こんにちわぁ、あそびに来たよ、とマイメロディが入ってきました。ミミィやキャシーたちはストゥールから腰を浮かしかけ、カウンターの中にいたデイジーもハッと椅子から立ち上がりましたが、お客さんではなくただの友だちとわかると落胆して、また腰をおろしました。どうしたの、元気ないよ、とマイメロディ、そういえばキティちゃんは?これは言うべきか隠しておくべきか、とミミィたちは顔を見合わせましたが、果たしてどこまで噂がひろがっているかは想像もつきません。マイメロ風情が知っていてとぼけているとは思えませんが、もし自分たちが何も知らないそぶりをして、後からマイメロがよそで聞いたらどう思われてしまうでしょうか?相当な薄情ものたちか、さもなくばうすのろか、せいぜい良く言って仲間割れと思われるのがおちです。たしかにミミィはこねこ、デイジーとキャシーはうさぎですからその程度のうつわしかありませんが、マイメロディなどはメンヘル、いやメルヘンランドから来たうさぎ型ぬいぐるみ妖精で、未来の世界のネコ型ロボットよりいかがわしい存在ではありませんか。その時、ミミィたち3人の頭に同時に釣り糸みたいなものがひらめき、自分以外のふたりも同じことを考えているのを3人の誰もが気がつきました。
ねえ、とミミィはまむし酒をおちょこでマイメロに渡すと、最近マイメロは忙しいか(マイメロはいつものんびりしていると知っての質問ですから、これは誘導というものです)、困った人がいたら助けになれるか(これも誘導)、とどのつまりはお願いマイメロディ、うちのお店で働いてくれない?とキャシーとデイジーと3人がかりでマイメロを取り囲みました。うーん、うーん、うーん、とマイメロは3人をかわるがわる見回しながらさすがに即答には困った様子で、何しろ風呂に沈められるかどうかという願ってもない話ですから一も二もなく飛びついても良さそうなものですが、キティちゃんが今お休みしているからなのかナ?と案外痛いところを突かれて、このぬいぐるみのくせに妙なせんさくしやがって、とキティ屋一堂。
休んでいるわけじゃないのよ、とデイジーはお姉さんの威厳で言いました、何ていうか……マイメロはいつもかぶっている赤ずきんがなくなっちゃったらどうする?マイメロおおかみさんに食べられちゃう、とカマトトのマイメロは言いました。人の前でずきんを脱げる?だいたいそういうことなのよ。
ねえ、とミミィはまむし酒をおちょこでマイメロに渡すと、最近マイメロは忙しいか(マイメロはいつものんびりしていると知っての質問ですから、これは誘導というものです)、困った人がいたら助けになれるか(これも誘導)、とどのつまりはお願いマイメロディ、うちのお店で働いてくれない?とキャシーとデイジーと3人がかりでマイメロを取り囲みました。うーん、うーん、うーん、とマイメロは3人をかわるがわる見回しながらさすがに即答には困った様子で、何しろ風呂に沈められるかどうかという願ってもない話ですから一も二もなく飛びついても良さそうなものですが、キティちゃんが今お休みしているからなのかナ?と案外痛いところを突かれて、このぬいぐるみのくせに妙なせんさくしやがって、とキティ屋一堂。
休んでいるわけじゃないのよ、とデイジーはお姉さんの威厳で言いました、何ていうか……マイメロはいつもかぶっている赤ずきんがなくなっちゃったらどうする?マイメロおおかみさんに食べられちゃう、とカマトトのマイメロは言いました。人の前でずきんを脱げる?だいたいそういうことなのよ。