行進曲はぴたりと止みました。あれはなんじゃい?とジョースターさんがマイメロディに訊くと、マイメロはさあ、と困った顔になりました。ちょうど食器を下げに通りかかったメラニーが、軍楽隊がたまにああしているんですよ、この子は入ったばかりの新人なのでよく知らなくてすいません、と替わりに答えました。一応答えはしましたが、メラニーのおざなりな回答はかえってジョータロー一行の疑念を深めました。ここは今休戦中なわけだろ、とポルナレフ、じゃあ今この地帯を統治しているのはどこの国なんだ?で、あの軍楽隊はどこの国の軍隊だ?普通に考えれば、とアヴドゥル、古典的な戦争では植民地化や領土拡張、資源奪取というのが主な目的になる。ここは本来自治区としてどこかしらの大国と同盟を結んでいて、大国どうしの争いでそれまでの政情が大きく崩れた。大国Aの衛星国から大国Bの衛星国に、またはまったくの独立国化に対して大国Bから干渉を受け、それを大国Aが妨害しようとする場合もあるだろう。この地帯ではどうなのかね、マイメロディさん?
マイメロは困って近くに代わって答えてくれる先輩はいないかきょろきょろしましたが、メラニーはさっきのひと言だけでとっくにムーミン谷ご一行さまの接客についてしまい、アギーやバーバラもふたば幼稚園ひまわり組やパインクレスト小学生たちを相手におおわらわでした。マイメロディはこのお店をスパイするためにアルバイトに入ったので、接客のノウハウどころかここがどういうお店かも知らずにハローキティたちに送り込まれたのです。もしマイメロディに接客の心得があったとしても、ムーミン谷の人たちやチャーリー・ブラウンたち、ひまわり組の幼稚園児たちならまだしもジョースターさんたちをお相手するのは手にあまることでした。マイメロはずきんの中が冷や汗でびっしょりになりました。あの、とマイメロはメニューを広げて、こちらもお薦めになっていますが召し上がりませんか?
トンビのズンドコ揚げとボンジリのパッパラ炒めを人数分のホッピーと追加注文すると、しかしそれは古典的概念の戦争でのことですよね、と花京院。うむ、とジョースターさん、われわれが追っている相手には、従来の価値観では予測できない目論見があるかもしれん。それを忘れてはいかん。
それはどんなものでしょう?予測できないならわしにもわからん。やれやれだぜ、とジョータローは言いました。
第六章完。
マイメロは困って近くに代わって答えてくれる先輩はいないかきょろきょろしましたが、メラニーはさっきのひと言だけでとっくにムーミン谷ご一行さまの接客についてしまい、アギーやバーバラもふたば幼稚園ひまわり組やパインクレスト小学生たちを相手におおわらわでした。マイメロディはこのお店をスパイするためにアルバイトに入ったので、接客のノウハウどころかここがどういうお店かも知らずにハローキティたちに送り込まれたのです。もしマイメロディに接客の心得があったとしても、ムーミン谷の人たちやチャーリー・ブラウンたち、ひまわり組の幼稚園児たちならまだしもジョースターさんたちをお相手するのは手にあまることでした。マイメロはずきんの中が冷や汗でびっしょりになりました。あの、とマイメロはメニューを広げて、こちらもお薦めになっていますが召し上がりませんか?
トンビのズンドコ揚げとボンジリのパッパラ炒めを人数分のホッピーと追加注文すると、しかしそれは古典的概念の戦争でのことですよね、と花京院。うむ、とジョースターさん、われわれが追っている相手には、従来の価値観では予測できない目論見があるかもしれん。それを忘れてはいかん。
それはどんなものでしょう?予測できないならわしにもわからん。やれやれだぜ、とジョータローは言いました。
第六章完。