Side A Recorded at Variety Studios, NYC, September 1974 or Studio/Rehearsal Recording 1967/1968.
Side B Recorded Live at Temple University, Philadelphia, September 20, 1974 or exept B3 Studio/Rehearsal Recording 1968.
Released by El Saturn Records Saturn 92074, 1974 / also released as "Temple U" 1974, reissued as "Cosmo-Earth Fantasy" 1977.
All composed and arranged by Sun Ra.
(Side A)
1. Cosmo-Earth Fantasy - 20:59
(Side B)
1. Love Is for Always - 6:48
2. The Song of Drums - 6:04
3. The World of Africa - 3:00
[ The Sun Ra Arkestra ]
Sun Ra - piano, Mini-Moog synthesizers, keyboards (clavinet, rocksichord)
Marshall Allen - alto saxophone, flute, oboe
John Gilmore - tenor saxophone, percussion
Eloe Omoe - bass clarinet
unknown - b
prob. Tommy Hunter - drums
prob. Atakatune - conga
prob. Odun - conga
prob. Eddie Thomas and other unidentified singer on B2
June Tyson and Cheryl Banks - vocal on B3
(Original El Saturn Alternate "Temple U" LP Handcrafted Front Cover)
74年に矢継早に新設サターン・レーベルからライヴ・アルバムをリリースしたのは、マネジメントに託してあるシカゴ本社の元々のサターン・レーベルよりも、今ではニューヨークを本拠地にアメリカ東部での活動が主なアーケストラにとってバンド自身がレーベル管理をする方が資金繰りをしやすいことからフィラデルフィアで新設サターン・レーベルを立ち上げたため、すぐにでもバック・カタログを増やしたかったものでしょう。本作など『Sub Underground』と『Temple U』の2種類のタイトルで同時発売され、さらに'77年には『Cosmo-Earth Fantasy』と改題再発売されています。サン・ラの場合ライヴ・アルバムといってもレパートリーは新曲が大半であり、また会場売りが主だったサターンのアルバムではライヴ盤の需要が高かったとも思われます。サン・ラのアルバムにハズレはありませんが、特にライヴ・アルバムはバンドの勢いをストレートに伝える好作が揃っています。そこで本作を聴くと、A面の大曲はスタジオ録音曲に間違いないでしょう。B面もライン録音で、仮にライヴ録音としてもA面曲に沿った選曲・編集を意図してバンドが制作したものと思われます。
(Original Reissued El Saturn "Cosmo-Earth Fantasy" LP Handcrafted Front Cover & Side A/B Label)
B2とB3はアフロ・パーカッション曲なのにまったくアプローチが異なりますが、どちらも本来は独立した楽曲ではなくインプロヴィゼーション・パートを編集したものとも考えられ、A面の「Cosmo-Earth Fantasy」もクラヴィネット独奏になった箇所で編集があって3部構成に整えられた可能性があり、少なくともこのA面曲は演奏の途中から始まって演奏の途中で終わっています。唯一本作で一般的にジャズらしい演奏が聴けるのがB1で、4ビートでアコースティック・ピアノ、テナーサックスによるムーディーなナンバーで、タイトルも「Love Is for Always」とスタンダード・バラードの向こうを張るようなメロウな楽曲・演奏です。結局統一感があるのか寄せ集めなのかよくわからないアルバムで、アーケストラとしても変則メンバーの録音ばかり集めたような作りですが、どさくさまぎれに出してしまったアウトテイク集という趣もあり、聴くまで予想がつかないのがサン・ラのアルバムですからこれもありでしょう。ちなみにオリジナルのアルバム・ジャケットやレーベルはすべて手書き手塗り手刷り手製で、100枚単位でデザインが異なるそうです。