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Channel: 人生は野菜スープ(または毎晩午前0時更新の男)
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男のお手軽肉じゃがガルパン編

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みほ「美味しそう!」
沙織「ねー。男を落とすならやっぱ肉じゃがよねー」
優花里「男って本当に肉じゃが好きなんですかね?」
華「都市伝説なんじゃありません?」
沙織「好きだもん!雑誌のアンケートにも書いてあったもん!」
麻子「……」
(アニメ『ガールズ&パンツァー』より)

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 ……などという会話を聞くと肉じゃがが食べたくなる。幸いじゃがいもは栽培が容易な根菜で、四季を問わず安い。中玉5個入り税込み108円で買える。男爵だメークインだと品種は問わない。ひとり暮らしの男の自炊に細かいことは言っていられない。じゃがいもの皮むきが面倒だが、薄皮で爪で掻いただけで剥けるのでメークインなのだろうか?
 じゃがいもの起源は16世紀と比較的近年らしいが、ペルーの地方民の常食をスペイン人が持ち帰ったところ爆発的に全世界(アジアにも)広がり、麦、米、トウモロコシと並ぶ世界四大農作物の地位に就いたという。そうか、日本はトウモロコシ食文化圏ではないんだな、と思いながら便利なレトルトを茹で上げる。
 レトルトとは牛丼の素で、カレーのレトルトより少し割高だが特売の時に買っておくと何かと使える。そのままご飯にかけると牛丼チェーンに較べてあまりにも貧弱な具にがっくりするが、玉子でかき玉にして電子レンジをかければ玉子とじ牛丼にもなるし、やはり玉子とじで土鍋で鍋焼き牛すきうどんにすれば電子レンジで3~4分で直火で30分煮込んだ味になる。しかも土鍋も熱くならない。
 さらに炒めて食べるのに向く野菜なら何でもフライパン一杯炒めて、仕上げに牛丼レトルトを和わせれば、3~5食分の牛すき野菜炒めができる。同じ要領で木綿豆腐のさいの目切りを炒めて、牛すき豆腐炒め、これも豆腐1丁で3食分にはなる。糸こんにゃくやしらたきを入れるともっと嵩が増える。味が不足なら大さじ単位で砂糖、しょうゆ。しょうゆは水で希釈せずみりんか料理酒を使う。おろし生姜(チューブので十分)があればなお風味が出て美味しい。

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 豆腐ではなくじゃがいもを使えば、この通り牛丼レトルトを使った簡単肉じゃがを作れる。この場合もまず、じゃがいもは切らずにまるごと土鍋にひたひたの水で3~4分レンジにかけて下茹でする。水ではなくラップでくるんでもいいが手間がかかる。スーパーの薄い水物用の袋で包んでもいい。ラップや袋の場合もじゃがいもは水をくぐらせ表面を濡らしておく。電磁波は水中でも直接じゃがいもを熱するが、表面が露出して乾いていると表面だけぱさぱさになってしまう。蒸らした状態(容器、ラップ)なら完全に水の中でなくてもいい。
 じゃがいもをすくって、土鍋はお湯になっているからレトルトを投じる。お湯に入れてもレトルトは電磁波を通さないから気をつけて。土鍋自体は電磁波で温まる成分が少ないが、中の水がお湯になった分は温まっている。レトルトの温めが足りないと牛脂が溶けないから冬場は土鍋を軽くコンロにかける。そのまま食べるのが目的ではないから、牛脂が溶ける程度に温まっていれば良い。
 土鍋のお湯を捨てて、じゃがいもを並べてひとまず大きめに切る。茹でたじゃがいもは土鍋の底を傷つけないくらい簡単に切れる。それからなるべく平らに並べ、そして牛丼レトルトをなるべく均等に空ける。電子レンジに1~2分かけるが、牛脂がパチパチはじける音がしたらすぐ止める。じゃがいもを牛丼のつゆに絡ませ直して、また1~2分。

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 市販の牛丼レトルトは130g~180gといったところだから、紙コップすりきり一杯程度の分量でしかない。これで本格的に一人前の土鍋いっぱいのじゃがいもを煮込むのは無理で、しかもすでに油脂成分も入ったので、ここからは煮汁を足して直火で煮込む。前記の要領で砂糖、しょうゆ、みりん(料理酒)、あればおろし生姜を足す。じゃがいもが鍋底から2cmも浸れば十分。煮ながら転がせばいい。みりんは沸騰してから弱火で10分も煮れば蒸発する。
 レンジで5~8分、直火では10分強しか加熱していないが、これでじゃがいもは(煮くずれしにくいメークインでも)芯までほくほくになる。煮くずれしやすい男爵の場合は下ゆでから切っておいて、砂糖、しょうゆ、みりんの煮汁でレンジ茹でして、それから牛丼レトルトを加えて軽く煮るのがいいかもしれない。短時間で済む分煮くずれしにくい。土鍋は蒸し器代わりにもなるので、揮発性の高いみりんの煮汁ならじゃがいもにかぶらない少量でも大丈夫(水の場合は具材が浸るくらい必要)。

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 とまあ、ニンジンや絹サヤ、いんげん、グリーンピース、糸こんにゃくなどが入らないのは残念だが、とにかく牛丼レトルトとじゃがいもだけで肉じゃがを作ってみた。一人前の土鍋一杯とはいっても主食ではなくご飯のおかずとすれば3~5食分くらいになるものだ(使ったじゃがいもが5玉)。最後の一食はご飯をじかに土鍋によそって汁の一滴まで味わいつくすことだろう。これもようやく秋の気配になったからこそで、夏の間は作り置きの鍋物などできないから毎晩料理していた。これで数日料理が一食分さぼれるのと、それに食べきるまでは時間が経つほど味がしみて美味しくなる。これは横着なことなのだろうか。

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