[ 語義 ]
ミサ(ラテン語: missa, 英: mass)は、カトリック教会においてパンとぶどう酒を聖別して聖体の秘跡が行われる典礼(祭儀)。司教または司祭が司式し、信者全体が捧げるものとして位置づけられており、カトリック教会で最も重要な典礼儀式である。
カトリック教会における他の典礼や、キリスト教の他教派における礼拝(公祈祷)一般をまとめて「ミサ」と呼ぶ事例がマスメディアや書籍などでさえも多く見られるがこれは誤りである。「ミサ」とは、本項で詳述するカトリック教会における聖体の秘跡にかかる典礼だけを指す語彙である。カトリック教会のミサは、正教会では聖体礼儀に、聖公会およびプロテスタントでは聖餐式に相当する。
特に、正教会およびプロテスタントでは「ミサ」という表記は全く使われない。教派や祈祷の種別を問わない場合は「礼拝」という表現を使うのが無難である。
[ 教派用語 ]
「ミサ」はラテン語から転写されたカトリック教会用語であるが、片仮名で(日本語で)「ミサ」と言えば、本項で詳述しているカトリック教会における主の晩餐(最後の晩餐)に由来する聖体の秘跡(聖変化)が行われる典礼(祭儀)のみを指す名称であって、カトリック教会における他の典礼をも「ミサ」と呼ぶのは誤りである。たとえばカトリック教会における時課も、典礼ではあるが、ミサではない。
なお、外国語においては「ミサ)(ラテン語: missa)あるいは「マス」(英: mass)という表記は聖公会、ルーテル教会、復古カトリック教会などにおいても使われることがあるが、日本で片仮名表記で「ミサ」と書くのは日本聖公会では稀であり、日本のルーテル教会に至っては皆無である。聖公会、ルーテル教会では、主の晩餐に由来する礼拝をふつう「聖餐式」と呼ぶ。
教会で行われている祈祷について、キリスト教の教派や祈祷内容が不明な場合は、単に「礼拝」と呼ぶのが無難である。
(日本語版ウィキペディアより抜粋)
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(解説)
日本ではアメリカ系宗派のプロテスタント信徒がキリスト教信徒の大半を占めているのに、キリスト教教会の礼拝を一括して「ミサ」と誤用する人が多いのは、ミッションスクールの存在があります。聖・教を兼ねた施設は日本の寺・神社もかつてその役割を果たしていましたが、聖・教分離したプロテスタントより歴史の古いカトリックではミッションスクールという形態が残っており、そこからカトリック、しかもペンテコステ礼拝(聖餐式)に限って用いられる用語がそのまま礼拝全般を指す言葉と誤解された、ということでしょう。
なお、プロテスタントにも聖餐式はありますが、単に「聖餐式」と呼び、ことさらミサとは言いません。ミサとは礼拝でも特別な「聖餐式」のみを意味するものであり、聖餐式は受洗を済ませた、洗礼済みの信徒しか参加できません(参列するだけならできますが)。礼拝全般を、「ミサ」と呼ぶのがいかに誤用であるか、お分かりいただけたでしょうか。
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キリスト教用語の基礎知識 [ ミサ ]
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