Ornette Coleman - Skies of America (Columbia, 1972) Full Album : http://youtu.be/HkgQVJDhn6M
Recorded at Abbey Road Studios in London from April 17 to 20, 1972
Released May 1972, Columbia KC 31562
Compositions and Orchestrations by Ornette Coleman
(Side A)
1. "Skies of America" - 2:49
2. "Native Americans" - 1:10
3. "The Good Life" - 1:33
4. "Birthdays and Funerals" - 3:13
5. "Dreams" - 0:51
6. "Sounds of Sculpture" - 1:20
7. "Holiday for Heroes" - 1:10
8. "All of My Life" - 3:08
9. "Dancers" - 1:17
10. "The Soul Within Woman" - 0:47
11. "The Artists in America" - 3:54
(Side B)
1. "The New Anthem" - 0:31
2. "Place in Space" - 2:44
3. "Foreigner in A Free Land" - 1:19
4. "Silver Screen" - 1:10
5. "Poetry" - 1:15
6. "The Men Who Live in the White House" - 2:48
7. "Love Life" - 4:34
8. "The Military" - 0:32
9. "Jam Session" - 0:39
10. "Sunday in America" - 4:29
[Personnel]
Ornette Coleman - alto saxophone on "The Artists in America," "Foreigner in A Free Land," "Silver Screen," "Poetry," "The Men Who Live in the White House," "Love Life," and "Jam Session"
London Symphony Orchestra - instruments
David Measham - conductor
(Original Columbia "Skies of America" LP Liner Cover)
このオーネット一世一代の協奏組曲でいちばん有名な部分はA3『ザ・グッド・ライフ』で、オーネット自身のアルトサックス演奏はA11『ジ・アーティスツ・イン・アメリカ』まで登場しない。17分近くをオーケストラの演奏を聴きながらサックスまだかなー、と待つことになる。このアルバムは批評家の評価は高かったがセールス的には惨敗で、アナログLP時代の再発売ではコロンビアからの前作『サイエンス・フィクション』と2枚組にされていた。
50年代後半にガンサー・シュラーやジョン・ルイスが提唱していた音楽でサード・ストリーム・ミュージックというアイディアがあり、ジャズと現代音楽の融合を目指したもので、初期のオーネットもジョン・ルイス&ガンサー・シュラーのサード・ストリーム・アルバム『ジャズ・アブストラクション』(60年12月録音)にメイン・ソロイストとしてエリック・ドルフィーやスコット・ラファロとともに参加している。ドルフィーやラファロは『ジャズ・アブストラクション』録音翌日にオーネットの『フリー・ジャズ』に招くことになる。
(Original Columbia "Skies of America" LP Side A Label)
A3『ザ・グッド・ライフ』が重要なのはこれがこの協奏組曲のモチーフになっているからでもあるが、録音でたどるかぎり『コンプリート1968イタリアン・ツアー』の68年2月のミラノ公演で『Tutti』という仮題で23分間、ワンホーン・2ベース・カルテットで演奏している。スタジオ録音では『サイエンス・フィクション』で『スクール・ワーク』として演奏。そして『アメリカの空』以降は、再び沈黙期間のあと1977年に発表されたカムバック作で1975年録音の『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』ではA面とB面にヴァリエーション1、2で35分あまりにわたって演奏された『テーマ・フロム・ア・シンフォニー』が『ザ・グッド・ライフ』にあたる。以降この曲はエレクトリック・バンドでのオーネットの定番曲になった。
オーネットのエレクトリック・バンド第1作『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』は他にはアルバム末尾にモロッコ録音の現地の民族音楽ミュージシャンとの短いセッションが入っているだけなので、いつの間にか『トッティ』『スクール・ワーク』『ザ・グッド・ライフ』『テーマ・フロム・ア・シンフォニー』は単に『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』と呼ばれるようになる。
(Original Columbia "Skies of America" LP Side B Label)
この頃からオーネット・コールマンは自分の音楽をハーモディロック理論によるハーモディロック音楽で、既成のどんな音楽ジャンルにも属さない、と主張するようになる。なるべく簡単にハーモディロック理論を解説すれば、音楽を構成するメロディ、ハーモニー、リズムは複数の異なる演奏が同時進行しても良い、だからメロディ、ハーモニー、リズムはそれぞれが結びついている必要もない、というもので、偶然というか歴史的には必然かもしれないが、同じ頃出現していたキャプテン・ビーフハートの変態ブルースやシャッグスの脱力ロックと同じ手法に行き着いていた。説明するより観ていただいた方が早い。80年代の夏の日本のジャズ・フェスティヴァルの映像でご覧ください。
(Original "Dancing in Your Head" 1977 LP Cover)
Ornette Coleman - Dancing In Your Head (live) : https://youtu.be/72SVN9sO4P4