「苦悶」The Struggle (1931、トーキー/監督最終作、日本未公開)
--になります。1925年になっても 『竜巻』のように散佚作品になったり匿名作品を製作したり日本未公開作品になったりと後期グリフィスを取り巻く環境は厳しく、 「苦悶」の後には監督起用の依頼もなくなり失意のうち1948年に亡くなりました。業績の偉大さに反してあまりに全盛期が短く、不遇な晩年を送った映画監督でした。今回はこれら後期グリフィス作品から*印の作品を観てみました。
3月26日(水)
『嵐の孤児』(アメリカ'21)*150mins, B/W, Silent with Sound
3月27日(木)
『恐怖の一夜』('22)*108mins, B/W, Silent with Sound
(以下次回)