この「超高画質名作映画シリーズ」は台湾のメーカーの製品のようで通販価格999円の廉価版は嬉しく、ラインナップは魅力があるパプリック・ドメイン・クラシックが揃っており、字幕の訳もなかなかこなれています。私はサイレント5作『ロイドの要心無用』『キートンの西部成金』『キートンのカメラマン』『裁かるるジャンヌ』『カメラを持った男』、30~40年代作品では『新学期・操行ゼロ』『ぼくの伯父さんの休暇』を購入しました。DVDケースは安物のペコペコですが、トーキー作品の『操行ゼロ』『ぼくの伯父さん~』は問題ありません。ですがサイレント作品は痛し痒しです。まず驚いた事に、この5作は音楽が全部共通です。シーンの切り替えも関係なく無神経に、昔のファミコンみたいな音楽が延々と流れています。コメディやドキュメンタリーの『カメラを持った男』はともかく『裁かるるジャンヌ』など最悪です。購入するなら音楽は消して鑑賞する前提しかありません。絶対に親しい方へのプレゼントにはできません。
●サイレント作品のレストア原盤に既成ソフトからの転用の疑問があるのと同様、ジャン・ヴィゴ、ジャック・タチ作品もともに近年のレストア版からの転用が疑われます。
以上の作品が廉価版で入手できるのは嬉しいことですが、この廉価版で初めてご覧になるのはお勧めできません。このシリーズでプレミア価格がついていたらまたの入荷を待つか、多少プレミアでも正規盤の中古、または正規リリースの輸入盤をお勧めします。サイレント作品は高校英語程度で英語字幕が読めますし、再生環境があればレストア輸入盤の画質は国内正規盤より良好です。パッケージやチャプター画面からも本シリーズは欧米盤レストア版ソフトを原盤に使用していると推測されます。内容を割り切って正価ならともかく、本シリーズは6900円(!)ものプレミア価格で悪質な大量購入転売業者から購入するほどの価値はありません。
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