新月 - 新月 Shingetsu (Victor/Zen, 1979) Full Album : https://youtu.be/ILzlqYdGWcE
Recorded at the Rockwell Studio, Hakone, winter to early summer 1979
Released by Victor/Zen Records ZEN-1009, July 25, 1979
(Side 1)
A1. 鬼 / Oni (作詞作曲編曲・花本彰) - 9: 32
A2. 朝の向こう側 / The Other Side Of The Morning (作詞作曲・津田治彦 編曲・花本彰) - 4: 15
A3. 発熱の街角 / Influental Streets (作詞作曲・北山真 編曲・花本彰) - 4: 26
A4. 雨上がりの昼下がり / Afternoon-After The Rain (作詞作曲・北山真 編曲・花本彰) - 4:08
(Side 2)
B1. 白唇 / Fragments Of The Dawn (作詞作曲・津田治彦 編曲・花本彰) - 7: 05
B2. 魔笛"冷凍" / Magic Flute "Reitou" (作曲・北山真 編曲・花本彰 発想・伊野万太) - 3: 03
B3. 科学の夜 / The Night Collector (作詞・北山真 作曲編曲・花本彰) - 5: 05
B4. せめて今宵は / Return Of The Night (作詞・北山真 作曲編曲・花本彰) - 5:38
[ 新●月 Shingetsu ]
北山 真 Makoto Kitayama - Vocal
花本 彰 Akira Hanamoto - Keyboard
高橋 直哉 Naoya Takahashi - Drums, Percussion
鈴木 清生 Shizuo Suzuki - Bass
津田 治彦 Haruhiko Tsuda - Guitar
with
Producer - Minoru Kunioka, Shuji Shiotsugu
Synthesizer Programmed By Takashi Kokubo
Saxophone - Hiroshi Morimura (tracks: 4)
新月(「新●月」とも表記)は1979年に日本ビクター株式会社からメジャー・デビューした日本のプログレッシヴ・ロック・バンドで、リーダーでキーボードの花本彰を中心とした巧みな編曲と演奏、イギリスのプログレッシヴ・ロックを規範としながら印象的な日本的楽曲とリード・ヴォーカルの演劇的(能楽的)パフォーマンスで強いオリジナリティを誇った。音楽性からひとことで言えばずばり「日本のジェネシス(ピーター・ガブリエル在籍時のプログレッシヴ・ロック時代、『Trespass』1970~『Lamb Lies Down on Broadway』1974、続く『A Trick of the Tail』1976、『Wind & Wuthering』1977、『Second Out』1978まで)」なのだが、ジェネシスを手本に発展させ、ここまで高い完成度とオリジナリティ(北山真のヴォーカルの存在感に負う面も大きい)を確立した例は当時世界レベルでも新月を際立ったバンドとして認知させるに十分なはずだった。
だが1979年、日本のポピュラー音楽の主流はフォークソングの歌謡曲化による「ニューミュージック」が1990年代の「J-Pop」以前のスタイルとして広く聴かれており、新月のようなバンドは国産ロックのリスナーの嗜好からも外れていた。当時のロックの新しいスタイルはテクノ・ポップやパンク / ニューウェイヴだったが、それも一部のアーティストを除いてはほとんどが商業的惨敗に終わっている。新月はマニアックなプログレッシヴ・ロックのリスナーからは高い評価を獲得したので、CD化以降にはかえってバンド継続時(デビュー・アルバムの翌年に鈴木・高橋氏脱退、1981年セカンド・アルバムの制作準備中に解散していた)より、日本のプログレッシヴ・ロックの古典として広く聴かれるようになった。2006年には一時的な再結成ライヴも行われた。
(Original Victor/Zen "Shingetsu" LP Liner Cover and Promotional LP Label)
解散後も新月のメンバーは主に花本彰氏の監修による未発表録音の発掘リリース、北山真氏のソロ、新月の集大成ボックス『新●月●全●史』への未完成セカンド・アルバムの新録音などで現役感を示し、実質的に新月ファミリーとして活動中の状態にある。2004年には日本のポセイドンとフランスのムゼア・レーベルから共同でフランス盤の発掘ライヴがリリースされた。これはデビュー・アルバム発売記念コンサートの記録テープから選曲されたもので、2016年3月にはコンサートの7月26日をSE、MCも含めて曲順もコンサート通りに戻したリマスター完全版『完全再現 新月コンサート1979』がリリースされた。
バンドが活動中に残した唯一のスタジオ盤『新月』は名作ではあるのだが、完成度の高さがかえってアルバムのインパクトを平坦化している面もあった。まずジェネシスに似すぎているのは欠点ではなく、70年代末らしいフュージョン風のリズム・アレンジもA2などにはあるが、良く練られたアレンジが全編を統一しているためアルバム全体の起伏に乏しい。あまり代わり映えのしない曲が並んでいる印象すら受ける。新月の演奏には即興的要素がまったくないのだが、ライヴでは隙のないアレンジを演奏する緊張感が程良く伝わってくる。何より、デビュー・アルバムのプロモーション用に撮影されたライヴ映像があって、アルバムだけではわからない新月のヴィジュアル面の魅力を伝えてあまりある。アルバム『新月』は素晴らしい出来ばえだが、映像を観てしまうと視覚的要素なしには物足りなくなる。これらの映像は現在は『新●月●全●史』に収められている。
(Poseidon/Musea "Shingetsu Live 25, 26 July 1979 ACB Kaikan Hall Tokyo" CD Front Cover)
(Bell-Antique "1979 Shingetsu Live Complete Edition" 2CD Front Cover)
鬼 (作詞作曲編曲・花本彰) (デビュー・プロモーションライヴ映像 '1979) : https://youtu.be/RU9hnzd-QWY - 9:30
少女は帰れない (作詞作曲・北山真 編曲・花本彰) (デビュー・プロモーションライヴ映像 '1979) : https://youtu.be/s3W1EZymwJo - 4:59
せめて今宵は (作詞・北山真 作曲編曲・花本彰) (デビュー・プロモーションライヴ映像 '1979) : https://youtu.be/TKuKGZug62A - 5:31
Recorded at the Rockwell Studio, Hakone, winter to early summer 1979
Released by Victor/Zen Records ZEN-1009, July 25, 1979
(Side 1)
A1. 鬼 / Oni (作詞作曲編曲・花本彰) - 9: 32
A2. 朝の向こう側 / The Other Side Of The Morning (作詞作曲・津田治彦 編曲・花本彰) - 4: 15
A3. 発熱の街角 / Influental Streets (作詞作曲・北山真 編曲・花本彰) - 4: 26
A4. 雨上がりの昼下がり / Afternoon-After The Rain (作詞作曲・北山真 編曲・花本彰) - 4:08
(Side 2)
B1. 白唇 / Fragments Of The Dawn (作詞作曲・津田治彦 編曲・花本彰) - 7: 05
B2. 魔笛"冷凍" / Magic Flute "Reitou" (作曲・北山真 編曲・花本彰 発想・伊野万太) - 3: 03
B3. 科学の夜 / The Night Collector (作詞・北山真 作曲編曲・花本彰) - 5: 05
B4. せめて今宵は / Return Of The Night (作詞・北山真 作曲編曲・花本彰) - 5:38
[ 新●月 Shingetsu ]
北山 真 Makoto Kitayama - Vocal
花本 彰 Akira Hanamoto - Keyboard
高橋 直哉 Naoya Takahashi - Drums, Percussion
鈴木 清生 Shizuo Suzuki - Bass
津田 治彦 Haruhiko Tsuda - Guitar
with
Producer - Minoru Kunioka, Shuji Shiotsugu
Synthesizer Programmed By Takashi Kokubo
Saxophone - Hiroshi Morimura (tracks: 4)
新月(「新●月」とも表記)は1979年に日本ビクター株式会社からメジャー・デビューした日本のプログレッシヴ・ロック・バンドで、リーダーでキーボードの花本彰を中心とした巧みな編曲と演奏、イギリスのプログレッシヴ・ロックを規範としながら印象的な日本的楽曲とリード・ヴォーカルの演劇的(能楽的)パフォーマンスで強いオリジナリティを誇った。音楽性からひとことで言えばずばり「日本のジェネシス(ピーター・ガブリエル在籍時のプログレッシヴ・ロック時代、『Trespass』1970~『Lamb Lies Down on Broadway』1974、続く『A Trick of the Tail』1976、『Wind & Wuthering』1977、『Second Out』1978まで)」なのだが、ジェネシスを手本に発展させ、ここまで高い完成度とオリジナリティ(北山真のヴォーカルの存在感に負う面も大きい)を確立した例は当時世界レベルでも新月を際立ったバンドとして認知させるに十分なはずだった。
だが1979年、日本のポピュラー音楽の主流はフォークソングの歌謡曲化による「ニューミュージック」が1990年代の「J-Pop」以前のスタイルとして広く聴かれており、新月のようなバンドは国産ロックのリスナーの嗜好からも外れていた。当時のロックの新しいスタイルはテクノ・ポップやパンク / ニューウェイヴだったが、それも一部のアーティストを除いてはほとんどが商業的惨敗に終わっている。新月はマニアックなプログレッシヴ・ロックのリスナーからは高い評価を獲得したので、CD化以降にはかえってバンド継続時(デビュー・アルバムの翌年に鈴木・高橋氏脱退、1981年セカンド・アルバムの制作準備中に解散していた)より、日本のプログレッシヴ・ロックの古典として広く聴かれるようになった。2006年には一時的な再結成ライヴも行われた。
(Original Victor/Zen "Shingetsu" LP Liner Cover and Promotional LP Label)
解散後も新月のメンバーは主に花本彰氏の監修による未発表録音の発掘リリース、北山真氏のソロ、新月の集大成ボックス『新●月●全●史』への未完成セカンド・アルバムの新録音などで現役感を示し、実質的に新月ファミリーとして活動中の状態にある。2004年には日本のポセイドンとフランスのムゼア・レーベルから共同でフランス盤の発掘ライヴがリリースされた。これはデビュー・アルバム発売記念コンサートの記録テープから選曲されたもので、2016年3月にはコンサートの7月26日をSE、MCも含めて曲順もコンサート通りに戻したリマスター完全版『完全再現 新月コンサート1979』がリリースされた。
バンドが活動中に残した唯一のスタジオ盤『新月』は名作ではあるのだが、完成度の高さがかえってアルバムのインパクトを平坦化している面もあった。まずジェネシスに似すぎているのは欠点ではなく、70年代末らしいフュージョン風のリズム・アレンジもA2などにはあるが、良く練られたアレンジが全編を統一しているためアルバム全体の起伏に乏しい。あまり代わり映えのしない曲が並んでいる印象すら受ける。新月の演奏には即興的要素がまったくないのだが、ライヴでは隙のないアレンジを演奏する緊張感が程良く伝わってくる。何より、デビュー・アルバムのプロモーション用に撮影されたライヴ映像があって、アルバムだけではわからない新月のヴィジュアル面の魅力を伝えてあまりある。アルバム『新月』は素晴らしい出来ばえだが、映像を観てしまうと視覚的要素なしには物足りなくなる。これらの映像は現在は『新●月●全●史』に収められている。
(Poseidon/Musea "Shingetsu Live 25, 26 July 1979 ACB Kaikan Hall Tokyo" CD Front Cover)
(Bell-Antique "1979 Shingetsu Live Complete Edition" 2CD Front Cover)
鬼 (作詞作曲編曲・花本彰) (デビュー・プロモーションライヴ映像 '1979) : https://youtu.be/RU9hnzd-QWY - 9:30
少女は帰れない (作詞作曲・北山真 編曲・花本彰) (デビュー・プロモーションライヴ映像 '1979) : https://youtu.be/s3W1EZymwJo - 4:59
せめて今宵は (作詞・北山真 作曲編曲・花本彰) (デビュー・プロモーションライヴ映像 '1979) : https://youtu.be/TKuKGZug62A - 5:31